裸で仁王立ちしたくなる雲上の秘湯露天風呂! 白馬鑓温泉

裸で仁王立ちしたくなる雲上の秘湯露天風呂! 白馬鑓温泉

更新日:2016/08/29 17:51

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
標高2100メートルの山中に佇む一軒宿・白馬鑓温泉小屋。標高日本一の天然湧出量を誇る名湯です。最も近い登山口は白馬村・猿倉。標高1230メートル。雲上の秘湯に入るには標高差870メートル、約6キロの山道を自分の足で登って行きます。雪渓を渡たり、急坂を登る山道の苦しさも、豊かに湧き出す温泉の湯気を見た瞬間、喜びに代わるはず。汗だくで登ってやっと到着する白馬鑓温泉。ゆっくり、まったり堪能してください。

白馬鑓温泉への道

白馬鑓温泉への道

写真:SHIZUKO

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日本の山と言えば、富士山、立山、穂高連峰などの名前が上がりますが、白馬岳もそれらの山に引けを取らない人気の山。日本最大級の雪渓=白馬大雪渓を登るルートが大人気。大雪渓から白馬岳・杓子岳・鑓ケ岳と白馬三山を縦走し、最後に鑓温泉で疲れをいやすコースが最もポピュラー。

あるいは、猿倉から入山し、始めに鑓温泉を楽しみ、三山を縦走。白馬大池を越えて、栂池高原へ下るお花畑コースも素敵。登山上級の方なら、唐松岳から不帰嶮(かえらずのけん)を越え、鑓温泉で疲れをいやすこともできます。

いずれにせよ、7月から9月のシーズン終盤まで、山の上はお花畑。雪渓があちこちに残る白馬の山は、場所を変え、種類を変え、高山植物が咲き乱れています。

白馬鑓温泉小屋の営業は、その年の雪や気象条件よって違いますが、おおむね7月中旬から10月初めまで。実はこの小屋、営業期間以外は解体されます。雪崩などで潰されてしまわないための措置です。だからこそ、期間限定の秘湯中の秘湯なんです。

白馬大雪渓は通らないけど…

白馬大雪渓は通らないけど…

写真:SHIZUKO

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猿倉から登り始めてすぐに白馬大雪渓へ向かう分岐があります。そこは左に道を取り、直接、白馬鑓温泉へ向かいます。緩やかに2時間ほど登ると、オレンジ色のニッコウキスゲが咲く湿原へ。

おおむね歩きやすい前半戦が終了すると、道は足もとがガラガラの歩きにくい沢筋に。雪渓も現れ始めます。雪渓が現れた途端、噴き出していた汗がスーッと引き、ちょっと肌寒く感じられます。白馬大雪渓のようなスケールではないにしろ、このコースも何度も雪渓を渡ります。

雪渓の下を、轟々と音を立てて雪解け水が流れ落ちていきます。三白沢、杓子沢、鑓沢などの雪渓を慎重に越えていくと、やがてテント場のテントが見え、鑓温泉小屋のオレンジがかった建物が現れます。

解放感抜群の露天風呂は至福

解放感抜群の露天風呂は至福

写真:SHIZUKO

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やっとたどり着いた憧れの鑓温泉。登山道の真正面に解放感抜群の露天風呂があります。すぐにでも飛び込みたいところですが、混浴です。大体は男性がのびのびと露天の解放感を楽しんでらっしゃいます。女性はなかなか入りづらいもの。でも大丈夫。女性専用の囲いの付いたお風呂場があるんです。荷物を下ろしたら、まずはひとっ風呂。アツアツのお湯に疲れた体を沈める幸せ。ああー極楽と、思わず言ってしまいます。

ちょっと硫黄臭のある透き通ったお湯

ちょっと硫黄臭のある透き通ったお湯

写真:SHIZUKO

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でもやっぱり露天風呂に入りたい。そのためにここまで登ったのですから。そちらも大丈夫。20時から21時までは女性専用風呂になります。夕食を食べた後、女性はみんなじっと待っていました。そして時間が来たら、どんどんと露天風呂に。ヘッドランプと星明り頼りの真っ暗な露天風呂。昼間、男性がのびのびとお風呂の縁に立っていた気持ちがわかります。女だって、山の中で、生まれたままの姿で仁王立ち。最高の解放感。こんなことができるのも、雲上の秘湯ならではです。

真っ赤に染まる雲海の朝焼け

真っ赤に染まる雲海の朝焼け

写真:SHIZUKO

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翌朝は、日の出前には小屋の外へ出ましょう。眼下に広がる雲海が茜に染まっていく短くも美しい時間をぜひ心に刻んでください。露天風呂に入って眺める朝日は、白馬鑓温泉小屋のご自慢の風景。

とはいうものの、朝は混浴の時間帯。男性が夜明け前から温泉を楽しんでいらっしゃることが多く、女性陣にはなかなか入りづらいもの。でも大丈夫。露天風呂の外からでも、朝焼けの絶景は充分に楽しめます。

同じ夜明けでも、決して同じ顔じゃない山の風景。縦走登山の通過点としてではなく、ゆったりと鑓温泉だけを楽しむために、複数泊するのもいいでしょう。一日として同じ顔を見せない山の一日を心行くまで楽しめます。

山の朝は早いので、下山する人、次の山に向かう人と、空が明るくなるころには、小屋前は慌ただしい活気あふれた雰囲気に。さて、そろそろ出発しましょうか。

山の中の秘湯は数々あれど…

秘湯好きの人は、登山も好きなのでしょうか。そうでなければ、こんな山の中の温泉に入ることはできないでしょうね。

秘湯と呼ばれる温泉は数々あれど、これほどの解放感が味わえる温泉は他にないと言えます。山小屋が営業している期間(7月中旬から10月初め)は、誰でも安心してこの素晴らしい露天風呂を楽しめます。が、この山小屋は冬の間はすべて解体され、姿を消します。でも、天然温泉露天風呂には滔々とお湯が流れ込んでいるそうです。そうなると、本当の秘湯中の秘湯に。雪山を登れるスペシャリストだけがこの温泉を堪能しているそうです。そんな危険なことをしなくても、充分素敵な鑓温泉。山登りのトレーニングをして、一度、行ってみませんか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/20−2016/07/22 訪問

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