今回ご紹介する「江戸城11の城門」は順に[外桜田門−西ノ丸大手門−坂下門−桔梗門−三の丸大手門−平川門−北桔橋門−乾門−清水門−田安門−半蔵門]になります。この城門は内堀通りに沿って建てられています。ちなみに江戸城の城門の総数は、浅草橋から四谷を経て虎の門に至る範囲にあり、全部で123門と云われています。
城門巡りのスタート地点は諸説あります。西ノ丸大手門と呼ばれる現在の皇居正門説、正式には三の丸大手門と呼ばれる東御苑入口に当たる大手門説など様々です。今回は気の流れを重視した説を採用して、警視庁そばの「外桜田門」からスタートする行程でご案内します。
ここは桜田門外の変で有名な城門です。国会議事堂そばに、今は憲政記念館となった場所に井伊家の上屋敷がありました。そこから登城してくる途中の大老「井伊直弼」に対して、旧水戸藩士を中心とした尊王攘夷派が襲い掛かり、討ち果たしてしまった事件の現場です。
でも江戸城無血開城を果たした官軍は、ここから江戸城に入城したと云われています。
外桜田門から坂下門と桔梗門(内桜田門)を通り、正式名称三の丸大手門(再建門)へ向かいます。太平洋戦争の戦火にあってしまい、残念ながらそれまで残っていた門は焼失してしまいました。江戸時代は諸大名の登城門であり、この門の手前でほとんどの大名は馬を降りて、城の中へと入っていきます。
残された家来たちが待ち時間に、次の老中は誰だとか人事の推理話をしていたのが馬を下馬した門の手前、そこから人事の推理をする言葉が「下馬評」になったと云われています。
大手門を渡る右側の大手濠と左側の桔梗濠に一羽ずつの白鳥がいます。桔梗濠の白鳥は気ままに暮らしていますが、大手濠の白鳥は働き者で自分でマイホームを作りましたが、大手門の修築工事で壊されてしまいました。さすがに再建する気はないらしく、今は住処の跡形もありません。
この平川門は江戸城本丸から見ると「丑寅」の方角、つまり鬼門に当たります。この線を延長していくと鬼門除けの上野寛永寺や、今の筑波山神社に行きあたります。この平川門を不浄門(死者などを出す門)としている説もありますが、平川門の奥に門扉の開き方が他の門と逆になっている、小さな門が見えます。
江戸時代中期以降はこの門が不浄門となったようです。というのもこの小さな門は江戸城完成時には、絵図に描かれていませんでした。この門は御三卿が出来た後に造られたという説があり、その説通りなら、浅野内匠頭や絵島などは平川門から出されたという事になります。生きたまま死者と同じ扱いを受けるのは屈辱だったでしょう。
平川門から毎日新聞社前を通って、北桔橋門と乾門を見てから通りを渡って清水濠の右側を北の丸方向に進みます。千代田区役所前から城内に比較的細い道が伸びています。ここが清水門の入り口ですが、ここから江戸城北の丸に入る人は多くありません。でも江戸城の中で一番お城の城門らしいところです。
高麗門と渡櫓門に囲まれた枡形虎口と、180度折れ曲がって登っていく坂道、濠には横矢掛の石垣、鉄壁の防御態勢です!またあまり整備されていない坂道には雑草が生え、階段に使われた石には様々な細工や模様が見て取れます。
渡櫓門を入った右側に上へと登っていく階段(雁木)があります。遠慮して登らない人がいますが、2階を同じ方向で見ると下からとは違った城門の形が見えてきます。人も少なくお城の写真を撮りたい人には絶好の撮影スポットです!
日本武道館の入り口である「田安門」、地下鉄九段下駅で降りて坂を登ってこの武道館でコンサートや入学式などに来られた方は大勢いらっしゃると思います。武道館で行列していることが気になって、この門はたいていの人が素通りします。
この田安門を入ってすぐ左側に狛犬が守り、階段を上がれないように柵が置かれています。ですから田安門の上に上がる人はいません。でもこの階段の上には特別の日でない限り上がることが出来ます(管理事務所確認済み)。そうすると、警察官と消防官の殉職者を祀る「弥生廟」と昭和天皇が関東大震災復興状況視察の第一歩を記された記念碑があります。また田安門も違った角度から見ることが出来ます。
月金が休苑する大手門などからの東御苑内散歩、申込み手続きが必要な一般参観(2016年6月から先着順当日受付も開始)、お正月や天皇陛下の誕生日に行われる「一般参賀」など、立ち寄れる様々な機会があります。また充分にご紹介できなかった城門にも伝説があります。
例えば皇居の正門は半蔵門だと言う説があります。根拠は天皇陛下が正式行事への出発口とし、皇位継承者である皇太子殿下がこの半蔵門から入城するからという根拠だそうです。坂下門は本来一の門である高麗門を撤去して、渡櫓門を90度曲げて宮内庁へ行き易くしたという説もあります。実際に見てみると宮内庁ヘスゥーと車が入っていきます。
一つ一つの城門をじっくりと見て、歴史書を紐解いてみると、まだまだ謎が見えてきそうな城門巡り、皆さんも是非お出かけ下さい。
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