写真:村井 マヤ
地図を見る湯平温泉の開湯は、鎌倉時代と湯布院より歴史ある温泉で、江戸、明治、大正、昭和初期まで豊後の名湯として栄えた湯治場。映画『男はつらいよ 花の嵐も寅次郎』では、この湯平温泉が舞台となり、俳優の沢田研二さんと田中裕子さんが共演されたことでも有名。映画の中で寅さんたちの宿として描かれた「湯平荘」も、湯平温泉街にあるので共同浴場めぐりの際にきっと見つかりますよ。
映画の湯平温泉は、石畳が印象的な風情ある温泉街として描かれていました。映画が放映された昭和57(1982)年からずいぶんと時を経ましたが、昔ながらの素朴な雰囲気は変わらないノスタルジックな温泉街です。石畳の道の両脇に旅館やお店が並び、その脇を流れる清流・花合野(かごの)川に架かる橋を渡ってめぐる共同湯も・・。この湯めぐりがとても気持ちよく、心身ともにリフレッシュできます。
写真:村井 マヤ
地図を見る湯平温泉を流れる清流・花合野(かごの)川沿いに、5つの共同浴場があります。この花合野川は勢いよく流れ、まるで小さな渓谷のような風情ですが、この川のおかげで、川の側を通るとひんやり良い風が吹きます。
共同湯は川沿いにあるので、湯上りに川岸でしばらく過ごす方も。また、温泉の泉温が高めなので、お風呂上りは汗が止まらないことも・・。そんな時にも、川沿いのベンチなどに腰掛けてしばし過ごせば、ちょうどよい塩梅になりますよ。
写真は「中の湯」といい、「金の湯」(詳細は下記MEMOかまとめをご覧ください)のすぐ下にある共同湯。こちらは浴槽が1つしかないので、偶数日は男性、奇数日は女性専用となっています。大きな窓から渓流や緑が望め、開放感のある浴場です。脱衣所も、新しく広いので快適に過ごせますよ。
湯平温泉の共同浴場はすべてかけ流し、泉温は60度と高いので、十分お湯をかき混ぜ、もちろんかけ湯してお肌になじませてから、入浴してくださいね。熱いのが苦手の方は、加水しなが入浴されても。ただし入浴し終わったら、水は止めてください。
夏場は暑いので、扇風機などがある場合、脱衣所で使用すると思いますが、自分が浴場を最後に出るときは、止めて出るように。
写真:村井 マヤ
地図を見る写真右下は、「砂湯」と呼ばれる湯平温泉の中心に位置する共同湯。坂道の一番上に位置する「金の湯」「中の湯」の次にあります。「砂湯」は、川面より湯舟が低いために、大雨の後に川があふれ土砂被害にあったことも。その際、温泉の湯舟の中にしばらく砂が残っていたという逸話もあります。
また、砂湯のなりたちも面白く、その昔には砂地から温泉が湧いていたのだとか。川の水かさが増したときなど、風流というよりスリル満点ですよ。
共同浴場には石鹸やシャンプー、タオルなどはありませんので、ご自分で持参を。湯平温泉に宿泊されている場合は、宿によっては貸出してくれるところも。いずれにせよお風呂セットは必須です。基本的には番台に人はいませんが、きちんと料金(200円)は支払うように。また貴重品などはあまり持って行かないほうが良いでしょう。どうしても必要な場合は、ロッカーを利用(砂湯と橋本温泉にはありません)のこと。
*旅館で共同浴場の券を購入することもできます。詳しくは観光協会にご確認ください。
湯平温泉には食事処もいくつかあります。店舗によっては要予約や不定休のところも。そんな中で確実に営業しているのが、観光案内所の隣にある「嬉し乃食堂」。こちらは川魚料理のお店ですが、鰻料理が絶品、川魚定食もおススメ。また旅館志美津の1階にある「Cafe&Bar リンデン」では、数百冊の蔵書と音楽、コーヒー、ビールなどをいただけます。
そして写真の「焼きたてパン」の赤い幟を掲げるのは、「おきぱん」という午前中(13時くらいまで)はパン屋、夜は焼酎・ホルモン屋を営むお店。お店を切り盛りするのは、湯平温泉で「宿彩 暁雲荘」を営業する右田ご夫妻。「湯平に明かりを灯そう」と若い方々が頑張っておられます。お休みは、水・木曜日です。詳細は下記MEMO参照のこと。お隣は、共同湯「中の湯」ですよ。朝の散歩や湯めぐりの時、覗いてみてくださいね。
湯平温泉ファンの方は多くとも、最近は空き家も増えていて寂しさが増しているのも事実。湯平温泉のお湯は、まったりとしてお肌にしみわたる名湯。もっともっと賑わって欲しいものですね。
ちなみに「おきぱん」のおすすめパンは、まるぱん(80円)、ミニ食パン(100円)など。朝8時より開店していますが、売り切れたら閉店しちゃいますよ。また夜の開店は20時より、店主こだわりの焼酎とともにピザや味噌ホルモンをどうぞ。焼き鳥やピザなど合計1000円以上で、旅館に宿泊のお客様に限り配達も可能ですよ。
写真:村井 マヤ
地図を見る赤提灯が照らす夜の湯平温泉。共同湯めぐりや、ちょっと一杯しに、はたまた夕涼み、散歩に出かけたりと、赤提灯の薄明りの中、なんとも情緒ある石畳の坂道を歩く・・。ちょっと素敵ではありませんか?写真の旅館「白雲荘」の玄関付近は、一層ムードがあります。記念撮影するのにも最適ですよね。
実はこちらの「白雲荘」は、『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』の撮影が行われました。映画の中で、寅さんや沢田研二さん扮する三郎、田中裕子さん演じる蛍子が宿泊した宿「湯平荘」のロケに、この「白雲荘」の玄関部分が使われたのです。映画を見た方なら、ピンと来たかも知れませんね。
湯平温泉に電車で来られた方は、2番ホームに映画に関する写真などが展示されている「寅さん思い出の待合所」がありますので、ご覧になると良いでしょう。
素朴な湯治場の風情たっぷりの湯平温泉は、夜もおススメなんですよ。
湯平温泉の共同湯の中で一番歴史が古いのが、「金の湯」です。その名の由来は、「地下に金鉱脈があるに違いない」ということや湯平の湯が飲用でき胃腸病に効能があるところから、不老長寿の妙薬と信じられた「金」にちなんだという説があります。昔の湯平温泉の絵ハガキや写真を見ると、飲むだけではなく、お腹部分にお湯をかけ温めてから入浴している姿が描かれていて興味深いです。
「金の湯」では飲泉用の温泉を汲めるようになっています(現在は使用されていません)。
ほかには、「銀の湯」「橋本温泉」という共同浴場もあります。「銀の湯」はその昔川の中にあり、湯に銀粉のような温泉成分の白い結晶が混ざっていたことにより命名。観光案内所前に位置しており、足湯、飲泉場(現在使用中止になっています)もあります。
「橋本温泉」は、大正11(1922)年に完成した共同湯。床・湯舟ともに切り石組で、5つの共同湯の中で一番広くて、湯舟が「ぬるめ」と「熱め」に仕切られているので、熱いのが苦手の方にもゆっくり温泉を楽しんでいただけます。
共同浴場はすべて200円で入浴可能ですよ。宿泊が無理な場合でも、日帰り入浴で、共同湯を制覇しませんか?
湯めぐりをし終わったら、きっとあなたは湯平温泉の魅力にどっぷりでしょう・・。
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(2024/3/19更新)
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