写真:大宮 つる
地図を見る埼玉県秩父郡小鹿野町にある「おがの化石館」。こちらは、小鹿野町で発掘された世界の奇獣“パレオパラドキシア”の化石の骨格模型にはじまり、日本のみならず世界の化石が展示されている町運営の施設です。
パレオパラドキシアの展示といえば、秩父郡長瀞町にある「埼玉県立自然の博物館」に数体展示されており、こちらのほうが広く知られているかもしれません。それと比較すると、「おがの化石館」は展示数1体ではあるのですが……魅力はなんといっても、パレオパラドキシアの化石産出地であるということ。
写真:大宮 つる
地図を見るまた、化石が発掘された般若地内の地層と同じ地層の“ようばけ”という崖がすぐそばにあるというのが最大の魅力です!
※ようばけも、「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」として国の天然記念物に指定されています。右後方に写っているのが、ようばけです。
写真:大宮 つる
地図を見る「おがの化石館」の中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、世界の奇獣“パレオパラドキシア”の骨格模型(複製)です。パレオパラドキシアとは、約1500万年前に日本と北アメリカ西海岸の海辺で生息していた哺乳類。明らかになっていないことが多いため、世界の奇獣と評されています。
写真:大宮 つる
地図を見る骨格模型の前に復元イメージのパレオパラドキシアが3体置いてありますが、見た目はちょっとカバのような感じです。
写真:大宮 つる
地図を見るパレオパラドキシアの骨格模型のほか、化石発掘時の状況が再現されたものもあります。小鹿野町般若産パレオパラドキシアの化石は、1981(昭和56)年に発見。化石はほぼ完全な骨格で、あお向けの状態で見つかりました。パレオパラドキシアの全身骨格の化石は、秩父市大野原産のもの(1975年出土)とあわせて、世界的に見ても珍しく、大変貴重なものとのこと!
写真:大宮 つる
地図を見るなお、1階はパレオパラドキシアをはじめ、小鹿野町で発掘された化石が多数展示されています。「小鹿野町でこんなに多くの化石が発掘されたのか!」「本当に海だったんだ」などといった感慨深いものがあります。2階には、日本や世界の化石が展示されています。
写真:大宮 つる
地図を見る国指定天然記念物「古秩父湾堆積層および海棲哺乳類化石群」に含まれている、崖の“ようばけ”。
ところで、「ようばけってどういう意味?」と思ってしまいますよね。“はけ”が崖という意味で、陽のあたる(=よう)様子から、“ようばけ”と呼ばれるようになったそうです。この崖は、この地の基盤である第三紀層が赤平川によって浸食されたもの。秩父町層群奈倉層と呼ばれる地層からなり、約1500万年前の新生代第三紀中新世のものと判明しています。
地層の露出状態は、高さ約100m、幅約400mに及びます。全国的に見ても有数の規模とか。地質学上から見てもとても貴重なものといいますので、「おがの化石館」の2階からぜひとも眺めてみてくださいね。有料の双眼鏡(100円)もあります。
写真:大宮 つる
地図を見る「おがの化石館」の2階から眺めることができた“ようばけ”ですが、実は、赤平川の川岸まで行くことができ、より間近で地層を見学することもできます。徒歩5分くらいの距離にあります。
ようばけは、秩父が海だった証。今でこそ信じられませんが、約1700万年前、この場所は海だったのですね。現場に行く際の注意点としては、以前岩石が落ちてきたことがあったそうで、足元・頭上には十分気をつけて足を運ぶようにしてください。
以上、秩父郡小鹿野町にある「おがの化石館」についてご紹介しました。埼玉の宝がいまや“日本の宝”となった「古秩父湾堆積層および海棲哺乳類化石群」。約1500万年前に古秩父湾は消滅してしまいましたが、秩父が海だった証が今も多く残されています。その証を見つけに、古代散策ツアーをしてみませんか?
最後に「おがの化石館」までの交通アクセスについて。
電車でお越しの場合は、西武秩父駅から小鹿野行のバスに乗車し、「泉田」で下車。徒歩約20分の距離です。車でお越しの場合は、専用の駐車場(無料)があります。
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(2024/4/26更新)
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