町全体が建築博物館!仏・ペリゴール地方の町「サルラ」はグルメの里

町全体が建築博物館!仏・ペリゴール地方の町「サルラ」はグルメの里

更新日:2016/08/01 18:57

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
フランス南西部のペリゴール地方に、町全体が輝く建築博物館のような町があります。その名も「サルラ」。石畳の入り組んだ路地の両側には、中世から17世紀にかけての趣たっぷりの建物が混在して残り、ライムストーンの柔らかな感触と色合いの建物が建ち並ぶさまは、まるでタイムスリップしたような感覚に陥ります。また、路地沿いや広場には、美味しい郷土料理を食べさせるレストランが、あちらこちらにテラス席を広げています。

路地沿いの建物は情緒たっぷりの中世の雰囲気!

路地沿いの建物は情緒たっぷりの中世の雰囲気!

写真:Hiroko Oji

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フランス南西部ペリゴール地方の中心地となるサルラ(Sarlat)は、鉄道駅から徒歩15〜20分ほどの所に広がる、町全体が建築博物館のような建物が建ち並ぶ美しい町です。

13〜14世紀に商業の中心地として栄えたサルラの町ですが、1337年から始まった英仏間の100年戦争の間に荒れ果ててしまい、その後修復・増築を行った結果、見事復元され、今あるサルラ独特の町並みが生まれました。この町の中世の景観は、1962年の「マルロー法(※)」により、景観保護地域の指定を受け保護・復興されたフランスで最初の町なのです。1965年には、サルラとラ・カネダのコミューンが合併しサルラ・ラ・カネダとなっています。

旧市街は、迷路のように入り組む情緒ある石畳の両側に、中世からルネッサンス時代、さらに17世紀にかけての建物が混在して建ち並びます。ある路地にはライムストーンの柔らかな感触と色合いの建物が、ある通り沿いには木枠組みと漆喰壁の建物が、はたまた煉瓦や石を積み上げた造りの風情ある建物が続く路地へと続き、曲がり角を曲がった先に広がる眺めにワクワクドキドキ!とても楽しくなる町並みです。特に名のある建物だけが立派で見応えがあるものなのではなく、そこに建っているどの建物もが一つひとつ素敵なのです。

※当時の文化相アンドレ・マルローが、歴史的町並みの保存のために提唱した法律

最も活気ある朝市で知られるリベルテ広場

最も活気ある朝市で知られるリベルテ広場

写真:Hiroko Oji

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サルラの中心地にある大きな広場「リベルテ広場」は、毎週土曜日、この地方で最も活気ある朝市が開かれます。獲れたてのフレッシュな野菜や色鮮やかなフルーツ、色とりどりのオリーブ、名産のクルミやクルミから作ったオイル、フォアグラ、チーズ、サラミ、スイーツ、焼き菓子、ワイン、手芸製品、衣類などなど、さまざまな物が所狭しと並びます。土曜日でなくても、広場の石畳の上までカフェやレストランのテラス席が張り出し、その傍らでは大道芸人がショーを繰り広げ、普段からもとても賑やかな一角になっています。

広場に面して建つのは、切石が敷き詰められた急傾斜の屋根に鐘楼がある市庁舎、マルヴィル館、旧サント・マリー教会の建物を利用した天井の高い屋内市場などはもとより、特別に名前の無い建物もそれぞれが立派な建物でレストランやショップが入っており、賑やかさと豪華さは格別の広場です。

サン・セサルド大聖堂前に堂々と建つのは、ラ・ボエシの家

サン・セサルド大聖堂前に堂々と建つのは、ラ・ボエシの家

写真:Hiroko Oji

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町の中心となる大聖堂はサン・セサルド大聖堂。16〜17世紀に建てられ、町のどこからも目立つ塔が天に向かいます。柔らかい色合いのライムストーンで所々黒ずんでその古さが伝わる外観はシンプル。内部も外観通りですが、天井の高さで開放感があり、美しい鮮やかなステンドグラスの数々が心に残ります。大聖堂の左手へ続く坂道は情緒ある上り坂になっていて、円錐形の屋根を持つ「死者の角灯」がある裏手の共同墓地に続きます。

この大聖堂の向かいに建つのが、16世紀に建てられた繊細な装飾が扉や窓周りに施された「ラ・ボエシの家」。ラ・ボエシは、16世紀のルネサンス期のフランスを代表する哲学者であるモンテーニュとの親交があった詩人で、フランスにおける現代の政治哲学の創始者ともいわれています。その彼の生家が、ルネッサンス様式で建てられたこの家なのです。大聖堂よりもこのラ・ボエシの家の方が立派に見えてきます。

観光客の人気者ガチョウのいる広場

観光客の人気者ガチョウのいる広場

写真:Hiroko Oji

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リベルテ広場の一筋奥に入った所には、美しい建物で囲まれるガチョウ広場があります。広場に面して建つL字型の凹みに特徴のある出窓があるジソンの館、向かいに建つ石造りの窓飾りが素敵なプラモン邸はじめ、どの建物も年代を感じさせながら美しいたたずまいを見せています。ここでの人気者は何といっても広場中央にいる可愛らしい3匹のガチョウさんたち!サルラのシンボルとなっていて、常にだれかさんと一緒に記念撮影です。

どのレストランでも美味しい郷土料理が楽しめる「グルメの里」

どのレストランでも美味しい郷土料理が楽しめる「グルメの里」

写真:Hiroko Oji

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グルメの里ともいわれるサルラでは、とてもたくさんのレストランが軒を並べています。通り沿いや広場はもちろんのこと、狭い迷路のような路地を占領するようにテラス席を広げ、そのテラス席が何軒ものレストランで連なり、どこからどこまでがそのレストランのものなのかがわかりづらいほど!テーブルクロスの僅かな違いで境目を見極めるのです。

どのレストランでも観光客や地元の人々で席が埋まり、こんなにたくさんのレストランがあるのに、お昼時などはなかなか空席が見つかりません。でもどこも美味しくて安く、当たりはずれの無いのが嬉しい所です。フランス語のメニューだけでなく英語のものもあります。名産のフォアグラや鴨肉のディッシュは人気があり、簡単なサラダにもフォアグラや鴨肉が使われることも。名産のワインと共に時間をたっぷりかけて、サルラの町を楽しんでくださいね。

日本ではあまり知られていないサルラですが・・・

サルラという名前は、日本ではあまり知られていませんがヨーロッパでは人気のある町で、狭い路地に至っても観光客の姿が絶えません。町全体が建築博物館と言われるように、どんな入り組んだ路地に入っても素晴らしい建物が軒を連ね、ただ歩き回るだけでも楽しめます。その上、どこに入って行っても様々なショップやレストランがあるので、休憩がてら立ち寄ることも楽しみの一つです。鉄道駅から徒歩15分以上かかりますが、訪れてよかったと思えるに違いありません。近くに来られたらぜひ立ち寄ってみて下さいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/10 訪問

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