写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る初代市川団十郎が日参した出世稲荷神社。市川団十郎だけでなく、数多くの商人や芸能関係者を成功させたとされています。
さらにただ強い御利益を持っているだけでなく、江戸城や大名屋敷を始め江戸のほとんどを焼き尽くした振袖火事(1657年)、日本各地をおびやかした安政の大地震(1854年〜1855年)、1873年の大地震、関東を大混乱に陥れた1923年の関東大震災、そして太平洋戦争でも本尊を失わないという、不思議な力すら感じさせるエピソードも残っています。それでは、さっそく参拝するために神社を目指しましょう。
人形町駅で電車を降りてA5出口から外に出ると、そこはチェーンの飲食店やオフィスが入っているビルが並ぶ大通り。あまり神社がありそうな雰囲気ではありません。まずは小伝馬町駅方面へ歩いていきましょう。
5分ほど大通りを歩いたら、この写真の裏通りに入っていきましょう。あとは道の左手を見ながら歩くだけです。3分ほど進んだところにある裏通りのさらに裏へと続く道に、何やら赤い旗が立っています。まだ神社が建っていそうな気配はありませんが、取りあえず進みましょう。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るさらに裏へ入っていくと、何の変哲もないビルの脇に赤い旗が立っています。でも、そこはどう見てもビルの駐輪場。薄暗いコンクリートの通路に自転車が並んでいるその光景は、とても参道には見えません。でも、旗を信じて進んでいきましょう。
あくまでビルの駐輪場なので、自転車を倒したり、自転車を出す方の邪魔にならないよう注意してくださいね。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る駐輪場を進んでいくと、ようやく鳥居が見えてきます。すぐ奥には隣のビルの壁が立ちはだかり、右手にはビルの裏口、左手には非常階段がある、まさに「都会の隙間」とでもいうべき空間です。鳥居のすぐ横に使えなくなった洗濯機があるのが気になりますが、横を通って鳥居をくぐりましょう。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るうす暗い駐輪場を抜けて鳥居をくぐると、金網に貼りつけられた屋根と、石でできた立派な手水舎が目に入ります。定期的に入れ替えられているのか水も透明で、手入れされた植木鉢まで並んでいます。ビルの隙間なのに薄汚れた雰囲気もあまりありません。建ち並ぶ雑居ビルに埋もれてもなお、この神社は多くの方に愛されていることが分かります。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る祭神を祀る神殿がこちらです。スペースが限られているためか、かなりスマートな作りになっています。ですが赤い屋根や黒地に金文字で書かれた額は真新しく、忘れられたり打ち捨てられたりしている雰囲気はまったくありません。ビルの隙間の駐輪場や洗濯機の横を通って訪れた参拝者を堂々と出迎える、小さいながらも立派な神殿です。
広大な敷地を誇りたくさんの見事な建物が建ち並ぶ神社も素晴らしいですが、神様の力と神社の豪華さはまったく関係がないのではないでしょうか。初代市川団十郎が日参するほど信仰し、彼を始め多くの参拝者を大出世させ、度重なる災害でも本尊を失わず、雑居ビルの隙間に埋もれた今でも愛され続ける出世稲荷神社。こういった神社こそが、真に多くの人の心の拠り所になる良い神社だと思います。
あなたもぜひ一度、強い力を秘めながら都会の隙間に潜むこの神社を訪れてみてください。
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(2024/3/28更新)
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