もともと名古屋で台湾ラーメンが生まれたのは、昭和30年代。今池にある中国料理店「味仙」の初代が、台湾の郷土料理・担仔麺を激辛にアレンジしたのが始まりといわれている。その後の激辛ブームで人気に火が付き、今では市内のラーメン店の8割近くがメニューにのせている、定番の名古屋メシになっている。
醤油ベースのスープにミンチ肉、唐辛子、ニラ、ニンニクをたっぷり入れた台湾ラーメンは、むせるほど強烈な辛さを堪えつつ、汗だくになって食べるのが醍醐味。
写真は東区にある「味園 泉店」の台湾ラーメン。野菜の旨味を生かしたスープに大きめにカットされた唐辛子がたっぷり入り、特注のちぢれ麺によく絡む。
「あんかけスパゲティ」っていったい何!?
初めてその名前を聞く人は必ず言う。中国料理のあんかけ料理を想像するからだろう。
生みの親といわれているのは栄にある「ヨコイ」だ。
昭和38年に横井博氏がミートソースをヒントに、当時まだ一般的ではなかったスパゲティを広めるため、日本人が好むようなソースを、ということで考案した(スパゲティ・ハウス ヨコイのホームページより抜粋)。それが濃厚な味を好む名古屋人に大ヒット。今や「あんかけ」と言うと中華ではなくスパゲティを指すほどの定番メニューになっている。
基本となるソースは店ごとに味が微妙に異なるが、野菜ベースのスープをトロリとなるまで煮込み、甘辛くパンチのある味に仕上げているのが特徴。これにさまざまなトッピングをのせて楽しむ。
「ミラカン」はウインナー、ハム、ベーコンにピーマンやマッシュルームをのせた一品で、まずはこれを注文すれば間違いない。
写真は「スパゲティ専門ユウゼン」のミックス。麺を最大700gまで増量できるボリュームのよさに男性ファンが多い。
昔も今も名古屋のご当地麺の代表といえば「きしめん」だ。
平たく打った麺は歯応えと喉越しがともに楽しめ、夏は冷たく、冬は温かいダシとともに1年中楽しめる定番中の定番と言える。
シンプルな料理だけにその店の実力が試されるので、何軒か食べて自分好みの店を見つけたい。
名古屋駅から徒歩3分のエスカ地下街にある「吉田きしめん」は、昭和23年創業の吉田麺業の直営店。最高級の小麦粉と塩だけで打つきしめんはとにかく歯応えが抜群。ムロアジやサバ、カツオの削り節に本醸造の醤油・味醂・たまりでとったダシもすっきりして美味。まずは一度お試しを。
味噌カツと並んで名古屋の赤味噌文化を牽引するのが「味噌煮込みうどん」だ。家事に追われる主婦が、常備していた八丁味噌と野菜を使ってうどんを煮込み、手軽に食べられる栄養食として根付いたともいわれている。
ともに元祖を名乗る「山本屋本店」と「山本屋総本家」だけでなく、市内のそば・うどん店ならたいていの店で味わうことができる。きしめん同様、こちらも自分の足で好みの味を探すのが楽しい。
栄の地下街サカエチカにある「長寿亭」は、上質のムロアジや利尻昆布、鶏ガラのダシに、八丁味噌と白味噌をブレンドしてじっくり炊いたつゆが自慢。無漂白の小麦粉で打つ自家製麺もモチモチで、濃厚なつゆを絡めて食べればたちまちクセになる逸品。
全国的に当たり前のように食べられているカレーうどんも、発祥はともかく名古屋を代表するご当地グルメとして人気が高い。地元では味噌煮込みうどんを凌ぐ人気で、名古屋のサラリーマンは飲んだあとの〆に食べるほど、生活に浸透しているのだ。
極太の麺を使い、鶏ガラをベースにしたポタージュのような濃厚アツアツのスープで食べるのが名古屋流カレーうどん。これをファーストフード並みにチェーン展開している「若鯱家」は、試行錯誤の末に生み出した独自ブレンドのスパイスを使用。芳醇な香りと爽やかな辛さがあとを引く味に仕上がっている。
エビフライや唐揚げなど、ほかの地域ではまずお目にかかれないトッピングが揃っているのも、いかにも名古屋。
いろいろな歴史やエピソードを経て今に受け継がれている名古屋の麺文化、いかがだったでしょうか。いずれも個性を尊重する名古屋っ子気質が盛り込まれた味ばかり。
心ゆくまでご賞味あれ!
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(2024/4/19更新)
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