写真:万葉 りえ
地図を見るトロッコ嵯峨駅があるのは、JR嵯峨嵐山駅のすぐ隣。また嵐電の嵐山駅などからも歩いて数分という距離です。駅舎の入り口にはピカピカに磨かれた蒸気機関車D51が展示され、記念写真を撮ったり、中をのぞき込んだりしている人の姿が見られます。
駅舎の中に入れば中は冷暖房完備で広いスペースがとられ、列車の空席状況などがすぐにわかるように表示されています。急に思い立ってトロッコ列車に乗ってみようと思ったときにも、表示を見て予約を入れてから嵐山を観光することだって可能です。
駅舎の建物の奥には「ジオラマ京都JAPAN」も併設されています。間違っても、写真に写っているジオラマを、ここのメインのジオラマだと思わないでくださいね。これは入り口にある小さなタイプ。中に入れば路線の総延長が2.7キロメートルもあるという日本最大級の鉄道ジオラマが待っています。京都の寺社や街並みまで精工に再現されており、夜空の下での運転など趣向を凝らした場面の運転が楽しめるようになっています。しかも、本物の列車の運転席を使っての操作も可能なんですよ。
写真:万葉 りえ
地図を見るそんな充実した待ち時間も過ごせる駅舎に乗車予定のトロッコ列車が入ってきたら、いよいよ出発です。
もともと、渓谷沿いを走っていたのはJRの嵯峨野線(山陰本線)でした。複線化の工事を行い嵯峨野線が少し違うルートを通るようになったため、保津川渓谷沿いの線路は使われなくなります。その旧軌道を利用して走り出した観光列車が、嵯峨野トロッコ列車です。
廃線後しばらく放置されていた線路はかなり荒れた状態になっていたそうですが、取り組んだ方々の熱い気持ちによって、現在、渓流や奇岩が連なる素晴らしい景色を車窓から見ることができるようになっています。
写真:万葉 りえ
地図を見る嵯峨駅を出ると、竹林の中を抜けてトロッコ列車は走ります。嵐山の駅では、客車の半分の扉が開きません。嵐山の駅を過ぎるとすぐにトンネルに入るのですが、昔ながらの駅は小さなホーム。客車の半分は、駅のホームを過ぎてトンネルの中の停車になってしまうのです。
トンネルも赤いレンガで積み上げられた古い造りということに注目してくださいね。トンネル内に停車する客車に乗られた場合は、このレトロなトンネルをバックに記念写真というのもいかがですか。
写真:万葉 りえ
地図を見るディーゼル機関車にひかれたトロッコ列車の平均速度は約25キロメートル。このゆっくりペースで進むからこそ、沿線沿いの景色を楽しむことができるのです。トロッコ嵯峨駅から亀岡の駅までは、片道7.3キロメートル。その区間をおよそ25分かけて進みます。
そのうえ、景色が美しい場所ではもっと速度を落として走ってくれます。渓谷沿いには桜やモミジがたくさん植えられているので、春の桜、夏の清々しい青葉、秋のあでやかな紅葉、冬の雪景色…と季節それぞれの美があります。この沿線沿いを知り尽くした運転手さんや車掌さんのおすすめの景色、そして車掌さんの楽しいトークも、トロッコ列車の魅力ですよ!
写真:万葉 りえ
地図を見る5両編成の客車は、外観もクラシカルな色合いになっています。トンネル内で撮った写真でもお分かりのように、客車の天井は懐かしさのある裸電球です。そして、座席は木製の椅子。時代を戻したような簡素な車内の様子に、懐かしさを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
客車の一つは、窓ガラスのないオープンな作りになっています。ほかの客車でも開けられた窓から渓谷からのすがすがしい空気が入ってくるのですが、このオープンになった客車ではもっと渓谷の中にいることを強く感じられるはずです。竹林の香りや、渓谷の涼風、紅葉からの木漏れ日など、たっぷりと嵐山の自然に浸ってくださいね。
トロッコ列車に嵯峨駅から乗車した場合は、終点は亀岡駅になります。
ここから京都方面へ戻るのにもう一度トロッコ列車を楽しむこともできるのですが、人気なのが車窓で見てきた川を下っていく「保津川下り」です。亀岡駅から川下りの乗船場も近いので、トロッコ嵯峨駅で乗船可能かどうか確かめておくと便利ですよ。
また、JRの嵯峨野線(山陰本線)を利用して戻ることもできるので、旅の予定に合わせて選んでくださいね。
嵐山の自然をたっぷりと楽しめるノスタルジックなトロッコ列車。寺社などをめぐることが多い京都の旅ですが、そこに、思い出に残る嵐山の自然美を加えてみませんか。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/28更新)
- 広告 -