日本のマチュピチュ、天空の城〜竹田城(虎臥城)へ行く。

日本のマチュピチュ、天空の城〜竹田城(虎臥城)へ行く。

更新日:2013/01/24 11:38

兵庫県朝来(あさご)市にある山城、竹田城。日本百名城の一つでもあり、天守はなく、石垣のみの城跡です。
別名、虎がふせたようなシルエットから、虎臥(とらふす)城と呼ばれています。
秋から冬にかけてよく晴れた早朝にのみ見ることができる、雲海に浮かぶような姿から「天空の城」「日本のマチュピチュ」と呼ばれたりも。

竹田城を撮る(見る)には・・・

竹田城を撮る(見る)には・・・
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竹田城を撮る(見る)には主に2通りの方法があります。

@正面の立雲峡から眺める
A竹田城に登る

天空の竹田城を撮るならどちらも捨てがたく、ベストは2日間以上必要ですが、私の場合一泊二日でしか動けなかったので、雨でも嵐でもこの日のみ。
まずは向かい側の立雲峡からダイナミックに眺めてみて、あとで竹田城に登ることにしました。

なぜ竹田城に雲海が現れるか?は、昼と朝の温度の差が激しいときで、川の上に霧が集中して発生するからとか?
気温が急激に冷え込む秋、9月から12月初旬の晴れた早朝にのみ大量に発生し、そこに朝陽が挿す時刻がまさに幻想的な天空の城となるゴールデンタイムなんです。

ただしこの季節に朝向かうからといって「あまり期待をかけすぎてはならない」ことも付け足しておきます・・・
相手は自然ですから、見れたらなんてラッキーくらいの心持ちがいいのかな?と思います。

さて、立雲峡の駐車場に着きました。

さて、立雲峡の駐車場に着きました。
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6:20頃はまだこんな暗さです。
カメラと三脚を抱え、山道を少し登ります。
さすがというか、他にもたくさんの城ファンが同じように歩いています。こんな時間にちょっと異常な雰囲気(笑)。

よさそうな場所に陣取り三脚を置きます。地面は斜めなので、水平を保ちつつ固定。
こんな感じで、私が振り返っただけでこれくらいの人手ですね。あとは左右、下の方にもカメラを構えた人がいます。

びっくりするのが、撮影に夢中になったあまり、踏み外して転ぶ人がいたということ。
雨でぬかるんでいたからなのか、結構上の方からゴロンゴロンと転がり落ちた男性がいて、下でカメラを構えている人にもぶつかっていました。

危険だΣ(・ω・ノ)ノ!!
その人はその後もまた滑って転げ落ち、今度は頭を打ったか怪我をしたみたいで立ち上がれなくなり、仲間に背負ってもらって下山していました。
・・・そうならないように気を付けましょう

7:00 朝陽が挿してきました

7:00 朝陽が挿してきました
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雲海は表れていません。
ただ石垣の後ろにうっすらと靄らしきものが…
雨もすっかりやみ、少しずつ・・・後ろの空がやや明るくなってきます。

すると雲海がゆ〜っくりと現れ始めました・・・!
うおー!! 感動するー感動!!

めまぐるしく雲は流れたり消えたり・・・ 
まるで大空を龍が泳ぐ姿のようでもあり、もう神秘的で言葉も出ません…

ああ、一瞬一瞬が美しい・・・・!

ああ、一瞬一瞬が美しい・・・・!
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いい感じで空も赤く色づいてきましたが、一気に雲海が出現し、逆に城が見えなくなったりも。

ああ、一瞬一瞬が美しい・・・・!(すみません、私に腕がないので画像ヘッポコで☆)

すっかり日が昇ると、たくさんの人が本丸跡に上がっていたことに気づいてびっくり(笑)。
ちょっと興ざめします(;^_^A

それにしましても、時間を飛び越えて、同じ風景を見つめる戦国人と私たち。
あ〜〜不思議、あ〜〜ロマン!!
本当に連れて来てもらってよかった! すごく感動し、興奮しました。

7:30 退散し、竹田城へと移動します。

7:30 退散し、竹田城へと移動します。
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安土城の石垣を作った近江穴太衆(おうみあのうしゅう)たちの手による、自然なままの石をどっしりと積み上げた野面(のづら)積みの石垣。
隙間が程よく空いて水はけがいいそうです。
でもこんなふうに、ほとんど当時のままの石に触れながら歩くことのできる城はやっぱり素晴らしいです。

豊かな自然が残る但馬の風景に、とても似合う竹田城の美形の城郭。
死角をなくすためとはいえ、なんと美しいラインなんだろう。

標高約350メートルの頂きに立つ、天守の上にも立ってみました。

但馬は自然と人間の共生がテーマのまちだけど、
特別じゃない、自然にここにあるこのお城もまた、時代を超えて現代に共生しているんですよね。
「絶景をありがとうございます!」
住まう皆さんに思わずお辞儀したくなる、そんな感じです。


ネット上で話題に上る機会も増えた竹田城跡。
もっとみんなに知ってもらいたいなと思う半面、現地へ行ってその飾らない姿を見つめた後は、あの野ざらしの野性的な風貌のまま変わらないでいてほしい・・・まもられててほしいという気持ちも生まれてきます。

ごみを捨てない、決まった道以外に入らない、事故を起こさない、冷静に撮影する―――。
そういった一見、当たり前ともいえるマナーが守られなくなったら竹田城は制約ができ、または余計な手が加わり価値が変わっていくのかもしれません。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/11/19−2011/11/20 訪問

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