バラ色の町!フランス「トゥールーズ」は煉瓦造りの建築物で豪華な町並み

バラ色の町!フランス「トゥールーズ」は煉瓦造りの建築物で豪華な町並み

更新日:2016/08/10 11:48

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
フランス南西部の中心都市トゥールーズは、旧市街の建物がオレンジ色や赤褐色の煉瓦造りという特徴をもち、特に夕陽に輝く様子から「バラ色の町」として親しまれています。紀元前3世紀にその歴史が始まり、ローマの植民地、西ゴート王国の首都を経て、16世紀には商業都市として繁栄しました。現在は航空産業の中心地であり、フランス第2の学生都市でもあります。市庁舎はじめ、特徴ある建物が多い町並みをご紹介します。

煉瓦造りの町並みが豪華なトゥールーズ旧市街

煉瓦造りの町並みが豪華なトゥールーズ旧市街

写真:Hiroko Oji

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フランス南西部の中心都市として、ガロンヌ川沿いに広がるトゥールーズ(Toulouse)の町並みは、石を山から切り出してきて建築資材に使用する他の町とは違い、焼いたテラコッタ・レンガを積み重ねて資材としてきました。その色がオレンジ色や赤褐色をしており、夕陽に映えるとさらにバラ色に輝くことから、「バラ色の町」ともいわれます。

特にガロンヌ川の右岸側、キャピトル広場の南に続く旧市街は、煉瓦造りの建物が狭い石畳の路地の両側にびっしり建ち並び、どの路地に入って行っても贅沢な眺めが続きます。広場の北側も同じく煉瓦造りが続き、加えて彫刻装飾が美しい壁面と、素敵なデザインのアイアンワークの手摺が並ぶバルコニーの並ぶ豪華な眺めは、素晴らしい!の一言に尽きます。

フレスコ画で埋め尽くされる市庁舎「キャピトル」の大広間は必見

フレスコ画で埋め尽くされる市庁舎「キャピトル」の大広間は必見

写真:Hiroko Oji

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鉄道駅からガロンヌ川に向かって歩くと15分ほどで、町の中心地であるキャピトル広場に出られます。午前中はその広い石畳を覆う広場には、かばんや衣類を中心にたくさんの露天が軒を並べる朝市が開かれています。この広場に面して建っているのが、トゥールーズのシンボルともいえる市庁舎「キャピトル(Le Capitole)」。

市庁舎は、絶対王政化のトゥールーズ市参事会「キャピトゥール」に由来して、現在も「キャピトル」と呼ばれています。1760年完成の、バラ色の煉瓦と白い石が組み合わされ、神殿風の柱が整列する正面は、横幅150メートルもある壮麗な建物です。入り口には常に3人のポリスが立って、入場する人々の荷物チェックを行っています。

入り口を通り抜けて見える、バラ色煉瓦と白石で縞模様になった建物そのものが見事なのですが、先ずは中庭の奥の凱旋門風装飾がある入り口左から建物内に入りましょう。入ったすぐの所にある階段の間から、すでに宮殿のような豪華さ!見事なフレスコ画と装飾が出迎えてくれます。中でも2階の大広間は、トゥールーズの歴史を描いた壁画や天井画で埋め尽くされ、窓と窓の間には立派な彫像が置かれ、まるで美術館さながらです。また、ガロンヌ川の四季を描いたアンリ・マルタンという画家の壁画も必見です。

フランス最大のロマネスク教会「サン・セルナン・バジリカ聖堂」

フランス最大のロマネスク教会「サン・セルナン・バジリカ聖堂」

写真:Hiroko Oji

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11世紀から12世紀にかけて建てられ、13世紀から14世紀に増築した「サン・セルナン・バジリカ聖堂」は、ロマネスク様式の教会としてフランスで最も大きな聖堂です。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの街道上の重要な巡礼地となり、大勢の巡礼者を迎え入れるよう、このような巨大な空間が必要になったためで、奥行き150メートルもあります。聖堂内には素晴らしい柱頭装飾の施された柱が連なり、赤と金色で織られたタペストリーが覆う太い柱が続くのは、壮大な眺めです。

また、主祭壇の奥には、暗い色彩であるものの素晴らしいフレスコ画で覆われた壁面が、厳格な雰囲気を醸し出しています。地下のひんやりした納骨堂には6つの礼拝堂があり、それぞれ金銀細工のケースや宝物がひっそり並べられています。

見応えたっぷりの聖堂内ばかりでなく、その外観も立派なもので、トゥールーズの独自のものという八角形の鐘楼は、高さが67メートルあり、目を惹く美しい存在です。南側入り口のミエジェヴィル門のタンパンには、12世紀の、一人一人違った動きや表情に、南西フランスのロマネスク様式の特徴がある彫刻も見落とせません。

まるでヤシの木が林立!「ジャコバン修道院」

まるでヤシの木が林立!「ジャコバン修道院」

写真:Hiroko Oji

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「サン・セルナン・バジリカ聖堂」とよく似た、トゥールーズ独自の八角形の鐘楼を持つ「ジャコバン修道院」は、1215年に設立されたドミニコ修道士会が最初に建てた修道院です。1275年から17年かけて造られた教会内では、一本の柱のてっぺんからはヤシの木のごとく、22本の枝が放射状に広がり、それが林立する様は、まるでヤシの林に迷い込んだよう!

また奥に続く修道院の回廊には、柱頭装飾のある2本ずつの柱が連なり、緑の綺麗に手入れされた中庭を取り囲んでいます。中庭からも見上げることができる八角形の鐘楼は、1298年の建造で、その後、南仏で造られたたくさんの教会の鐘楼のモデルになっているものです。

16世紀の豪商の館「アセザ館」

16世紀の豪商の館「アセザ館」

写真:Hiroko Oji

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トゥールーズは、16世紀にパステル(※)の交易で繁栄した豪商の館がたくさん残っているのですが、そのうちの一つ、「アセザ館」はルネッサンス様式のお城のような外観の建物です。

現在「アセザ館」は、バンベルグ財団が運営する美術館として一般公開されています。踊り場がメスキータ風の赤白の石を組み合わせたアーチとレリーフ装飾の柱が素敵な階段を上がって、2階の赤を基調とした部屋に入ると、そこは16〜18世紀のブルジョワの館を思わせる豪華な内装の「ヴェネツィアの間」。ヴェネツィア派の絵画が壁にいくつも飾られています。

特に、ヴェネツィアのリアルト橋付近を描いた絵画は必見!ブルー、ベージュ、グリーンなどを基調としたそれぞれの部屋にも、絵画が溢れ、その間に置かれた彫像や豪華なインテリアも見応えあるアセザ館です。窓や外付けの廊下から眺める中庭も良い眺めです。地下では特別展が展示されていることもありますので、忘れずに覗いてみて下さいね。

※ パステルはアブラナ科の植物で、菜の花のような黄色い花が咲きます。葉の部分に様々な加工をして染料とし、生地を染めると柔らかな淡い青色に染まり、トゥールーズ周辺では、色落ちしにくい高品質の染料として重宝されました。また画材のパステルもこの植物に由来しています。

見所をお得に観光するならトゥールーズ・パスを!

ここでご紹介したほかにも、トゥールーズの町には、オーギュスタン美術館やレザバトワール近・現代美術センター、シテ・ド・レスパスなどのたくさんの見所があります。これらを見て周るのにお得になるのが、トゥールーズ・パス!16の施設と市内ガイドツアー&交通機関が無料になり、たくさんの所で割引されるカードです。観光案内所で購入できますので、どうぞご利用ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/11−2016/07/13 訪問

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