かつてのポーランド王国の首都「クラクフ」!戦災を免れた歴史ある町の見所

かつてのポーランド王国の首都「クラクフ」!戦災を免れた歴史ある町の見所

更新日:2016/07/21 17:43

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ポーランド南部、かつての王国の首都として全盛期を誇ったクラクフは、ワルシャワに遷都されるまで政治・経済の中心であり、プラハやウィーンと並ぶヨーロッパ文化の中心地でした。第二次世界大戦中、壊滅的な打撃を受けた都市が多かったにもかかわらず、ドイツ軍の司令部が置かれていたおかげで戦災を免れ、歴史的な町並みが今日に残されています。世界遺産に指定され、中世の佇まいがしっかり残る町の見所をご紹介します。

煉瓦造りの円形の砦「バルバカン」

煉瓦造りの円形の砦「バルバカン」

写真:Hiroko Oji

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ポーランド南部の古都クラクフ(Krakow)は、見所が旧市街に集中しており、徒歩で観光しやすい町です。鉄道駅から西へ300メートルも歩けば、旧市街の入り口ともいえるバルバカンに到着します。

旧市街を守っていた城壁は、19世紀に取り壊されて緑地帯にとって代わり、現在残るのは北の一部のみ。その城壁の北に隣接する緑地帯の中に残っているのが、煉瓦造りの円形の砦「バルバカン」です。1498年造られ、今日ヨーロッパで残っている円形の防塁は、ワルシャワとこのクラクフの2カ所のみという珍しいものです。クラクフのバルバカンは現存するものの中では最大と言えます。このバルバカンをくぐって旧市街に入りましょう。

城壁に設けられたフロリアンスカ門

城壁に設けられたフロリアンスカ門

写真:Hiroko Oji

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バルバカンを通り抜けると次に現れるのが、フロリアンスカ門。石造りの立派な塔がある、旧市街の北のゲートです。1300年頃に造られた門で、左右に続いてわずかに残る城壁沿いに、露店が軒を並べ、絵画などの商品が城壁いっぱいに架けられています。ここからまっすぐに延びる通りがフロリアンスカ通りで、町の中心地「中央市場広場」へと続きます。通りの両側には、ショップやカフェが建ち並び、観光客で賑わっています。建物自体やぶら下がる凝ったデザインの看板も、目を楽しませてくれます。

美しい芸術が溢れる聖マリア教会

美しい芸術が溢れる聖マリア教会

写真:Hiroko Oji

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クラクフの中心となる中央市場広場に面して、美しい2本の塔が聳える「聖マリア教会」が建っています。

1222年に建てられたゴシック様式の教会で、外観だけでなく、内部の装飾の美しさは必見のものばかり!特に、国宝に指定されているヴィオット・ストウオシ聖壇は見逃せません。これは、12年の歳月をかけて造られた、ヨーロッパ第二の高さを誇る木造彫刻で、金色に輝いています。また、青地に金色がちりばめられた天井やモザイク装飾の壁面、ステンドグラスや内部の芸術品に目も眩むばかりです。

この教会の塔の上からは、一時間毎にラッパが吹き鳴らされます。昔、モンゴル軍がクラクフを襲った時、敵襲を告げるラッパがこの塔から吹き鳴らされ、その時のラッパ手が、敵の放った矢で命を落としたということから、そのラッパ手を悼んで吹かれるようになっているのです。所以を知ると、ラッパの音色が物悲しくさえ聞こえてきます。

ルネッサンス様式の織物会館

ルネッサンス様式の織物会館

写真:Hiroko Oji

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もう一つ、中央市場広場での目立つ存在がこの織物会館です。

中世の佇まいがそのまま残るヨーロッパ最大規模の広さを誇る中央市場広場は、総面積が4万平方キロメートル!その中央に位置するのが織物会館で、現在は、木彫りや民芸品やアクセサリーなどの土産物を売るお店がその1階フロアをぎっしりと占めています。

長さが100メートルもあり、ルネッサンス様式で建てられている会館の外観そのものが、均整の取れた壮麗な建物です。14世紀に建てられたもので、当時は衣服や布地といった織物を中心に交易していたため、織物会館と呼ばれています。2階には、国立美術館が入っており、18〜19世紀のポーランド絵画のギャラリーになっています。

歴代ポーランド王の居城「ヴァヴェル城」

歴代ポーランド王の居城「ヴァヴェル城」

写真:Hiroko Oji

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最後にご紹介するのは、旧市街の南外れにある、この町の一番の見所、その名は「ヴァヴェル城」!歴代ポーランド王の居城だった建物です。

メインとなる城門から入れるのは、カノニチャ通りからのアクセスです。城門脇には、ポーランドの英雄タデウシ・コシチュシコの像が建っています。城門をくぐってすぐの所には、3つの礼拝堂を持つ大聖堂があります。ゴシック様式で1320年に着工されて以来、ルネッサンス様式やバロック様式が加えられてきました。

広場に面する南側の金色のドーム「ジグムント・チャペル」は、ポーランドにおけるルネッサンス建築の傑作と言われています。北側にあるジグムントの塔の最上階には、1520年鋳造でポーランド最大の鐘が吊るされていて、鐘と一緒に記念撮影する人で混雑していますが、ここからの眺めは格別です。階段は狭くてちょっとばかり大変ですが、眺めを楽しみに、ぜひ上ってみて下さいね。

中庭の奥には旧王宮があり、内部は博物館となっています。16〜17世紀を再現した豪華な部屋や、王家の肖像画などが展示されています。1320年以来ポーランド王の戴冠式に使われてきた剣や、16世紀フランドル産のタペストリーなどは見逃せません。

お城の南の麓へ続く螺旋階段を下りて行くと、竜の洞窟があります。洞窟内は、結構高低差があって入り組んでいて、探検心をくすぐってくれます。洞窟の出口には時々火を噴く、伝説の竜の像が建っていて、たまに、火を噴いてくれます。このタイミングを見逃さないでくださいね。

近郊のアウシュヴィッツやヴィエリチカへの日帰り訪問も!

クラクフがポーランド王国の首都として繁栄したのは中世の時代ですが、その佇まいをしっかりと今に残すしっとりとした歴史的な町並みです。世界遺産にも登録され、居心地の良いホテルやレストランがたくさんありますので、ぜひ、1泊だけでも滞在してクラクフの良さを味わってくださいね。

また、クラクフ市街を一望するのに最適なコシチュシコ山や、郊外にあるナチス強制収容所跡のあるアウシュヴィッツやヴィエリチカ岩塩坑へも日帰り訪問するのに最適なロケーションです。列車や鉄道駅に隣接のバスターミナルから出るバスで簡単に訪問できます。

掲載内容は執筆時点のものです。 2005/08/02−2005/08/05 訪問

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