写真:SHIZUKO
地図を見る第二次世界大戦中の神戸大空襲を背景に、人々の暮らしを描いた妹尾河童原作の映画『少年H』。水谷豊と伊藤蘭の初の夫婦共演が話題になっている映画です。少年Hが仕立て屋の父(水谷豊)と共に、顧客の外国人に背広を届けるシーンが撮影されたのが『萌黄の館』です。
萌黄色の外観、館内の壁も萌黄色。ちょっと曲った坂道を登ったところにあります。
下見板張り(壁の横板張りで、お互い少しずつ重なり合うように取り付けた板)という異人館の特徴的な外壁。
形式の違う窓が並ぶ外観の美しさは秀逸ですが、室内各所に施された細やかな意匠も見ごたえ十分。各部屋にある暖炉(マントルピース)も、それぞれ違った装飾が施されていますので、ぜひ、ご覧下さい。
撮影当時、水谷豊がゆったりと座っていたというベランダは、本当に心地よく、こんなところに住むことができたらな…などと、しばらく妄想するにはピッタリ。窓からは、遠く、神戸港まで見渡せます。
写真:SHIZUKO
地図を見る萌黄の館のお隣には、まさに北野異人館街のランドマーク『風見鶏の館』があります。屋根の上にある風見鶏は、魔よけの力もあると言われています。
今では神戸観光屈指のスポット異人館街。異人館めぐりの火付け役となったのが、現存する異人館街の中で唯一のレンガ造りの風見鶏の館。1977年に放送されたNHKドラマ『風見鶏』によって、異人館ブームが起きました。
室内は、4メートルもある高い天井のおかげで解放感抜群。食堂は、城壁をイメージした壁になっていたり、それぞれ「おもてなし」を感じる個性のある部屋。どれも広々と気持ちがいいです。
書斎は、どの時間帯にも太陽光が入るように設計された五角形の出窓があり、こんなところで日がな一日、本を読める生活って…。ゆったり豊かだった時代がしのばれます。
写真:SHIZUKO
地図を見る学問の神様・菅原道真をまつる『北野天満宮』が、外国ムードたっぷりの異人館街にあります。風見鶏の館から徒歩1分の近さです。
この天満宮は、1180年平清盛が京都から神戸『福原』に都を移す時に、京都の北野天満宮から勧請して建てられました。この地域が『北野』と呼ばれるのは、この北野天満宮の名前からです。
細くて急な階段を上ると、お隣の風見鶏の館の屋根越しに、海が見えます。高いところまで登ったなーって実感。登り切った階段の正面には、約260年前にご造営されたコンパクトで美しい本殿。神戸の伝統的建造物として文化財に指定されています
境内には『かない鯉』という手水舎があります。手水の中に青銅の鯉があります。この「鯉に水をかける」イコール「恋にかける」ということで、今では、恋愛成就のパワースポットとして、若者に人気の場所となっています。
写真:SHIZUKO
地図を見る異人館街には、およそ20館ほど一般公開されている異人館があります。ご紹介した『萌黄の館』『風見鶏の館』は、それぞれ入場料金が設定されていますが、お隣同士なので2館共通の入場券を買った方がお得です。2館で600円。
その他に、有名な『うろこの館』などを見られる入場券セットもあります。正直言って、10館も異人館を見ても、まあ、よく似た感じですから、たっぷり時間があるとか、建築様式に強い興味があるという方以外は、ご紹介した2館と、唯一無料開放されている『ラインの館』の3館を訪ねるのがお勧めコースです。
北野天満宮から細い道をしばらく進むと、急坂の上の方に進む道があります。『うろこの館』などに繋がる道です。そのまま進むと、その先に風情のある下り坂が。そこを下っていくと左手にホワイトハウスという異人館カフェ。その向かい側に、ベージュの壁にワイン色のラインが美しい『ラインの館』があります。
異人館らしい風情に、心躍る館。ベランダの気持ちよさは、たまりません。
館内2階には、北野異人館街の歴史や震災関係の資料など、神戸に来られたらぜひ知っていただきたい展示がありますので、坂道に疲れた足を休めつつ、ぜひ、ゆっくりとご覧ください。
写真:SHIZUKO
地図を見る4つのスポット、各15分ずつ滞在するとして1時間ちょっと。そのあと、お土産や神戸スイーツを楽しんで、やはり最後ゆっくりと食事をしたいですね。
世界中から人が集まる北野から三宮に向かうハンター坂周辺では、結構珍しい国の料理を食べることができます。
インド・中国料理店が最も多く存在していますが、他にもスイス料理・スリランカ料理・ジャマイカ、タイ、トルコ、韓国…。珍しいところでは、チュニジア料理屋さんもあります。
また、最近話題のパンケーキ屋さんもありますから、お好みの食事でほっこりとしていただきたいです。
坂道に点在する異国情緒あふれる異人館。公開されていない歴史的建物もたくさんありますから、町の風情を感じつつ、ゆっくりと散策するもよし。有名な公開異人館を巡るもよし。
どちらにしても、かなりの急坂を覚悟してお出かけください。
メインの通りから、ちょっと路地へ踏み込めば、未公開の、人々がまさに暮らしている雰囲気のある建物もたくさんあります。
もし、お時間があれば、そんな街をゆっくり楽しんでいただきたいのですが、時間のない方には、短いコースで北野の良さを味わっていただければ幸いです。
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(2024/3/29更新)
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