写真:彰 伴治
地図を見る「慶明丸」は南三陸町戸倉地区の波伝谷(はでんや)という、海と山に囲まれた静かな場所にひっそりと建っています。ここは町で最も規模の大きいホテル"南三陸ホテル観洋"からも、町の屈指の景勝地である"神割崎"からも車で10分ほどの場所にあり、観光の合間の食事処としてもとても便利なところです。
建物は平屋で小さく30人ほどしか入ることが出来ません。この店の女将であり語り部もつとめる三浦さき子さんは、お客さん一人一人に語りかけ心のこもったおもてなしをしたいと、この小さな建物でレストランを再開しました。
「浮き玉語りと海ごはんツアー」の集合場所はここ慶明丸現地となります。
写真:彰 伴治
地図を見る慶明丸は海も山も近いことから旬の山海の幸を提供する"農漁家レストラン"と呼ばれています。レストランといっても店内は昔ながらの食堂の雰囲気。全く気取ることなくリラックスして過ごせる雰囲気です。
店内には著名なチェンソーアーティストが制作した看板や、開店当時のポスターなどが掲示されて目を楽しませてくれます。"一期一縁"は出会いと縁を大切にする三浦さんのモットーです。
写真:彰 伴治
地図を見る店内の一番奥に飾られているのが「奇跡の浮き球」。浮き球とは漁網を浮かせるために使う、中が空洞となっている球状の漁具。震災前は「慶・明・丸」と三つ繋げて店の看板としていました。慶明丸とは三浦さんの亡くなられたご主人の舟の名前。そして"慶"の文字はご主人の名前の一文字です。
ご主人の形見であったこの浮き球も店と共に津波で流されてしまいました。しかし一年後の2012年3月、写真中央の浮き球が5000キロも離れたアラスカで発見され、サッカーボールなど別なものを映していたテレビの画面の片隅に偶然映ったことをきっかけに、テレビ局やアラスカの発見者など多くの関係者の協力により奇跡的に三浦さんの手元に戻って来ました。
右側の浮き球は町内のガレキの中から発見されたもので、こちらも"慶"の文字が書かれたものだけが発見されました。
写真:彰 伴治
地図を見る慶明丸の食事の材料は地全て地元産の海と山の幸。その日に取れた生きの良い魚介類と、旬の山菜などをふんだんに使った手料理は言葉にできない程美味しく感動します。
特に南三陸町特産の銀鮭の塩焼きにタコの刺身、殻付きで提供されるウニは絶品。そして好き嫌いの激しいホヤは「絶対に食べられない。」と言っていた人達が「これなら食べられる。」と言って食べてしまうほど、他で食べるものとは全く違うものです。
更に、食事の最後に提供される炊き込みご飯は、何種類もの山海の幸のうま味があふれ、ご飯だけで何杯もおかわり出来てしまうほどの美味しさです。
ツアーの食事時間は約1時間となっており、食事の材料や作り方を聞いたりしながらゆっくり食べることが出来ます。
写真:彰 伴治
地図を見る食事の後は三浦さき子さんの震災語り部を聞きます。
震災前のこの地区の様子、震災時の避難、津波で家も店も流れて行く様子、避難所生活、仮設住宅での暮らし、そして浮き球が見つかり手元に戻ってくるまでの奇跡の連続、レストラン再オープンまでの苦労や喜び、そしてボランティアの人達への感謝など、言葉を詰まらせながら語る三浦さんの語り部は涙なしでは聞くことが出来ません。
語り部の時間は約40分間ですが、語り尽せず聞きつくせない感動のお話は、三浦さんのお人柄により時間を延長して頂くことが多くなっています。
いかがでしたか?
慶明丸は小さなお店ですが、その素晴らしい食事と語り部は大きな感動を与えてくれます。リピーターも多く震災から5年以上が過ぎた今でも、週末は多くの観光客やボランティアが訪れ賑わっています。
今回ご紹介した「浮き球語りと海ごはんツアー」は10名以上での予約が必要で、関連MEMOに記載した「南三陸観光協会の開催中のツアー・プログラム」からのお申込みが必要です。
食事の内容については、旬の食材を使うので常に変わることをご了承下さい。また、ご飯は炊き込みではなく海鮮丼を選択することも出来ます。料金はお一人2000円(2016年6月現在)の設定となっていますが、せっかく行くのだから食事をもっと豪華にしたいという方は、海の幸が更にグレードアップする3000円のコースが予約可能な場合があるので、予約時にご確認下さい。
なお、食事のみの場合は人数に関係なく予約が可能です。その場合は慶明丸へ直接ご連絡をお願いします。連絡先は関連MEMOに記載した「農漁家レストラン 慶明丸」のページにある電話番号へお電話をお願いします。食事だけの予約でもお店の状況によっては三浦さんのお話を聞くことが出来ることもあります。
この記事の関連MEMO
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(2024/3/19更新)
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