千鹿谷鉱泉旅館は秩父の中心地、小鹿野町にひっそりと佇む鉱泉旅館。辺りは山に囲まれ、虫や鳥の鳴き声以外には何も聴こえない静かな場所にあり、今なおこんこんと良質の温泉が湧き続けています。
千鹿谷鉱泉旅館は宿泊はもちろんのこと日帰り入浴も受け付けており、日々県の内外から入浴客が訪れるそう。最近ではたびたび外国人の入浴客や一人旅の女性客も訪れるそうで、これもひとえに温泉とその立地のなせる魅力と言えるでしょう。
千鹿谷鉱泉旅館へお車で行くには関越自動車道花園I.C.を降り、国道140号線で皆野町へ。さらに県道37号線をしばらく行くと上吉田駐在所のあるT字路があるので、そこを約1kmほど直進すると左側に「千鹿谷鉱泉旅館」と書かれた古びた看板があるのでそこで左折します。そこから更に道なりに行くこと約1kmで千鹿谷鉱泉旅館に到着します。
場所で言えば県道からさほど離れておらず、近くに民家はあるもののその雰囲気は秘湯と呼ぶには十分なものです。静かな山間の宿で最高の温泉を楽しみましょう。
入り口を入るとそこには女将さんの置き手紙が。そう、ここでの日帰り入浴はこの無人スタイルが通常なのです。女将さんは日中どこかに出かけているらしく、訪れたお客さんは代金をその場、もしくは代金入れに置いて、写真右にあるファイルの用紙に人数、性別、感想などを書いていくという変わったスタイルになっています。
その他タオル類もあることはあるのですが、作りが薄いため持参したほうが良いかもしれません。
入浴代は大人一人700円、休憩付きで1000円となっており、宿泊の場合は二食付きで7560円、一食付き5400円、素泊まりで4000円となっています。なお、女将さん一人で切り盛りしている宿のため、いつでも食事付きで泊まれるわけではないとのことなので、その辺はお電話にてご確認ください。
さて、日帰り入浴に関してはこのような無人スタイルでの営業のため、そこで重要になってくるのは利用者の良心やモラルの問題になってきます。これからも末長くこの温泉に浸かれるよう、代金はかならず払ってから気持ち良く利用しましょう。
少々狭めの脱衣所から浴室に入るとこれまた狭めの浴槽と洗い場が現れます。床は板張り、浴槽はタイル張りで鄙びた雰囲気は抜群ですが、浴槽も洗い場も大人二人が入ったら一杯くらいの広さです。洗い場にはシャンプー・リンス・ボディソープなど一通り揃っていますがシャワーはないのでカランでケロリン桶にお湯を汲んで流します。浴槽内はもとより、このカランや通路にある洗面所の蛇口から出る水も全て源泉で、贅沢に使うことができます。
温泉は加温・循環していますがその泉質は損なわれておらず驚異のぬるスベで、柔らかくトロリとしたお湯は秩父七湯に数えられる理由を教えてくれます。女将さんの話によると、ボディソープで体を洗った後にカランから出る源泉で何度流してもずっとヌルヌルしてるので、ボディソープがまだ完全に流れていないのかと思ったら源泉のヌルヌルだった、という経験をするお客さんが多いとのこと。
そんな驚異のヌルヌル感を持つ温泉ですが、湯上りは非常にさっぱりしており肌もしっとりスベスベになっているという女性には特に嬉しい内容になっています。先にも書いた通り洗面所の蛇口からも源泉がでるため飲泉も可能なので、体の中からも千鹿谷の湯を味わうことができます。
千鹿谷鉱泉旅館は温泉好きの間ではよく知られた宿で、温泉はもとより宿自体の鄙びた感じや女将さんの人柄によって多くの温泉好きを魅了しています。
ただ鄙びた、という言葉も人によってはあまり良い意味で捉えられない場合もあります。設備やサービスが充実しているか、建物が新しいかなど、そういった部分を温泉選びの眼目としている方には「千鹿谷鉱泉旅館」は少しはずれてしまうかもしれません。
しかしそれでも多くの温泉好きや旅人を魅了するにはそれだけの理由があるというものです。東京から比較的近い観光地にこれだけ素晴らし温泉があるのですから、一度行ってみない手はありません。是非とも最高の湯に浸かる喜びを味わいに行ってみてくださいね。
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(2024/4/20更新)
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