足元湧出の天然マーブル模様の浴槽!山形・赤倉温泉「三之亟」

足元湧出の天然マーブル模様の浴槽!山形・赤倉温泉「三之亟」

更新日:2016/06/30 19:04

温泉ソムリエぐっちのプロフィール写真 温泉ソムリエぐっち 源泉かけ流し温泉伝道師、温泉ライター
山形県の赤倉温泉は、小国川沿いに9軒ほどの旅館がある小さな温泉地。今回ご紹介するお宿は「三之亟」と書いて「さんのじょう」と読みます。歴史は古く、863年(江戸時代初期)に開業。日本秘湯を守る会会員の宿で、特にこちらの名物の岩風呂は圧巻です。

川沿いの小さな温泉地

川沿いの小さな温泉地

写真:温泉ソムリエぐっち

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赤倉温泉は、JR陸羽東線赤倉温泉駅が最寄り駅。小国川沿いにあり、9軒ほどの宿が立ち並ぶ小さな温泉街です。伝説によれば、慈覚大師円仁が貞観5年(863年)に、地元の村人が小国川の水で傷を負った馬を癒している姿を見て、錫杖で川底を突くと石の間から薬湯が湧き出たと言われています。

また、赤倉と言われるようになった由縁は、仏事に用いる水を意味する仏教語の「閼伽(あか)」、危険な岩場を指す「蔵」の2文字が「赤倉」となった説や、湯の中に人の垢(あか)を食べる虫がいて、それを「垢食い虫(あかくらいむし)」と呼んだことから「赤倉」となった説があります。

温泉街の中には飲み食い処もちょこちょこありますので、素泊まりでも楽しめる温泉地です。写真の右側手前の建物が今回ご紹介する「三之亟」です。

「三之亟」のロビーには名作椅子が!

「三之亟」のロビーには名作椅子が!

写真:温泉ソムリエぐっち

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「三之亟」のロビーは、ほっこりくつろげる和空間。その中でひときわ目を引くのが木製のベンチ状の椅子。これは世界的に有名なジョージ・ナカシマ氏の作品。現在はアメリカの工房と香川県の桜製作所のみでジョージ・ナカシマ氏の家具を作っているのですが、「三之亟」の椅子は生前のジョージ・ナカシマ氏時代のもののようで大変貴重です。

そんな名作の椅子に腰かけて、ゆっくりと時間を過ごすのも「三之亟」ならではの楽しみです。

「三之亟」名物の岩風呂

「三之亟」名物の岩風呂

写真:温泉ソムリエぐっち

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「三之亟」は、なんと言ってもこちらの内湯の浴室「岩風呂」です。混浴ですが、時間帯によっては女性専用タイムもありますので、女性の方もご安心して入浴出来ます。

体育館のように広い空間は、とても野趣に溢れ、圧倒されるような空間です。少々古さは否めませんが、それも「三之亟」の歴史として感じられます。2つ連なった浴槽は、江戸時代に手作業で岩を削りだして作られたそうで、この浴槽の内部より温泉が湧き出しています。

さらに、源泉そのままでは熱すぎる為、小国川に源泉をパイプで誘導し、適温に下げた上で浴槽に掛流されています。ですので、空気に触れない(酸化されない)湧きたての新鮮な貴重な温泉に浸かることが出来ます。

そして、浴槽の底は岩模様がまるでマーブル模様のように美しく、日本に多々ある温泉でもかなり珍しいと思われます。さらに奥の階段を上がると打たせ湯もあります。
湯は、無色透明のほぼ無臭の硫酸塩泉です。

「三之亟」の川沿いにある露天風呂

「三之亟」の川沿いにある露天風呂

写真:温泉ソムリエぐっち

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小国川沿いには露天風呂もあります。ただ、立地的に川向こう岸に建物があるため、露天風呂の川側は簾が掛けられ眺望は望めませんが、開放感が味わえます。また、露天風呂に注がれるお湯は、岩風呂とは異なる源泉が使われています。

ただ、泉質は同じ硫酸塩泉ですので、違いはそこまでは感じられないと思いますが、内湯と露天風呂では温泉の楽しみ方や感じ方が異なりますので、その違いを楽しめるのは有難いです。

「三之亟」は日帰りも良し、泊まるも良し

「三之亟」には、岩風呂・露天風呂以外にも小さいながらのも貸切風呂もあります。ひょうたん型をした浴槽からは湯が掛け流されています。立ち寄り湯(日帰り入浴)は10:00〜16:00までとなります。

また、この時間帯、名物「岩風呂」は混浴タイムとなりますので、女性の方であれば宿泊されて、女性専用タイムに入浴されるのがよろしいかと思います。また、宿泊の場合もスタンダードプランから湯治プランまで用意されているので、ご希望に沿った宿泊プランをお選び頂けます。

本物の温泉や田舎情緒を味わいたい方にはぴったりのお宿です。

◆三之亟
【住所】山形県最上郡最上町大字富沢884
【泉質】カルシウム・ナトリウム−硫酸塩温泉
【湯の使い方】源泉かけ流し(加水状況によりあり・加温なし・消毒なし)

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/26−2013/05/27 訪問

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