栗の街だけじゃない!長野県「小布施」は世界に誇る北斎肉筆画の宝庫

栗の街だけじゃない!長野県「小布施」は世界に誇る北斎肉筆画の宝庫

更新日:2016/08/18 15:10

栗で有名な小布施は、長野県の北東、千曲川の東岸の街。江戸時代には舟運が発達したことから、定期的に市がたち、経済・文化が栄えました。葛飾北斎や小林一茶などが訪れ、地域文化の中心地に。葛飾北斎は80歳を超えてから小布施を四度訪れ、肉筆画をたくさん描いてます。
浮世絵とは違う北斎の肉筆画を鑑賞できる、小布施の街を紹介ます。

浮世絵好きなら外せない「北斎館」

浮世絵好きなら外せない「北斎館」
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代表作『富岳三十六景』『北斎漫画』により、世界的に有名な江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎。印象派にも大きな影響を与え、音楽の世界でも波の表現からドビュッシーが交響詩『海』を作曲したことは、有名です。

小布施の街中の「北斎館」では、北斎の貴重な肉筆画を見ることができます。北斎は、80歳を超えてから小布施の豪農商高井鴻山に招かれ、鴻山の援助のもとで肉筆画を描きました。

「北斎館」では、瓜実顔の「美人画」、豪華な「花鳥風月画」、植物や動物のデッサンに彩色した静物画のような「生物画」など、浮世絵とは違った美しい肉筆画は一見の価値があります。
入館料:大人800円(特別展開催時は1000円)高校生500円(700円)

北斎の『富岳三十六景』の波の天井図

北斎の『富岳三十六景』の波の天井図
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「北斎館」には、二基の祭屋台が展示されています。一基は上町祭屋台。この写真のスライド式紙芝居に描かれているように、天井絵は『男浪』と『女浪』。北斎の下絵に基づき、鴻山が描いたと伝わってます。有名な『富岳三十六景 神奈川沖浪裏』と同じ波の構図!

もう一基の東町祭屋台の天井絵は『鳳凰図』と『龍図』。北斎が自ら描いたと伝わり、色鮮やかに残っています。二基ともに、飾りの木彫りも見事で美しい屋台です。

このスライド式紙芝居は、駅前やバスの停留所など18か所街中にあり、小布施の民話や歴史を紹介しています。ぜひ見つけてみましょう!

北斎の描いた鳳凰に睨まれてみましょう!

北斎の描いた鳳凰に睨まれてみましょう!
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葛飾北斎の天井画があるお寺が岩松院。21畳の巨大な『八方睨み鳳凰図』は、描かれた当時(1848年)のまま。その鮮やかな鳳凰の姿と、どこから見ても眼光鋭い目線が印象的です。当時高価だった中国からの輸入された岩絵の具を用い、価格は150両。さすがに、絵の周りに使用した4400枚の金箔は、長年の人々の歩く振動で剥がれ落ちているそうです。

岩松院は、福島正則の墓所や小林一茶が「痩せかえる 負けるな一茶 これにあり」を詠んだ蛙合戦の池があります。
拝観料:大人300円 小学生100円

街散歩にぴったりの栗の小径

街散歩にぴったりの栗の小径
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小布施の街は街散歩に最適です。北斎館の前からのびる栗の小径は、栗の角材を敷いてあり、風情があります。途中に北斎を招いた豪農商の「高井鴻山記念館」がありますが、平成28年6月〜平成29年3月改修工事のため休館中。しかし小布施には、他にも美術館がいくつかあります。「おぶせミュージアム」は桜の日本画家で有名な「中島千波館」と「屋台蔵」があり、祭の屋台はどれも見事で、小布施の経済力を感じることができます。

小布施の観光には、町内周遊バスの「おぶせロマン号」が便利。ほぼ1時間ごとに、街の観光地を結んでいます。
1日周遊券:300円

栗のスイーツだけでなく、江戸文化を感じることが出来る街、小布施

小布施は長野駅から長野電鉄の電車で30分あまり。栗スイーツが全国的に有名ですが、江戸時代からの文化が息づいている街です。街の景観は和風で統一され、和紙のお店、杉玉のある造り酒屋、北斎の波模様のマンホール、スライド式の紙芝居など、楽しい街歩きの発見ができます。

1年を通して街中で栗の和洋菓子・栗おこあ等を味わえるお店がたくさんあり、街散歩の途中に栗のスイーツで休憩。新栗の季節になると、期間限定販売のため整理券まで配る「栗の点心朱雀」もあります。
9月からの栗の季節は特におすすめです。ぜひ訪れてみましょう!

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/06 訪問

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