写真：堀内 京子
地図を見る奈良公園の高台に佇む「奈良ホテル」は１９０９年、関西の迎賓館として誕生し、２００９年に創業１００周年を迎えました。創業以来、国内外の賓客を迎えてきたホテルは、今も変わらぬ“お・も・て・な・し”の心が引き継がれています。
本館は東京駅や日本銀行本店などを手掛けた明治・大正時代を代表する建築家、辰野金吾氏が設計を行いました。桃山御殿風檜造りになっており、重厚感溢れる佇まいはホテル内への期待がより一層膨らみます。
写真：堀内 京子
地図を見る中に一歩踏み入れるとノスタルジックな空間が広がり、鳥居付きのマントルピース（暖炉）や赤絨毯の大階段なども目を惹きます。随所に創業当時の雰囲気が残り、クラシックな優雅さが漂っています。日々の喧噪を忘れ、歴史あるホテルでゆっくりと過ごす特別なひとときは上質な旅を演出してくれます。
フロントロビーに飾られた上村松園の「花嫁」を始め、２階の踊り場ホールなどにも著名な画家の作品が展示されていますので、ホテル内で名画鑑賞が楽しめます。売店にてホテル収蔵絵画のポストカードも販売、旅の思い出に購入されてはいがでしょう。
写真：堀内 京子
客室は本館と新館があり、スィートルーム・デラックスルーム・スタンダードルーム・和室の４タイプが揃っています。往時の趣はそのままに快適に過ごせる本館、吉野地方の建築様式「吉野建て」にて１９８４年に建てられた新館、どちらも趣のある造りになっています。
クラシックな雰囲気を味わいたいなら、やはり本館の客室が是非お勧めです。写真は本館のスタンダードルーム（ダブル）になりますが、高い格天井やクラッシックな照明器具、創業当時のマントルピース（暖炉）、歴史を感じる調度品が備えられています。浴衣も用意してあり、柄が鹿模様というのはご当地ならではでしょう。
写真：堀内 京子
地図を見るレストランはメインダイニングルーム「三笠」と、日本料理「花菊」があります。メインダイニングルーム「三笠」はゆったりとした広さがあり、さりげなく名画も飾られています。大和肉鶏やヤマトポークなど地元の食材を取り入れ、歴代の料理長から受け継がれてきた伝統のフランス料理が味わえます。
朝食は３種類から選べ、郷土料理「大和の茶がゆ」が楽しめる「茶がゆ定食」がとくに人気です。大きく採られた窓からは興福寺五重塔や若草山を眺めることができ、奈良県庁が選ぶ「眺望のいいレストラン」として認定されています。創業当時から続く雰囲気の良さは誕生日や結婚記念日などのお祝いとして、ランチやディナーの利用にもお勧めです。
写真：堀内 京子
地図を見る奈良ホテルの南側に隣接している「名勝 旧大乗院庭園」は四季折々の景色が楽しめる散策スポットになっています。大乗院は１０８７年に創建され、平安時代から江戸時代に栄えた門跡寺院のひとつです。１１８０年の南都焼き討ちにより消失後、現在の地に移り明治初年に廃寺となるまで存続していました。
同庭園は室町時代の一揆により荒廃しましたが、銀閣寺庭園を造った作庭の名手の善阿弥を京都から招き改造されました。以降、明治初頭まで南都随一の名園と称えられていました。１９９５年からは発掘調査と並行して復元工事が進められ、平城遷都１３００年祭に伴い、２０１０年４月から一般公開されています。
奈良ホテルを少しご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。アクセスはＪＲ奈良駅から車で約８分、近鉄奈良駅から車で約５分。関西国際空港から車で約８０分、奈良ホテルと関西国際空港を結ぶリムジンバス（１日１２便～１３便）を利用されるのも便利です。
東大寺・興福寺・奈良国立博物館・猿沢池などにも近く、周囲には観光スポットが数多く点在しています。奈良観光の拠点としての宿泊利用もモチロンですが、奈良ホテル滞在をメインとしたご旅行も是非お勧めです。
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(2024/4/25更新)
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