海中に潜む007の隠れ家洞窟!カリブ海・バハマのエグスーマ諸島へアイランドホッピング

海中に潜む007の隠れ家洞窟!カリブ海・バハマのエグスーマ諸島へアイランドホッピング

更新日:2016/07/23 20:45

藤井 麻未のプロフィール写真 藤井 麻未 元秘境系海外旅行添乗員
カリブ海屈指のビーチリゾートといえばバハマだ。首都ナッソーのあるニュープロビデンス島を筆頭に、この国は大小無数の島々で成り立っている。今回はその中でもとりわけ美しいカリビアンブルーの海や白砂のビーチで有名なエグスーマ諸島に焦点を当ててみよう。ここには、映画007シリーズの中でジェームス・ボンドが隠れ家とした海中に潜む秘境度満点の洞窟があるのだ。ユニークな島々や絶景を体感できるポイントも見逃せない。

エグスーマ諸島とアクセス方法

エグスーマ諸島とアクセス方法

写真:藤井 麻未

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エグスーマ諸島へ行くにはいくつか方法があるが、首都ナッソーのあるニュープロビデンス島から各島まで、空路ならばおよそ30〜40分ほどで着くことができる。007のロケに使われた海中洞窟へ行くには、まずはエグスーマ諸島の中のひとつスタニエルキーかブラックポイントへ飛び、そこから小型モーターボートで向かうのが良い。強い陽差しを反射してキラキラと輝く海面に白い水しぶきを上げながらボートを走らせるのは、とてつもなく爽快だ。

まるで天国に続く道、サンドバー

まるで天国に続く道、サンドバー

写真:藤井 麻未

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海中洞窟付近には、他にも様々なスポットが点在する。そのどれもが楽園のように現実離れした美しさだが、サンドバーはまるで天国へ続く道のようだ。サンドバーとは、潮の満ち引きによって海中に姿を現す白い浅瀬(砂州)のこと。干潮時には目の覚めるようなブルーのグラテーションに乳白色の浅瀬が現れ、小島から小島へと歩いて渡ることができる。

イグアナだらけの島

イグアナだらけの島

写真:藤井 麻未

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エグスーマ諸島には、大きい島から広域の地図には表せないほど小さな島まで無数の島々が存在するが、中にはユニークな生態系をもつものがある。泳ぐ豚が生息しているビッグメジャーキー(ピッグビーチ)は最近注目を浴びつつあるが、その付近にあるイグアナばかりが棲みつく島もそのひとつ。

ボートを岸に近づけると、彼らは群れを作って様子を見に来る。イグアナの島は白い石灰質の岩肌が剥き出しになり、ところどころ背の低い茂みがあるだけの長閑な無人島だ。しかし、乳白色のビーチに船を付けると同時にどこからともなく湧いてくるイグアナたちの姿には圧倒される。かなりの至近距離まで近寄ってくるが、人間を傷付けたりすることはない。パンや野菜などをボートに積んでおいて餌付けしても良いことになっており、手に持った食べ物目がけて躊躇なく寄ってくるイグアナたちには並外れた生命力を感じさせられる。

海中洞窟へ

海中洞窟へ

写真:藤井 麻未

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そして、エグスーマ諸島の中でも最も冒険的で神秘的、秘境感満点の海中洞窟へ向かおう。ここは、「007 サンダーボール作戦」の中で敵に追い詰められたボンドが身を隠していた場所だ。この洞窟がいったいどの場所にあるのかは、地図上でも正確には分からない。洞窟に地理的名称が付いているわけでもない。ここへ行くには、エグスーマ諸島を巡るボートツアーに乗るしかないが、サンドバーや、豚、イグアナの島とは違ってここへ立ち寄るツアーはそれほど多くない。もし行きたい場合は申し込み時に希望を伝えておくことをオススメする。「007Cave」といえば地元の人は分かってくれるだろう。また、フィンとシュノーケルセットをレンタルしておくことが肝心だ。

煌めくカリブ海に浮かぶ、一見何の変哲もない岩塊。この内部が洞窟である。シュノーケルを付け波の高さを見極めて、岩の割れ目をくぐって一気に侵入してみよう。すぐに洞窟内部へ行きつくことができる。外の世界とうってかわって、そこは完全なる静けさに支配されたまさに秘密の隠れ家だ。聞こえるのは自分の息の音のみ。天井にはポッカリと穴が開き、そこからカリブ海の強い陽差しが差し込んでいる。陽の光が海面をキラキラと輝かせ、まるで美しい秘密基地。いつまでもここに隠れていたい、そう思わせる光景だ。

海中のブルーホール

海中のブルーホール

写真:藤井 麻未

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周囲の岩壁につかまって少し休憩しながら、水中に潜ってあちこち探索してみると面白い。そこにはまた神秘的なブルーの世界が広がっている。透明度の高い水中には魚の群れが泳ぎ、どこか別の出入り口に繋がっていそうなブルーホールがあったりして、冒険心をくすぐられること間違いない。

おわりに

バハマ、エグスーマ諸島のアイランドホッピングはいかがだっただろうか。実は、007シリーズはバハマでロケが行われていることが多い。ボンドがお忍びでやってくる高級リゾート地としてのイメージも強いかもしれない。

バハマは、最近パナマ文書で有名になったタックス・ヘイブンの国だ。私たちツーリストにとっては安くブランドものが手に入るショッピング天国だが、各国のマンモス銀行や大手企業が税金逃れのためペーパーカンパニーや架空口座を設立し、中には危ういものもあるのだとか。そんなバックグラウンドも007の舞台にピッタリなのかもしれない。

その美しさの裏に、どことなく危険な香りの漂うバハマ。美しくユニークな島々を巡り
海中洞窟にしばし身を隠してみれば、ジェームス・ボンドになった気分を味わえるかもしれない。

掲載内容は執筆時点のものです。

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