これが秋空だ!!福島に『ほんとの空』を見に行こう!!智恵子が愛した『安達太良山』と幸せの『ハート形』

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これが秋空だ!!福島に『ほんとの空』を見に行こう!!智恵子が愛した『安達太良山』と幸せの『ハート形』

これが秋空だ!!福島に『ほんとの空』を見に行こう!!智恵子が愛した『安達太良山』と幸せの『ハート形』

更新日:2013/10/01 13:06

いずみ ゆかのプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター いずみ ゆか ライター

秋晴れのさわやかな日に「うつくしま福島」の名に相応しい『ほんとの空』を福島へ見に行きませんか?
この『ほんとの空』は東京には無い空なのです。
なぜ『ほんとの空』なのか?そして幸せ運ぶ『ハート形』とは何か?
日本百名山の一つでもあり、うつくしま百名山にも選ばれた福島県中部にある『安達太良山(あだたらやま)』を文学や恐ろしい伝説、面白い名前の由来・歴史の話も交えて皆様にご紹介致します!

山の斜面に輝く一面の美しいススキの道!!

写真:いずみ ゆか

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福島県の安達太良山(あだたらやま)は詩人で彫刻家の高村光太郎の詩集『智恵子抄』に出てくる事であまりに有名です。
奥羽山脈の南部に位置し、標高1700mの活火山で現在も火口付近で有毒の硫化水素ガスを出しています。頂上がぽっこり小山の様に盛り上がって乳首とも呼ばれる事から別名「乳首山」とも呼ばれています。また和尚山、安達太良山、鉄山、箕輪山、鬼面山、薬師岳と続く連山のことを安達太良山と呼びます。

古くは7世紀〜8世紀に編纂された万葉集の東歌にも「安太多良(あだたら)」「吾田多良(あだたら)」という記載で詠まれており(万葉集では三首詠まれています。)、他にも安達郡の中で一番高い太郎山から「安達太郎山(あだたらやま)」、「安達峰(あだたみね)」と様々な読ませ方があります。『智恵子抄』では「阿多多羅山(あだたらやま)」と原文に記載されています。

春夏秋はトレッキング、冬はあだたら高原スキー場として一年を通して楽しめ、山岳ファンや文学・歴史ファン、ウィンタースポーツファンをも魅了する楽しい山です。
スキー場の斜面は一面のススキが輝いてとても綺麗です。これからは紅葉シーズンなので更に綺麗ですよ!

今回は本格的な登山やトレッキングコースでは無く、あだたらエキスプレスというゴンドラを利用し、小さいお子様やご年配の方でも楽しめる薬師岳パノラマパークのコースをご案内致します。往復のゴンドラ利用時間と併せて現地でゆったり散策しても所要時間は2時間弱くらいです。
気軽なコースですが、必ず歩きやすい靴で虫除けスプレーや帽子などを用意して行って下さいね。
本格的な登山コースをご希望なら、あだたら高原リゾートのホームページより、各コース(初級・中級)のルートや所要時間、用意が必要な物を確認された上で行かれる事をお勧め致します。トレッキング用の靴やレインコート、デイパックなどのレンタルもされています。

絶景と秋空を空中散歩!!しながらゴンドラの中でちょっと怖い昔話はいかが?

写真:いずみ ゆか

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あだたら高原スキー場のレストハウス横に「あだたらエキスプレス」という高速6人乗りのゴンドラリフト乗り場があります。
4月27日〜11月17日の期間で午前8時30分〜午後4時30分の毎日運行しており、往復チケットで大人(中学生以上)1600円、小人(4歳以上)1200円です。ペット料金もあり、ペットも一緒に乗れるようです。またお得なファミリーチケットもあるのでご家族みんなで散策やトレッキングを楽しめます。
ゴンドラの所要時間は片道10分くらいです。結構高所を運行するので絶景を望め、先ほどのゲレンデに輝くススキの道も真上から見る事が出来ます!

ここで空中散歩を楽しみながら、ちょっと安達太良にまつわる怖〜い小話を一つ!なんていかがでしょう?ご家族連れなら親御さんがお子様に、カップルなら彼氏が彼女に話してあげると高所も相まって楽しめる事間違い無しです!ただし、本当に怖いので小さいお子様は泣いてしまうかも!?

安達太良山南東麓の本宮盆地は安達ヶ原(あだちがはら)と呼ばれ、そこには鬼婆伝説があるのです・・・。

その昔話とは
「昔々、都の某公家の姫の乳母で岩手という名の女がいました。育ての姫が病になり、「妊婦の生き肝が薬になる」という噂を聞いてそれを手に入れるため安達ヶ原まで来て岩屋に泊まって妊婦が来るのを待っていました。
ある夜、旅の妊婦とその夫が宿を求めて訪れたところ、夫婦は岩手に殺されてしまいました。しかしその殺された妊婦は持ち物(御守り)から岩手の本当の娘だった事が分かったのです。その事を知った岩手は悲しみに狂いとうとう鬼婆となって、近隣の者や旅の者を殺し食らう様になったのです。
ある日、安達ヶ原を紀州から旅の東光坊祐慶という僧が(実在の人物)日が暮れてしまったため老婆岩手が住む岩屋を見つけて、一晩の宿をお願いしました。岩手は「薪を拾いに行くので、奥の間は覗かないで欲しい」と言って外へ出て行きましたが、祐慶は好奇心から覗いてしまったのです。そこには・・頭蓋骨が山の様に散乱していました。岩手が鬼婆だと気付た祐慶は逃げ去りました。
逃げた事を知った鬼婆に追いかけられ、祐慶は直ぐに追いつかれてしまいました。鬼婆に今にも食い殺されそうなその時、祐慶は如意輪観世音菩薩を取り出して必死に読経しました。すると菩薩像が空へ舞い上がって光を放ち破魔の白真弓に金剛の矢をつがえて鬼婆を仕留めたのです。鬼婆は仏様のお導きにより無事成仏したのでありました。」
と言うお話です。この安達ヶ原鬼婆伝説は、能では「黒塚」、人形浄瑠璃や歌舞伎では「奥州安達ヶ原」に取り入れられています。

とても怖い伝説ですが、この伝説、実は『あだたら』と言うちょっと変わった読み方の名前の由来にも繋がる重要な伝説なのです。

目指すは『ほんとの空』と『ハート形』!!そして不思議な名前『あだたら』とは?古代の産鉄とアイヌの話

写真:いずみ ゆか

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ゴンドラの空中散歩を楽しんだら、さあ薬師岳パノラマパークの散策コースを歩きましょう!
途中までは木製の遊歩道になっており、今にも鬼婆が出てきそうな松や草むらが生い茂る道を歩きます。目指すは『ほんとの空』と幸せ運ぶ「ハート」です!!

歩きながら先ほどの鬼婆の伝説に戻ります。東北地方は「鬼」や「鬼婆」の昔話が多いのですが、鬼や鬼婆は砂鉄を精錬し鉄に変える技術を持つ古代の「製鉄の民」の事で大和政権に従わず、坂上田村麻呂に征伐されたまつろわぬ人々を表しているという説があります。
『あだたら』の名の由来の一つに古代の製鉄用溶鉱炉の名称である「タタラ」からきているという説がありますが、本当に安達太良山から鉄は産出されるようです。それは安達太良連山の中に鉄山と言う山があり、ここにはくろがね(=鉄)の鉱泉があります。また近くに赤湯温泉と言う鉄分を多く含んだ温泉がある事からも分かります。

鬼婆は一般的なイメージで囲炉裏端で包丁を研ぎながら、人を食らおうとしますよね。(ちなみに鬼は金棒=鉄を持っています)囲炉裏端の火と包丁は鉄で出来ているので、タタラ場の火(安達太良山は活火山なので火があります)で鉄を精製している事を意味しているのではと思ったりもします。
なんだかジブリ作品「もののけ姫」のエボシ様率いる「タタラ場」を思い出しますね!

また『あだたら』の名の異なる由来で、アイヌ語で乳の意味の「アタタ」から来ているという説もあります。確かに別名「乳首山」と呼ばれていますし、東北地方の地名はアイヌ語が由来になっているケースも多いのでありえるかもと思います。(しかしアイヌ語の文献には乳をアタタと読む事は載っていないそうです)

ご家族で散策をしながら、親御さんがお子様に先ほどの鬼婆伝説は本当は怖くないお話である事を教えてあげても楽しいかもしれませんよ!!またカップルやご夫婦での散策なら豆知識として彼女や奥様に鬼婆と産鉄の話をされてみてはどうでしょうか?一味違った散策になる事間違い無しです!!

お待たせしました!ここが『ほんとの空』だ!!

写真:いずみ ゆか

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散策路を歩き終えると、ぽっかり空が見えて安達太良山が一望出来るスポットに出ます。そう、ここが正しく『ほんとの空』がある場所なのです。
なぜ『ほんとの空』なのか?高村光太郎の『智恵子抄』あどけない話の詩を読むと分かります。

『あどけない話』
 智恵子は東京に空が無いといふ。
 ほんとの空が見たいといふ。

 私は驚いて空を見る。
 桜若葉の間(あいだ)に在るのは、
 切っても切れない
 むかしなじみのきれいな空だ。
 どんよりけむる地平のぼかしは
 うすもも色の朝のしめりだ。
 智恵子は遠くを見ながら言ふ。

 阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
 毎日出ている青い空が
 智恵子のほんとうの空だといふ。

 あどけない空の話である。

この詩があまりに有名で、安達太良山とその空を一望出来るこのスポットが智恵子の『ほんとの空』を見る場所になったのです。

高村光太郎は31歳の時に3つ年下の女流画家・長沼智恵子と結婚します。結婚後、高村光太郎は「私はこの世で智恵子にめぐり会った為、彼女の純愛によって清浄にされ、以前の退廃生活から救い出される事が出来た」と言ったくらい、智恵子は彼の愛妻でした。智恵子の実家は福島県安達郡油井村(現在の二本松市)の酒造家でしたが破産してしまったようで、しかも東京暮らしが肌に合わず、次第に統合失調症になって精神を病み始め、睡眠薬で未遂でしたが服毒自殺を図ってしまったそうです。『智恵子抄』は智恵子が他界してから3年後に30年に及ぶ夫婦二人の愛を綴った詩集として刊行されました。

智恵子の「東京には空が無い」「ほんとの空が見たい」と言う気持ちは、福島原発事故や3・11の地震と津波で故郷を離れざるを得なかった方々の気持ちと通じるものがある気がして、今回見る事が出来た澄んだ秋晴れの福島の空は本当に美しいものに思えました。
是非、皆様も万感の想いを込めて大切な人とこの智恵子の『ほんとの空』を見てみませんか?

みんな幸せにな〜れ!幸せを運ぶ『ハート』と地元で話題!!

写真:いずみ ゆか

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智恵子の「この上の空がほんとの空」の文言の碑から少し先に安達太良連山薬師岳の山頂があります。ここからは安達太良連山の素晴らしいパノラマを一望する事が出来ます。
その中の箕輪山中腹にぽかりと大きなハート形の穴が見えるのです!

本来は冬にこの大きなハート形の穴が雪に綺麗に埋まって真っ白なハートになる事から、地元の方々に『幸せ運ぶ白いハート』として口コミで密かに有名になったのだそうです。
是非、冬にこのハートを見たいものです。隠れおススメ情報です!
地元の方々によると、クリスマスやバレンタインデーに見ると良いとか♪

実は火野正平さんが自転車で全国を巡るNHKの「にっぽん縦断こころ旅」でも取り上げられ、福島民報の新聞記事にも掲載されました。

まだ全国的にはあまり知られていませんが、きっとこれから有名な観光スポットになります!
先取り情報で知っておくと自慢出来るかも?!

このハートは見た人はもちろん!これから観光客を運んでくると言う意味でも福島にとって幸せ運ぶハートになることでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?
安達太良山を有名な『智恵子抄』を含めて色々な視点・角度からご案内してみました。
あまりに魅力的!これからの秋の行楽シーズンにも冬のウィンタースポーツシーズンにも最適な「うつくしま福島」の美しい山と空を是非、大切な人とご一緒に訪れてみて下さい。

「ほんとの空」も「幸せ運ぶハート」も福島だからこそ見る事が出来るのです!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/21 訪問

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