国宝になりたてホヤホヤ! 足利尊氏の故郷「鑁阿寺(ばんなじ)」を見に行こう!

| 栃木県

| 旅の専門家がお届けするオリジナル旅行ガイドメディア

国宝になりたてホヤホヤ! 足利尊氏の故郷「鑁阿寺(ばんなじ)」を見に行こう!

国宝になりたてホヤホヤ! 足利尊氏の故郷「鑁阿寺(ばんなじ)」を見に行こう!

更新日:2013/11/25 19:41

木村 岳人のプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター 木村 岳人 フリーライター

ご存じ、室町幕府を開いた足利尊氏。その尊氏を輩出した足利氏の本拠地は、かつての下野国足利荘、現在の栃木県足利市でした。足利市の中心部には、今もなお中世に築かれた足利氏の邸宅跡が残されており、その敷地には鑁阿寺(ばんなじ)というお寺が存在します。

2013年8月、鑁阿寺の本堂が全国218件目の国宝建造物に指定されました。祝! 国宝指定!……というワケで、今回は鑁阿寺の魅力をご紹介!

将軍にまで登り詰めた、足利尊氏の故郷を訪ねて

写真:木村 岳人

地図を見る

JR両毛線「足利駅」から歩くこと約10分。風情ある門前町の通りを進んでいくと、その先に見えてくるのが鑁阿寺の太鼓橋と山門です。この山門が建てられたのは室町時代の永禄7年(1564年)、太鼓門は時代が下って江戸時代後期、安政年間(1854〜1859年)の再建。

ほんのりとむくりの付いた屋根が乗る特徴的な太鼓橋と、どっしり構えられた山門が、歴史あるお寺の風情を醸しています。重厚ながらもどことなく優雅な雰囲気のたたずまいで、う〜ん、カッコ良い。

それでは、さっそく太鼓橋を渡って鑁阿寺の境内へ……といきたい所ですが、ここはぐっと我慢して、まずはお寺の周囲を見渡してみましょう。普通のお寺とは少し違う、鑁阿寺ならではの光景を目にする事ができるのです。

鑁阿寺の境内はぐるっと濠に囲まれ、まるで城郭のよう

写真:木村 岳人

地図を見る

前述の通り、鑁阿寺は足利氏の邸宅跡に建つお寺です。平安時代の後期、足利氏の始祖である源義国(みなもとのよしくに)がこの場所に居館を築き、その後の鎌倉時代、足利氏三代当主の足利義氏(あしかがよしうじ)が大日如来を祀る足利氏の氏寺として文暦元年(1234年)に整備しました。

元は有力な武家のお屋敷という事もあって、その周囲は濠と土塁によって囲まれた、まるで城郭のような厳重な作りになっています。入口は東西南北にそれぞれ一ヶ所ずつ開いており、先程の山門はそのうちの南門にあたるというワケですね。

このように、鑁阿寺は鎌倉時代からのお寺という価値のみならず、中世の武家である足利氏の邸宅跡としても価値が高く、その境内全域が「足利氏宅跡(鑁阿寺)」として国の史跡に指定されています。

鎌倉時代の建立、室町時代に大改修が加えられた鑁阿寺本堂

写真:木村 岳人

地図を見る

さぁ、いよいよ新国宝の鑁阿寺本堂とご対面。まずはしっかりお参りを済ませ、それから建物を観察させて頂きましょう。

現在の本堂は、足利氏七代当主の足利貞氏(あしかがさだうじ)が、鎌倉時代の正応5年(1292年)から正安元年(1299年)にかけて再建したもの。現在は本瓦葺きですが、建立当初は瓦葺きではなく、室町時代の応永14年(1407年)から永享4年(1432年)にかけての大改修により本瓦葺きに改められました。その後も江戸時代元文期(1736〜1741年)の改修など、各時代ごとに度々手が加えられ、今に見られる姿になったのです。

最近では、平成21年から22年にかけて屋根の葺き替え修理が行われました。こうした定期的な修理によって、古い建造物は維持されているんですね。

日本と大陸の建築様式が融合した、「折衷様」のさきがけという点が評価されて国宝に

写真:木村 岳人

地図を見る

さて、そもそもなぜ鑁阿寺の本堂が国宝になったのかと言うと、関東地方に残る数少ない鎌倉時代の建造物という事もありますが、なにより「禅宗様を採り入れた折衷様建築のさきがけ」という点が高く評価されました。

鑁阿寺本堂は日本古来の建築様式である「和様」に加え、鎌倉時代の初期に宋から海を越えて伝わってきた建築様式「禅宗様」の要素を採り入れたのです。この建築様式の融合は、新たな建築様式「折衷様」として、その後の日本建築の発達に多大な影響を及ぼしました。この鑁阿寺本堂は、いち早く禅宗様を取り入れた建築として、極めて高い価値を有しているのです。

本堂を支える柱は上下が丸くすぼんだ「粽柱(ちまきばしら)」であったり、和様では柱の上にだけ置く組物を、柱の間にも置く「詰組(つめぐみ)」であるなど、随所に禅宗様の特徴を見る事ができます。

本堂以外にも見どころ盛りだくさん

写真:木村 岳人

地図を見る

本堂の他にも、鑁阿寺の境内には鎌倉時代の後期に建てられた鐘楼(国の重要文化財に指定されています)や江戸時代前期に建てられた経堂(こちらも重要文化財!)、江戸幕府の第五代将軍である徳川綱吉の母、桂昌院(けいしょういん)が元禄5年(1692年)に寄進した多宝塔など、見どころが多くて飽きる事がありません。

境内に生える植物も多く、季節に応じて様々な表情を見せてくれるのも嬉しいところ。特に秋には本堂の手間にそびえる樹齢約500年の大銀杏が色鮮やかに黄葉し、目を見張るような光景を見せてくれます。まさにこれからの季節にピッタリな、時間をかけてじっくりと散策したい、オススメできるお寺なのです。

鑁阿寺のすぐ近くに残る、足利学校も併せてどうぞ

鎌倉時代から室町時代にかけて隆盛を極めた、足利氏の息吹きを感じる事ができる鑁阿寺。足利氏の館跡にして鎌倉時代からの寺院という二つの要素を併せ持つ、一粒で二度おいしい、なんともお得なお寺です。

鑁阿寺のすぐ近くには、これまた中世から近世にかけて栄えた足利学校が存在します。全国から学徒を集め、かの宣教師フランシスコ・ザビエルに「日本最大にして最も有名な坂東(関東)の大学」と言わしめた、由緒のある学校です。

新たに国宝となった本堂と多数の重要文化財を有する鑁阿寺、および足利学校をセットで周る事で、より満足感のある旅行ができる事でしょう。この秋は、ぜひとも足利をお訪ねアレ。

【鑁阿寺】
境内自由

【足利学校】
拝観料:一般400円、高校生210円

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

トラベルjp<たびねす>

トップページへ戻る

最新記事の購読はこちら

ソーシャルツールで最新記事を購読

× 閉じる
事業拡大のため、デザイナー、システムエンジニア募集中!国内最大級の旅行サイトを一緒に作りませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ