写真:岡本 大樹
地図を見る鹿児島中央駅の西側出口の手前には、何やらパワーのありそうな木が立っています。周りはベンチで囲まれていて座ることもできるので待ち合わせに便利そうですが、いったいこれは何でしょうか。
この木の名前は「出逢い杉」といいます。鹿児島県に関係のある杉といえば…そうです、これは屋久杉なのです。屋久杉は鹿児島の南に浮かぶ世界自然遺産認定された島、屋久島の標高500mを超える山地に自生する杉。屋久島へ行く大半の旅行者が目指す縄文杉が、最も有名な屋久杉ですね。
写真:岡本 大樹
地図を見る屋久島では、樹齢1000年以上のものが屋久杉、それ以下のものは小杉と分類されることも。こちらの屋久杉はというと、推定樹齢がなんと3000年!完全な屋久杉なのです。そんな屋久杉の前で待ち合わせできるのは世界中で鹿児島中央駅だけ。今後こういった駅ができることもまずあり得ません。その理由は、少し屋久杉の歴史を辿ってみればわかります。
屋久杉は元々神聖なものとされていたため、切られることなく屋久島にあり続けていました。しかし、戦国時代に建築材料として使うために伐採され始め、半分以下にまで減ってしまいました。現在では国の特別天然記念物に指定され、屋久島が世界自然遺産に認定されているので、このような大きな屋久杉を島外へ持ち出すことはおろか、伐採すること自体が禁止されているのです。
尚、屋久杉を使った工芸品は高い評価を受けており現在でも作られていますが、その材料には流木や倒木が使用されています。
写真:岡本 大樹
地図を見るではこちらの屋久杉はなぜ鹿児島中央駅の中に置かれているのでしょうか。ここには「出逢い杉」の説明が書かれた看板もあり、この屋久杉がここに来た経緯を知ることができます。
この杉は屋久杉が伐採されていた時期である江戸時代に、上の部分だけが建築用の木材として使われたものなのです。残された部分はそのままにされていましたが、1976年に急行「屋久島号」が走ったことを記念して屋久島から鹿児島中央駅(当時は西鹿児島駅)に贈らたのでした。現在では考えられませんが、実際に推定樹齢が数千年レベルの屋久杉も切られていたことを実感できますね。
ちなみに、この木の名前は「出逢い杉」。といっても、この木の前に座っていれば素敵な誰かと出逢うことができる…なんてことでありません。この説明書きから少し引用しますと…
“あなたはいま、推定樹齢三千年の屋久杉の前に立っています。
時空を超えた出逢いの瞬間です。”
とのことです。出逢いというのはこの屋久杉との出逢い自体を指しているのですね。とはいえ、三千年という人間には途方もない時間を過ごしてきたこの屋久杉のパワーを受け取ることができれば、素敵な出逢いのきっかけくらいはできるかも?
近くまで行くことができるので、ぜひ触っておきましょうね。
写真:岡本 大樹
地図を見る「出逢い杉」がとても珍しいスポットであるのは既に述べた通りですが、鹿児島中央駅ではもちろんショッピングやグルメを楽しむこともできます。駅直結のアミュプラザの地下1階にはご当地ラーメンの人気店である「ざぼんラーメン」や「こむらさき」も入っています。
中でも、特に嬉しいのは全国的に人気のある「白くまアイス」の本家である「天文館むじゃき」の支店があること。本店は少し離れた天文館商店街の中にありますが、こちらのアミュプラザ店でも同じ味を楽しむことができます。時間があまりない場合にも、白熊のテイクアウトや全国への宅配の手配もできるので安心です。
鹿児島中央駅は夜にはライトアップされる観覧車や『若き薩摩の群像』というモニュメントがとても目立つ場所に置かれているので、その二つのイメージが強い方も多いかもしれませんが、駅の西口の近くには「出逢い杉」がありますし、ショッピングやご当地グルメを味わう場所としてもとても便利な場所となっています。ぜひ鹿児島中央駅で出逢える鹿児島を堪能してみてください。
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(2024/4/27更新)
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