東海道五十三次の中でも、本陣が現存する数少ない宿場町のひとつが滋賀県の草津。本陣前から街道を南へ抜けると赤い鳥居が鮮やかに目に映ってきます。これが1200年以上もの歴史ある立木神社へのアプローチ。車でおいでの方なら、駐車場への入り口もこちらとなります。
特徴的なのが、ほかの神社であれば鳥居の両脇には阿吽の狛犬であるところを、こちらでは牡鹿と雌鹿がお出迎えしているところ。神社の由来に鹿が大きく関わったことを示しているのです。
詳しいことは後にしてまずは中へと進んでまいりましょう。
境内へ入り右手の方に本殿を拝することができるのですが、その手前にあるのがこちらの恵比寿神社です。写真は拝殿に向かって左側の大黒様ですが、右手には満面の笑みを浮かべられた恵比寿様がおいでになって、参拝客を出迎えてくださいます。
この立木神社には、ほかにも天照皇大神宮や春日大社、八坂神社など有名な20余りの神社や拝殿が合祀されていて、ここに来るだけで様々な神様を拝むことができるのです。
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立木神社が創建されたのは第48代の称徳天皇の頃、767年といいますから今からおよそ千二百年以上もの歴史を持っていることになります。
茨城県の常陸の国にある鹿島神宮から白鹿に乗り旅に出られた武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、安住の地を求めて奈良へと向かわれた折にこの場所に立ち寄られました。そして持っていた柿の枝の鞭を地面に突き立て、この木が生え着いたならば自分は末永く大和の国の三笠の山にとどまることとなるであろうと言われたのですが、やがてその鞭は根付き、武甕槌命は今の奈良にある春日大社の祭神となりました。
やがてこの柿の木を崇める人たちにより神殿が建てられ、そのいわれから立木神社と呼ばれるようになりました。その故に、この本殿の前をはじめこの神社の各所には鹿の像が置かれ、境内の一角には今も代を移しながらも柿の木が植えられているのです。
そもそも厄ばらいの厄の字には木の節目という意味があり、武甕槌命は長い旅をされたところから、この立木神社は厄除け開運と交通安全についてのご利益があるとされ、折々の大祭や縁日には、遠方近隣を問わず参拝客が絶えることはありません。
立木神社本殿の裏に隠れるように、げんろく稲荷は祭られています。
もともとは、この近隣にあった山田家の女主人が、眼病と糖尿病の治癒祈願のために屋敷内に狸を祀ったのが始まりです。そしてその数代後の当主のお嬢さんが目を痛めた際に祈祷してもらうと、屋敷内の狸稲荷を粗末にしているために起こったことだから立木神社に移してお祀りするようにとのご宣託があったため今の場所に移されたのだということなのだとか。
訪れてみると、仮名文字で「げんろく」と彫りぬかれた自然石の周りに赤く塗られた柵囲いがされただけの簡素なものですが、今も眼病に悩む人達からの信仰を集め、山田家の屋号である「たかすけ」から、たかすけ稲荷とも呼ばれ親しまれているとのことです。
すでにお伝えしたようにこの立木神社には20あまりの神様がおいでになるので、とてもご紹介しきれません。とにかく誰でも一度はその名を耳にしたことのある有名な神様が目白押し。ご利益もそれぞれなので、幅広くお願いすることができますよ。
どんな素敵な神様に出会えるか、あなたもぜひ立木神社を訪れて参拝してみてくださいね。
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(2024/3/18更新)
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