今回ご紹介する「河津平安の仏像展示館」は、伊豆急「河津駅」から約25分程離れた河津町谷津地区にあります。河津町は、早咲の桜で知られる「河津桜」が有名ですが、平安時代から仏教文化が花開き栄えていたところでもあるんです。谷津地区に古くから鎮座する「南禅寺(なぜんじ)」は、平安時代に作られたとされる仏像を多数収められ、県内最古の仏像とされる南禅寺の本尊「薬師如来坐像」を筆頭に、学術的・美術的に大変貴重な24体の仏像群が所蔵されていました。
「河津平安の仏像展示館」は、この南禅寺の敷地内にある施設。南禅寺に収められていた仏像を展示し、これまで一般には、公開できなかったものまで一挙に展示する関東・東海地区では珍しい展示館です。県指定有形文化財11体。町指定有形文化財13体の貴重なものばかり見られるので、仏像マニアにとってはきっとたまらないところです。
展示館に行く前に見ておきたいのが、こちらの南禅寺です。このお寺は、749年に僧の「行基」が「那蘭陀寺(ならんだじ)」というお寺を作りましたが、1432年に山崩れで寺が埋没。その後、1541年に「南禅和尚」が堂を建てたことにより「南禅寺」になりました。
山崩れが起きた際、寺にあった仏像は土砂に埋まってしまいましたが、地中から掘り出され、再建された南禅寺に収められました。展示館で見られる仏像は、災害を乗り越え蘇った仏像ばかりです。お次は、展示館を覗いてみましょう!
展示館に入って、まず最初に見ておきたいのは、正面にいる「薬師如来坐像」です。この「薬師如来坐像」は、南禅寺の本尊として祀られていた重要な仏像で、県有形文化財に指定。平安時代前期に作られた県内最古のもので、人々の病気を癒し、国の災いを救う仏として崇められています。なので失礼がないように、ここで一度手を合わせてから次の仏像を鑑賞するのがポイント。
展示館には、薬師如来を取り囲むように、僧形座像・不動明王坐像・地蔵菩薩立像などの仏像が展示されていて、源頼朝が拝んだとされる伊豆横道三十三所観音霊場の本尊「十一面観音立像」。ヨーロッパを巡る展示会に出品され、ギリシャ彫刻に匹敵すると絶賛された「二天立像」などの名品も展示されているので、忘れずに見ておきましょう。平安時代の貴重な仏像群が見られ、中には、顔が見えないくらい損傷が激しい凄みのあるレア度満点の仏像も見られてしまいます。
ここは鑑賞するだけでなく、仏像に直接触れられてしまうのも魅力の一つ。通称「おびんずる様」と呼ばれる「僧形坐像」があり、撫でると無病息災や健康長寿に御利益があるとされています。平安時代に作られた希少なもので、本来であればガラスケースに入れて保管されるような仏像に、特別に触ることができるので、是非探して触ってみて下さいね。
足の不自由な方や車椅子の方は、展示館前の障害者専用駐車場まで車で行くことができるので、ご利用の際は事前連絡をお勧めします。館内は、写真撮影は禁止。他の見学者がいる場合など、私語を慎むなど鑑賞する際は、マナーを守って下さいね。
ご紹介した「河津平安の仏像展示館」は、心が研ぎ澄まされるかのような空間で、平安時代の希少な仏像を間近で見られるところなので、是非一度足を運んでみませんか?
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