女性鵜匠に会えるかも!? 城下町犬山の木曽川昼うかい

女性鵜匠に会えるかも!? 城下町犬山の木曽川昼うかい

更新日:2014/05/19 11:11

愛知県の犬山市と岐阜県の各務原市の県境で行われている「木曽川鵜飼」に、2013年、東海地方初の女性鵜匠が誕生し、話題となっています。東海地方では、岐阜市で行われている長良川鵜飼が有名ですが、この「木曽川鵜飼」では、昼も鵜飼が行われており、日帰り観光客に人気となっています。ひょっとすると今話題の女性鵜匠の、手縄裁きをご覧になることができるかもしれません。

昼うかいはまずお食事と遊覧からスタート

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愛知と岐阜の県境を流れる木曽川で行われる「木曽川鵜飼」は、1300年の伝統がある歴史の古い鵜飼です。闇夜に灯されるかがり火が特徴の鵜飼ですが、この「木曽川鵜飼」では、昼間に行われる昼うかいも好評なんですよ。源氏物語の世界でも、昼うかいの記述があるくらいですので、昔は夜に行われるものとは決まっていなかったようですね。

昼うかいのスケジュールをご案内しましょう。手続きをすませ屋形船に乗り込みますと、予約時にオーダーしたお弁当がテーブルに配膳されています。席についたら食事を楽しみながら、のんびりと遊覧がスタート。エンジン付きの屋形船が、木曽川のゆったりとした流れに逆らいながらゆっくりと上流に進みます。船内で食事をしながら、心地よい風が感じられ気持ちのよい時間が流れます。ある程度の位置まで進むと、今度は下流に向けて船を旋回。エンジンも切られ、川の流れだけで進むので静かな遊覧が楽しめます。国宝の犬山城が左手に見えてくる頃には、お食事タイムもそろそろ終了。船は乗船場に戻り、トイレ休憩のため一旦下船となります。

再び乗船し、いよいよ昼うかいがスタート!

再び乗船し、いよいよ昼うかいがスタート!
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トイレ休憩が終了したら、再び先ほどの屋形船に乗船します。船内は先ほどのテーブルが片づけられ足元も広々。鵜飼の様子をはっきりとご覧になれるように船内が整えられました。カメラやビデオの準備をしながら、鵜飼船の登場を待ちます。

鵜飼船はすでに、鵜匠と鵜を乗せて先に上流に出発しています。鵜匠は上流で鵜を準備し、腰蓑、烏帽子姿に着替えます。かがり火が灯され準備が整ったら、ゆっくりと屋形船のいる位置に進んできます。

明るいので、鵜匠の手縄さばきと鵜の動きがよく見える!

明るいので、鵜匠の手縄さばきと鵜の動きがよく見える!
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昼うかいではかがり火は灯されているものの、外が明るいため幻想的な雰囲気とはなりませんが、鵜の動きは夜の鵜飼よりもはっきりと見られます。10羽の鵜を操る鵜匠の手縄さばきも、近くではっきりと見ることができます。屋形船は鵜飼船を取り囲むように進んでいきますが、鵜飼船のどちら側につくかはわかりません。自分の座っている座席の方向に鵜飼船が見られたらラッキーです。ベストポジションで鵜飼の様子がご覧になれます。反対側になってしまった場合は、鵜飼の様子が見られる位置まで船内を移動しなくてはいけません。

魚を飲みこんだ鵜は、首元にくくりつけられた手縄によって船上に引き上げられます。そして首元を押すようにして鵜を逆さにすると、飲みこんだ魚が吐き出されます。のどに縛られた紐によって、飲みこんだ魚は胃には入りません。のどもとで止められているのです。鵜がかわいそうと思うかもしれませんが、鵜飼はもともとは漁法のひとつであり、それほど長時間行うわけではありません。また漁が終わったら、きちんと鵜たちには食事を与えています。

鵜飼終了後には鵜匠からの解説があります

鵜飼終了後には鵜匠からの解説があります
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鵜飼が終わると、その日担当した鵜匠から鵜飼の説明があります。鵜飼船にはマイクとスピーカーが搭載されているので、屋形船のどの位置にいても、説明はしっかり聞こえます。

鵜飼船は「鵜舟」と呼ばれる全長13メートルのものを使用。船には鵜匠以外に舵を取る「とも乗り」と「なか乗り」の2名が乗船。鵜飼は3人1組になって行うチームプレイだという説明がありました。

筆者が乗船した2013年10月には、デビューしたばかりの女性鵜匠がまだ一人前になっていなかったため、もう一人の鵜匠が乗船しており「鵜舟」には4名が乗っていました。

鵜匠のいでたちについては、自らの衣装を見せながら、ひとつひとつ説明します。烏帽子はかがり火から頭髪を守るために身に着けており、腰蓑は水しぶきを避け、体が冷えるのを防ぐため。胸あても火の粉から守るために身に着けているそうです。ていねいな説明中には、お客さんから質問が飛ぶことも。鵜飼の最中は真剣そのものだった鵜匠の表情も、説明中はにこやかな表情となり、お客さんとアットホームな一体感が生まれます。

現在、木曽川鵜飼には4名の鵜匠がおり、そのうち1名は2013年にデビューした女性鵜匠。全国的にも女性の鵜匠は珍しく、東海地方では初の女性鵜匠だそうです。

国宝犬山城を背景に風情のあるひとときが過ごせる昼うかい。全国ではこの木曽川鵜飼でしか行われていません。鵜飼の様子を間近ではっきりとご覧になれる昼うかいをぜひ体験してみてください。

昼鵜飼が見られるのは全国でも木曽川鵜飼だけ

国宝犬山城を眺めながら見学できる木曽川鵜飼では、全国で唯一行われている昼うかいが好評。幻想的な夜の鵜飼もおすすめですが、明るい日中に行われる昼うかいは、鵜匠の手縄さばきや、鵜が鮎を捕獲する様子がはっきりと見ることができます。船内で楽しむお食事、犬山城を眺めながらの遊覧、鵜飼鑑賞後の鵜匠による説明など、もりだくさんの内容は充実の満足度。2013年にデビューした女性鵜匠にも注目が集まる木曽川昼うかい。2014年度は6月1日から10月15日まで開催されます。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/12 訪問

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