写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る秋田新幹線の停車駅である田沢湖駅からレンタカーかバスで10分ほど移動すると、田沢湖にたどり着きます。水深は最大で400メートル以上、周囲は20キロ強あり、鮮やかな青みがかった色が印象的です。水深が浅いところに行くと分かりますが、実は透明度もかなり高いです。夏になれば、湖に降りられるところで海水浴ならぬ湖水浴を楽しむこともできます。
さぞかし魚たちにとっても快適なのだろうと思いきや、実は戦前に発電所の建設や国の開墾事業により玉川温泉の強酸性の水が流れこみ、酸性に弱い魚がいなくなってしまったという過去があります。平成元年に処理施設が運転を開始し、少しずつ水質は中性にもどりつつあります。
田沢湖北部には、湖の酸化により消えていった魚や後述する辰子をなぐさめるため、姫観音が建てられています。美しさの裏にちょっと悲しい歴史を秘めた湖ですね。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る田沢湖を語る上で、伝説の美女辰子を避けて通ることはできません。
昔々、この辺りには辰子という美女が住んでいました。神女が下界に降りてきたとまでいわれる美貌を持つ彼女は、その美しさが永遠のものとなるように観音様にお祈りをしていました。すると100日目、神様からとある場所のわき水を飲めば願いがかなうというお告げをいただきます。ところがわき水を飲んだ辰子は口が耳までさけたかと思うと、龍になってしまいました。辰子は湖へと姿を消し、湖の主になったといわれています。
ちなみにこの話には後日談があります。辰子と同じように龍になってしまった八郎太郎という人物が秋田県・八郎潟にいたそうです。彼は辰子にひとめぼれして田沢湖に通いつめ、今では田沢湖に同居していると伝えられています。一応、ハッピーエンドということにしておきたいですね。
そんな辰子にまつわる場所が、今でもいくつか残っています。御座石神社のすぐ近くにある山の急斜面に、鏡石という石があります。親孝行な性格だった辰子が山菜採りにきたついでに、この石を鏡にして化粧をしていたと伝えられています。
また、山のふもとには辰子が飲んで龍に変わるきっかけとなった泉、潟泉の霊泉が今でもあります。
ここの水は飲めませんが、湖にそって少し進むと飲むことのできるわき水が出ている場所があります。出どころは伝説のわき水と同じはずなので飲むのに勇気が入りますが、軟水でくせがなく、おいしい水です。
※写真は辰子が飲んだ霊泉です。危険なので飲まないでください。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る田沢湖の北東部には、そんな辰子のブロンズ像があります。
彫刻家舟越保武氏の作品であり、昭和43年に序幕されました。細身でやや幼さの残る顔立ちです。表面は黄金色にかがやいており、バックの青い湖面との対比が美しいです。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るさて、ここで少しだけ田沢湖から離れたところにも行ってみましょう。田沢湖一周線の上田子の木というバス停から15分ほど畑や林の中を歩いていくと、突然木造校舎が姿をあらわします。
ここは昭和49年に廃校になった校舎で、今では修復され「思い出の潟分校」という名で一般に公開されています。窓や机にいたるまで木製で、昭和を舞台にした映画のセットのような校舎内を自由に散策できます。職員室には写真のように当時のものと思われる備品が多く残っており、タイムスリップしたかのような気分を味わうことができます。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る足が疲れてきた時の休憩と食事に最適なスポットも、1つ紹介します。
田沢湖の東側に、ORAEという洋食屋があります。秋田弁で「私の家」を意味する「おらえ」という名がつけられたこの店では、カレーやパスタ、ピザが味わえます。
「秋田にきてまで洋食?」と思う方もいるかもしれませんが、大きな暖炉とナラの木でできた重厚なテーブルが印象的な店の中で、地元の食材を使った洋食を食べるのも格別です。
秋田県・田沢湖は、コバルトブルーの田沢湖をぐるりと一周して風景を楽しんだり辰子ゆかりのスポットを回るだけでも一日楽しめる最高のスポットです。これでもまだ足りないという方は、バスで30分のところにある休暇村乳頭温泉郷で乳白色の湯につかっても良いかもしれませんね。
新幹線のおかげで岩手県・盛岡駅からのアクセスも抜群なので、秋田観光にきた時だけでなく、岩手に遊びにきた時もぜひ寄ってみてくださいね。
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(2024/4/26更新)
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