大阪の下町歓楽街「十三」を冒険しよう!安心の厳選4店はココ!

大阪の下町歓楽街「十三」を冒険しよう!安心の厳選4店はココ!

更新日:2019/01/22 12:45

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者
関西圏以外の人は、この珍しい数字だけの地名「十三」を「じゅうそう」と読めないのではないでしょうか。京阪神の大動脈・阪急電鉄の梅田駅から2つ目の駅。京都・神戸・宝塚への分岐点である十三は、歓楽街として名を馳せてきましたが、実は古くから交通の要所として人々の集まる町でした。2014年の火災から立ち直り、ますます元気でお財布に優しい十三。関西に来たなら、ちょっと探検気分でお出かけされてはいかがでしょう。

大阪キタの中心地・梅田を見渡すのどかな河原

大阪キタの中心地・梅田を見渡すのどかな河原

写真:SHIZUKO

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十三は、淀川を挟んで大阪キタの中心地・梅田の対岸に位置しています。阪急電鉄の乗換駅ということもあり、多くの人にとっては通過点に過ぎない駅かもしれません。でも、一度、電車を降りて東西に2箇所ある改札を出てみてください。そこには、とても活気のある商店街が広がり、お好み焼屋さんなどからそれはそれはいい匂いが漂ってきます。

大阪キタの中心地・梅田を見渡すのどかな河原

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十三探検の第一歩、まずは、淀川に行ってみましょう。

交通量の多い国道沿いに5分も歩けば十三大橋に出ます。毎年8月に盛大に開催される「なにわ淀川花火大会」の会場になる場所。

静かに流れる川の向こうに見える西日本一の街は、活気にあふれ、元気いっぱい。昼間の風景はどこかのどかですが、夜景はまた、ひときわ美しい。そして、実は、ここは初日の出のスポットでもあるんです。ビル街から昇る初日の出は、今年も一年、頑張って働こう! っていう気持ちにさせてくれます。

「ねぎ焼き」は、ここ、十三の栄町から始まった

「ねぎ焼き」は、ここ、十三の栄町から始まった

写真:SHIZUKO

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河原を後にして、さっそくおいしいものを食べに行きましょう。

一番のおすすめは「ねぎ焼き」です。地元の人も足しげく通う名店が「栄町商店街」にあります。「栄町商店街」は、バブルのころには関西でも有数の風俗店の密集地でした。今も、日が暮れるときらびやかなネオンが賑やかですが、一時期に比べれば少し寂しくなった印象はぬぐえません。その分、遊びに行きやすくなったとも言えます。

「ねぎ焼き」は、ここ、十三の栄町から始まった

写真:SHIZUKO

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ねぎ焼きは、お好み焼き屋さんに行けば、メニューに見かけることも多いヘルシーな粉もん(大阪人のソウルフード!)。お好み焼やもんじゃ焼き、たこ焼きと並ぶ一般名詞のようですが、発祥はここ、十三の「やまもと」というお店。商標登録もされています。

普通、お好み焼はキャベツを使いますが、キャベツの代わりに大量の青ネギを使って焼き上げます。焼き方は、広島焼きのように、溶き小麦粉を薄く広げた上に、ねぎと豚肉やイカなどの好みの具材をのせ、紅ショウガを散らし、蓋をして蒸しながら焼いたもの。お勧めは「すじコン」。

ねぎ焼き元祖の「やまもと」では、お店の方が一枚一枚焼いて下さいます。焼き上がりに醤油を塗って、レモンをギュッ! これがうまさを格段に引き出してくれます。

<ねぎ焼きやまもと本店の基本情報>
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1-8-4
電話:06-6308-4625
アクセス:阪急全線十三下車徒歩5分

「ねぎ焼き」は、ここ、十三の栄町から始まった

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「やまもと」のそばには、十三発祥で、関西と東京近郊に多くの店を展開している「がんこ」というお店もあります。ねじり鉢巻きをした頑固おやじの看板がトレードマーク。もともとは、この町のちいさなお寿司屋さんでした。「美味しくて安い、そして楽しい」お店を頑固に展開して、今では、郊外に「お屋敷」と呼ばれる高級和食店も展開されています。

細い路地の名店・二軒

細い路地の名店・二軒

写真:SHIZUKO

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十三駅前は、西側にも東側にも活気いっぱいの商店街が広がっています。西口改札を出て右側を見れば、線路沿いに通称「ションベン横丁」と呼ばれる通りがあります。

ションベン横丁から20歩ほど直進すると、またまた左右に路地があります。左側の路地には「十三西口商店街」と名前がありますが…。右側は、特に名前もありません。が、地元の常連さんが多いリーズナブルなお店がいっぱい並んでいます。一瞬、入りづらく感じるでしょうが、そこは冒険。一歩足を踏み入れれば、皆さんとってもフレンドリー。

細い路地の名店・二軒

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なかすじと呼ばれるこの商店街、2014年3月7日早朝に起きた火事で全焼。一度は消滅してしまいました。路地の狭さなどが問題となり、なかなか再建が難しかったのですが、火事から2年後に道幅を広げて再スタートが切られました。上の写真は火事の前のもの。下の写真は、ほぼ同じ位置から撮った現在のものです。

「十三屋」の位置が同じです。大阪人が食べたがるお酒にあうおかずがいっぱいのお店。再建後も活気と笑い声であふれるお店です。冒険心に火がつくお店。価格的には何の心配もないので、扉を開けてみてはいかがでしょうか。

<大衆酒場十三屋の基本情報>
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目2−3
電話:06-6309-8816

細い路地の名店・二軒

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写真の十三屋さんから少し進むと、一番おすすめしたいお店「十三トリス」があります。創業60年。多くのサラリーマンが心を癒され、明日への活力を養っている老舗バーです。

火事の後、北新地でもお店を開店されましたが、現在は元の位置で前と変わらず営業されています。

一人で飲むもよし、一杯だけ飲むもよし。しばらくマスターと話しながら飲むもよし。女の一人飲みも安心なお店です。

<十三トリスの基本情報>
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目2-7
電話:06-6301-4826
アクセス:阪急全線十三駅西出口より徒歩1分(45m)

安心して飲める店は、庶民の味方

安心して飲める店は、庶民の味方

写真:SHIZUKO

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では、もう一度、駅前に戻って西口商店街に行ってみましょう。初めての人にとっては、路地が狭いので「ここを歩いても大丈夫?」と心配になるかもしれません。

でも、この路地に名店「富五郎」があります。

安心して飲める店は、庶民の味方

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キャッシュオンデリバリーの明朗会計。つまり、テーブルに置かれたアルミ皿に、オーダーするたびに現金を置いて、商品と引き換えに精算してくれるシステムです。

十三の老舗のこのお店には、各方面への乗換駅ということもあって、大学教授や芸人さん、舞台関係者やミュージシャンなど、多種多様の富五郎ファンが夜な夜な集結。うまくすれば有名人にも出会えるチャンスのあるお店。ちなみに、マスターは画家としても有名な方です。

広いカウンターと奥にテーブルが4つ。団体さん用の部屋もあります。お店で作る「厚揚げ焼き」や「小鯵のから揚げ」など、ここでしか食べられないものもいっぱい。一番のおすすめは「納豆スペシャル」。納豆にまぐろ・キュウリ・山芋などが色よく入っていて、とっても美味しいんです。納豆嫌いの人が、納豆スペシャルを食べて、納豆が好きになったこともあるくらいです。

<富五郎の基本情報>
住所:大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目1−13
電話:06-6305-0356
アクセス:阪急全線十三駅西出口より徒歩1分

絶えることなく大阪を支え続ける淀川

絶えることなく大阪を支え続ける淀川

写真:SHIZUKO

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淀川は、古来から京阪神の大動脈。都・京都と大阪をつなぐ舟運が、流域の町々を発展させてきました。淀川がなければ、大阪の今の発展はなかったでしょう。川幅400メートル強のこの川に橋がないころ、いくつかの渡し船の発着場がありました。その13番目の渡しがここにあったので「十三」という地名になったとか。

大都会の中に、いまだにのどかに残る自然。河川敷で野球をしたり、ジョギングをしたり、犬の散歩をする人も多くいます。橋の上には車がひしめき、騒々しいですが、河原に降りるととても静か。涼しい川風が心地いい。釣り糸を垂れる人もいます。実は、淀川では今でも「しじみ」が取れます。漁業協同組合もあります。

広くてゆったりと流れ続ける淀川。淀川に限らず、川の流れを見ていると、不思議と心が落ち着いてきます。そんな淀川のそばの十三を、ぜひ、冒険してくださいね。

おわりに

庶民の街・十三は、とてもフレンドリーな街。地元密着の大阪らしい街の雰囲気を楽しめる街です。駅前に商店街が多いので、人の流れも多く、とても活気があります。

その分、下町色が強く、観光客や若い人は、梅田に流れてしまうようですが、ご紹介しきれない美味しいものがいっぱい。しかも、とてもお手軽に食べることができますから、ぜひ、一度は訪れてほしい街です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/03 訪問

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