標高599メートル。高尾山が豊かな自然に恵まれている理由は、暖帯系の常緑広葉樹林と温帯系の落葉広葉樹林の境目にあること。そのため、たくさんの種類の鳥や樹木、草花を見ることができるのです。凛とした杉の樹と同時に、春には様々な種類の山桜、秋には色鮮やかな紅葉を楽しめるのも高尾山ならでは!麓からゆっくりと登るのもいいのですが、高尾山の豊かな自然をじっくりと楽しみたいのなら、リフトに乗って少し上から木々の様子を眺めてみるのもオススメですよ。
高尾山のリフトは東京オリンピックが開催された昭和39年に一人乗りリフトとして営業が開始されました。全長872メートル、高尾山中腹にある山上駅まで12分で行くことができます。快適でちょっぴりスリリングなリフトの旅を、楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、都会の近くにありながらも豊かな自然が残っている理由のひとつに、昔からの山岳信仰により、あらゆる殺生を厳しく戒めてきた歴史背景があります。リフトを降りてしばらく山道を進むと見えてくるのが「高尾山薬王院有喜寺(たかおさん やくおういん ゆうきじ)」。744年に聖武天皇の勅令により開山されました。
1375年には「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」を奉祀、戦国時代の武将たちから守護神として大切にされてきました。現在では、真言宗智山派の大本山として千葉県の「成田山新勝寺」、神奈川県の「川崎大師平間寺」と並ぶ三大本山として知られ、季節を問わずたくさんの人が訪れています。
高尾山のシンボルの“天狗”は、「飯縄大権現(いづなだいごんげん)」の化身ともいわれています。また、古くより山伏修行が行われており、厳しい修行を極め、霊力を得た者が里人によって天狗として祀りあげられたという説もあります。
権現堂前にある2体の“天狗”のうち、右側の天狗は鼻の高い大天狗。高い神通力で開運をもたらすといわれています。左側は烏のような嘴を持った小天狗。手に持った剣で魔を断ち切ります。このほかにも高尾山のシンボルである天狗は薬王院の中たくさんあるので探してみましょう!
また飯綱大権現(いづなだいごんげん)は、不動明王、歓喜天、迦楼羅天、叱き尼天、弁財天の5相を合体した姿ともいわれています。ですので、厄除けのほかにも開運、願い事の成就などのご利益もあるんです!境内にある「願叶輪潜」を、願いが叶うように強く念じながらくぐり抜け、その先にある大錫杖(だいしゃくじょう)という鐘を打ち鳴らすと願い事が叶うといいますので、ぜひ試してみましょう。錫杖には煩悩を除去し知恵を得る効果があるといわれています。
薬王院からおよそ20分ほど歩くと高尾山の山頂に到着します。東京都心の景色はもちろん、晴れていれば富士山まで見渡すことができる絶景ポイントです。綺麗な景色を見ながら食べるお弁当は格別に美味しく感じることでしょう!たくさんの人が訪れるにもかかわらず、ゴミが少ないことも高尾山の特徴。ゴミは景観を損ねるだけではなく、動植物の生態にも悪影響を及ぼします。そういった理由もあり、高尾山では登山者にゴミを持ち帰るように理解をしてもらう活動をしています。ですので、高尾山にはゴミ箱がありません。ゴミはきちんと持ち帰りましょう。
山を下るときのリフトはスリル満点です。気持ち良い風を感じながら、ゆっくり下りていく様子はまるで空中散歩です。ぜひ味わってみてくださいね。
以上、今回はリフトを利用して登る「高尾山」の自然の秘密と見どころをご紹介しましたがいかがでしたか?
山麓からはリフトのほか日本一の勾配を誇るケーブルカーも運行しています。徒歩で山頂まで歩く場合は1号路から6号路まで、見どころや難易度に合わせて選んでみましょう。高尾山の四季折々の自然に癒されてみませんか。
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