群馬県太田市の隠れた産業遺産!藪塚石切り場跡

群馬県太田市の隠れた産業遺産!藪塚石切り場跡

更新日:2016/07/20 13:39

近年の廃墟ブームでは炭鉱や採掘場など様々な産業遺産がクローズアップされていますが、探せばまだまだ知られていないスポットがたくさん隠れています。
石切り場と言えばお隣、栃木県の大谷石石切り場などがテレビに紹介され注目を浴びてますが、今回紹介する藪塚石の石切り場はその規模こそ小さいものの、見ごたえのある産業遺産です。

静かな森の中にたたずむ巨大な岩壁!

静かな森の中にたたずむ巨大な岩壁!
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群馬県太田市、東武伊勢崎線藪塚駅のほど近く、山道を入って行けば高さ30mの垂直に切り立った人工的な石壁が四方を囲む、不思議な場所が姿を現します。
ここはまだあまり知られていない史跡、藪塚石切り場跡。かつて藪塚石を切り出していた廃坑跡です。
揺れる木漏れ日に照らされた絶壁は静寂に包まれており、まるで神殿のようなその非日常的な空間には威圧感すら覚えます。

あまり発展しないまま忘れ去られて行った薮塚石

あまり発展しないまま忘れ去られて行った薮塚石
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この薮塚石切り場は明治三十六年より採石が本格化。柔らかいため加工がし易く価格も安かったため建築物の土台や塀、また熱にも強かったのでカマドなどにも使用されたそうです。
最盛期には350人もの労働者が働いていましたが、同質の大谷石と比べて水に弱く中に小石もあり割れ目も多かったため、徐々に嫌われ衰退してゆき、昭和三十年頃には閉山となってしまいました。
現在入れるのは入口部分だけですが、その奥には巨大な地下空間が広がっています。

古くから使われて来た薮塚石

古くから使われて来た薮塚石
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石切り場の近くには北山古墳(写真)と西山古墳があります。この二つの古墳の間には多くの群集墳が存在しており、この土地では7世紀後半から人々が暮らしていた事が分かっています。
また古墳内部は薮塚石で造られており、はるか昔からこの薮塚石は利用されて来たと考えられています。

散策の後は展望露天風呂から長閑な田園風景を一望

散策の後は展望露天風呂から長閑な田園風景を一望
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石切り場の手前には五軒からなる小さな温泉地が、長閑な田園風景の中に佇んでいます。その中で最も大きなホテルふせじまは、貸しタオル付き1200円で日帰り入浴も受け入れています。
内風呂は広く洗い場も14ヶ所もありサウナまで完備。弱アルカリ性単純泉のお湯は源泉温度が16度と低い冷鉱泉のため常に加温し、加水、循環濾過。内風呂と併設された露天は最上階のテラスにあり眺望は最高です。また、宿泊すれば関東平野の大パノラマが、見事な夜景として広がります。

まだまだ見どころが眠っている薮塚

まだまだ見どころが眠っている薮塚
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ホテルふせじまの正面にはスネークセンターと三日月村があります。
スネークセンターは蛇専門の動物園。中では蛇料理とハブ酒が堪能できるという、なかなかのB級スポット。
また、この辺りはそのむかし上州新田郡(にったごうり)と呼ばれていた土地で、木枯らし紋次郎の出身地。木枯らし紋次郎とは笹沢左保原作の小説で1972年より連続テレビドラマとして放映されたり、映画化もされた昭和を代表する時代劇のひとつです。三日月村はそれに因んだテーマパークで、旅籠屋や水車小屋、紋次郎の生家(農家)など、江戸時代の山里集落が再現されています。

薮塚はコンパクトな観光地。散歩気分で気軽に回れます。

東武伊勢崎線藪塚駅から藪塚温泉、三日月村、北山古墳、石切り場と、充分歩ける範囲内に名所が集まっている薮塚。ちょっと地味な観光名所ですが、B級スポット好きや廃墟好きにはそこそこ有名なマイナースポットです。簡単なハイキングコースもあるので、散歩気分で気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/20 訪問

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