関東渓谷の盟主!丹沢・ユーシン渓谷の絶景を見る方法

関東渓谷の盟主!丹沢・ユーシン渓谷の絶景を見る方法

更新日:2019/04/22 17:01

丹沢の黒部と称されるユーシン渓谷。その切り立った峡谷の美しさは、関東渓谷の盟主と呼ぶに相応しく、関東在住ハイカーの間では有名なスポット。特に玄倉ダム第二発電所付近の濃いエメラルドの水面はユーシンブルーと呼ばれ、見る時期、見る角度によって十色に変化すると言われています。
ハイカーなら一度は行っておきたい非日常の世界、今回はユーシン渓谷にまつわる、一度見たら忘れられない絶景の数々を取り扱ってみました。

絶景ハイキング!玄倉林道を歩いてユーシンブルーを見に行こう

絶景ハイキング!玄倉林道を歩いてユーシンブルーを見に行こう

提供元:Makoto-z / PIXTA(ピクスタ)

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ユーシン渓谷は玄倉バス停(富士急湘南バス)の少し先、玄倉林道より上流部、ユーシンロッジまでの全長7キロ程の渓谷をさします。中でも林道中間点に位置する玄倉ダム第二発電所付近はユーシンブルーと呼ばれ、そのエメラルドグリーンに輝く風景はとっても神秘的。

なぜそのように見えるかはは未だに解明されていませんが、五色沼の青沼や白神山地の青池などと同様、水に光を当てると赤い光が吸収され、青い光が散乱することによってそう見えるのだとか。さらに玄倉川流域は銅鉱山があった歴史から、水に溶けた銅のイオン化も少なからず影響しているのかもしれませんね。いずれにせよ水質が綺麗なのが第一条件のようです。

これらのエメラルドグリーンをシンプルに楽しみたい方は、ユーシン渓谷ハイキングコースを歩いてみましょう。上流に向かって徐々に濃いエメラルドグリーンに変化する水面と、深緑や紅葉のコントラストは必見です。

(玄倉バス停〜ユーシンロッジ・往復)総歩行距離 約19.2km 目安ハイキング時間7時間
玄倉バス停〜車止め林道ゲート3.3km 50分
ゲート〜境隧道〜新青崩隧道2.5km 60分
新青崩隧道〜石崩隧道〜玄倉第二発電所0.8km 20分
玄倉第二発電所〜同角沢出会〜雨山橋〜ユーシンロッジ3.0km 75分

真っ暗闇!新青崩隧道のトンネルは怖いほどにスリリング

真っ暗闇!新青崩隧道のトンネルは怖いほどにスリリング
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ユーシン渓谷の終着点であるユーシンロッジに至る行程には、8つの魅力的なトンネルを通過することになります。第一のトンネル境隧道、そして第二の新青崩隧道。この新青崩隧道は全長327メートルと長く、トンネル内で屈曲していて目の前が真っ暗闇に包まれます。隣に人がいるのに見えない暗さは、普段生活していてまず体験できない面白さがあります。そしてトンネルを抜けて明るくなってから振り返ってみると、このトンネルが断崖絶壁に造られていることにさらにビックリ。振り返ると何かがいそうでとってもスリリング、ライトを頼りにトンネルを切り抜けましょう!

玄倉川入渓から始まる本当のユーシン渓谷

玄倉川入渓から始まる本当のユーシン渓谷
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ユーシン渓谷は玄倉ダム第二発電所のユーシンブルーが一番有名ですが、本当に美しいのは玄倉川に入渓してからです。入渓ポイントは色々ありますが、特にオススメは先ほど紹介した第二のトンネル新青崩隧道に入らず、向かって左を進んでいくと、今は通過できない旧トンネル青崩洞門があります。ここの左手から下る入渓ポイントがオススメです。急斜面ではありますが虎ロープを手がかりに広い河原に降りてみましょう!

地図上では玄倉ダム第二発電所の下流域直下、逆U字1500メートル区間の左端になり、水質は透き通るように美しく、真っ白な花崗岩は沢を明るく見せ、狭まったゴルジュ帯は玄倉林道とは別次元に美しい渓谷を楽しませてくれます。上流に向かえば向かうほどエメラルドに輝く風景は、一生に一度は訪れたい絶景スポットです。

武田信玄の隠し金鉱山

武田信玄の隠し金鉱山
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掲載写真は赤棚(女郎小屋沢近辺のもの)と呼ばれ、玄倉川流域で時折見かける事ができる風景です。これは岩に酸化鉄を含んだためこのように見えるのですが、実は玄倉川は知る人ぞ知る鉱山ファンの聖地でもあります。赤棚あるところに鉱脈ありと言われる通り、特に玄倉川北部に流れる東沢では、明治、大正時代まで盛んに採掘が行われ、山域の各所に人為的に掘られたトンネルが見られます。

さらに面白いことに戦国時代の武将、武田信玄によって見つけられたという金鉱山が、どうやらこの東沢に存在していたようです。どこにあったかは秘匿されていたようでハッキリとしていないですが、エメラルドに輝くユーシン渓谷に突如現れる赤壁、不気味なくらい鮮やかですね。

大絶景!モチコシ沢の大滝60メートル

大絶景!モチコシ沢の大滝60メートル
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玄倉川は様々な支流から出来上がっていて、西から女郎小屋沢、モチコシ沢、同角沢、ユーシン沢と色々魅力的な沢があります。中でもモチコシ沢の一番下流に位置する大滝(F1)は必見で、なんと60メートルの大迫力。
先ほど紹介した逆U字のてっぺんに位置し、玄倉川本流からも見ることができます。
さらに間近で見たい方は、人一人がやっと通れる狭まったゴルジュをつっぱりで登ってみましょう。近くに行くだけなら難易度は低いので、ぜひ滝の落ち口に近づいてみてくださいね。

ちなみに滝自体は上級者(2級上)レベルの登攀になりますので、確かな技術と経験が必要となってきます。掲載写真の右壁に写るロープは高巻き用のもので、直登する場合、丹沢特有のヌメヌメ岩が多いのでタワシを持参すること。下部、上部と分けて数ピッチ切っていきましょう。

抑えておきたい安心安全にユーシン渓谷を楽しむ方法

玄倉川は普段は流れもなだらかで快適にウォーターハイキングすることができます。ですがところどころ足がつかない程の深い場所がありますので、ライフジャケットがあればさらに安全に楽しむことができます。岩肌も非常に滑りやすくなっていますので、渓流シューズもしくは、地下足袋にわらじを用意しておきましょう。

そしてもう一点、河川敷に降りた際はやはり同じ入渓ポイントから林道に戻りましょう。
林道に登るルートはいくつか見当たりますが、大体急斜面であったり、ガレ場であったりかなり厳しいものがあります。玄倉ダム第二発電所直下も登るルートは想定できますが、やはり厳しいものがあります。ですので入渓ポイントはしっかり覚えておいて、安心安全に玄倉川絶景めぐりを楽しみましょう!

※2019年4月現在、丹沢湖畔からユーシン渓谷へ至る「玄倉林道」は斜面崩落が頻繁に発生し、非常に危険な状態であることから、歩行者を含め通行止めにしています。崩壊した斜面の対策は2020年3月(予定)までかかる見込みで、その間はユーシン渓谷を訪れることはできません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/10 訪問

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