『十三』と書いて『じゅうそう』と読む大阪の歓楽街は、意外と庶民的。美味しいお店もいっぱい!

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『十三』と書いて『じゅうそう』と読む大阪の歓楽街は、意外と庶民的。美味しいお店もいっぱい!

『十三』と書いて『じゅうそう』と読む大阪の歓楽街は、意外と庶民的。美味しいお店もいっぱい!

更新日:2015/04/25 15:24

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

関西圏以外の人は、この珍しい数字だけの地名『十三』を『じゅうそう』と読めないのではないでしょうか。京阪神の大動脈・阪急電鉄の『梅田』駅から2つ目の駅。京都・神戸・宝塚への分岐点にある十三は、歓楽街として名を馳せてきましたが、実は古くから交通の要所として人々の集まる町でした。お財布に優しい名店も多くあり、関西に来られた時に、ちょっと探検気分でお出かけされてはいかがでしょう。

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大阪キタの中心地・梅田を見渡すのどかな河原

大阪キタの中心地・梅田を見渡すのどかな河原

写真:SHIZUKO

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十三は、淀川を挟んで大阪キタの中心地・梅田の対岸に位置しています。阪急電鉄の乗換駅ということもあり、多くの人にとっては通過点に過ぎない駅かもしれません。でも、一度、電車を降りて東西に2箇所ある改札を出てみてください。そこには、とても活気のある商店街が広がり、お好み焼屋さんなどからそれはそれはいい匂いが漂ってきます。

改札を出て、まずは、淀川に行ってみましょう。

交通量の多い国道沿いに5分も歩けば十三大橋に出ます。毎年8月に盛大に開催される『なにわ淀川花火大会』の会場になる場所。

琵琶湖から流れ出る大阪の母なる川・淀川は、大阪人の命の川。自然が残る河川敷は『淀川河川公園』として、多くの人々に親しまれている、都市の中に残されたとっても貴重な安らぎの空間です。野球場やサッカーグランドもたくさん整備されています。最近では珍しく、指定場所であればバーベキューも可能なので、家族連れにも大人気。

十三の河川敷から対岸を見れば、大阪の中心地・梅田のビル街が見渡せます。今、話題の『グランフロント大阪』も見えます。

静かに流れる川の向こうに見える西日本一の街は、活気にあふれ、元気いっぱい。昼間の風景はどこかのどかですが、夜景はまた、ひときわ美しい。そして、実は、ここは初日の出のスポットでもあるんです。ビル街から昇る初日の出は、今年も一年、頑張って働こう! っていう気持ちにさせてくれます。

『ねぎ焼き』は、ここ、十三の栄町から始まった

『ねぎ焼き』は、ここ、十三の栄町から始まった

写真:SHIZUKO

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河原を後にして、さっそくおいしいものを食べに行きましょう。まず、一番のおすすめは『ねぎ焼き』です。地元の人も足しげく通う名店が『栄町商店街』※にあります。

ねぎ焼きは、お好み焼き屋さんに行けば、メニューに見かけることも多いヘルシーな粉もん(大阪人のソウルフード!)。お好み焼やもんじゃ焼き、たこ焼きと並ぶ一般名詞のようですが、発祥はここ、十三の『やまもと』というお店。商標登録もされています。

普通、お好み焼はキャベツを使いますが、キャベツの代わりに大量の青ネギを使って焼き上げます。焼き方は、広島焼きのように、溶き小麦粉を薄く広げた上に、ねぎと豚肉やイカなどの好みの具材をのせ、紅ショウガを散らし、蓋をして蒸しながら焼いたもの。最も人気がある具は、牛筋とコンニャクを甘辛く炊いた『すじコン』。ねぎ焼き元祖の「やまもと」では、お店の方が一枚一枚焼いて下さいます。

そして、焼き上がりに醤油を塗って、レモンをギュッ! これがうまさを格段に引き出してくれます。お昼時や夕方は行列ができていることもありますが、少し時間を外せば、割とすんなり食べることができますので、ぜひ、行ってみてください。

「やまもと」のそばには、十三発祥で、関西と東京近郊に多くの店を展開している『がんこ』というお店もあります。ねじり鉢巻きをした頑固おやじの看板がトレードマーク。もともとは、この町のちいさなお寿司屋さんでした。「美味しくて安い、そして楽しい」お店を頑固に展開して、今では、郊外に「お屋敷」と呼ばれる高級和食店も展開されています。

※『栄町商店街』は、バブルのころには関西でも有数の風俗店の密集地でした。今も、日が暮れるときらびやかなネオンが賑やかですが、一時期に比べれば少し寂しくなった印象はぬぐえません。その分、遊びに行きやすくなったとも言えます。

駅前に戻って、細い路地を探検

駅前に戻って、細い路地を探検

写真:SHIZUKO

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十三駅前は、西側にも東側にも活気いっぱいの商店街がいくつも広がっています。商店街の元気さでは、長さが日本一の天神橋筋商店街にも引けを取らない感じ。でも、一つ違うとすれば、飲み屋さんの多さと支線のような細い路地があることでしょうか。

西口改札を出て右側を見れば、線路沿いに細い路地があります。『十三焼き』やラーメン屋さん、立ち飲みがぎっしり。

ちなみに『十三焼き』とは、あんこの入った焼き餅で、淀川を渡し船が行き交っていたのどかな時代からこの地で親しまれている十三名物。パクパクっと食べられるちょうどいい大きさ。ほどよい焼き色がたまらない逸品です。

改札右側の路地に入らずに、20歩ほど直進すると、またまた左右に路地があります。左側の路地には「十三西口商店街」と名前がありますが…。右側は、特に名前もありません。でも、勇気を出して進んでみてください。なんとも庶民的な、お手ごろ価格のお店が並んでいますよ。立ち飲みではないけれど、地元の常連さんが多いリーズナブルなお店は、一瞬、入りづらく感じるでしょうが、そこは冒険。一歩足を踏み入れれば、皆さんとってもフレンドリー。

そして、もう少し進むと、一番おすすめしたいお店『十三トリス』があります。創業55年。多くのサラリーマンが心を癒され、明日への活力を養っている老舗バーです。一人で飲むもよし、一杯だけ飲むもよし。しばらくマスターと話しながら飲むもよし。女の一人飲みも安心なお店です。

と、とても素敵な場所でしたが、この商店街、残念ながら2014年3月7日早朝に起きた火事で消滅してしまいました。現在、再建協議中です。また、十三トリスは北新地に場所を移動して、営業されています。

安心して飲める店は、庶民の味方

安心して飲める店は、庶民の味方

写真:SHIZUKO

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では、もう一度、駅前に戻って西口商店街を左に行ってみましょう。

うーん…と、一瞬、躊躇される方は多いでしょう。初めての人にとっては、路地が狭いので「ここを歩いても大丈夫?」と心配になるかもしれません。

でも、この路地に名店『富五郎』があります。

キャッシュオンデリバリーの明朗会計。つまり、テーブルに置かれたアルミ皿に、オーダーするたびに現金を置いて、商品と引き換えに精算してくれるシステムです。これって、とっても気楽です。

十三の老舗のこのお店には、各方面への乗換駅ということもあって、大学教授や芸人さん、舞台関係者やミュージシャンなど、多種多様の富五郎ファンが夜な夜な集結。うまくすれば有名人にも出会えるチャンスのあるお店。ちなみに、マスターは画家としても有名な方です。

広いカウンターと奥にテーブルが4つ。団体さん用の部屋もあります。お店で作る『厚揚げ焼き』や『小鯵のから揚げ』など、ここでしか食べられないものもいっぱい。一番のおすすめは『納豆スペシャル』。納豆にまぐろ・キュウリ・山芋などが色よく入っていて、とっても美味しいんです。納豆嫌いの人が、納豆スペシャルを食べて、納豆が好きになったこともあるくらいです。

絶えることなく大阪を支え続ける淀川

絶えることなく大阪を支え続ける淀川

写真:SHIZUKO

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「川の流れはたえずして、しかももとの水にあらず…」川の流れを見ていると、思わずつぶやいてしまうフレーズ。

淀川は、古来から京阪神の大動脈。都・京都と大阪をつなぐ舟運が、流域の町々を発展させてきました。淀川がなければ、大阪の今の発展はなかったでしょう。

川幅400メートル強のこの川に橋がないころ、淀川にはいくつかの渡し船の発着場がありました。その13番目の渡しがここにあったので「十三」という地名になったとか。

大都会の中に、いまだにのどかに残る自然。河川敷で野球をしたり、ジョギングをしたり、犬の散歩をする人も多くいます。橋の上には車がひしめき、騒々しいですが、河原に降りるととても静か。涼しい川風が心地いい。釣り糸を垂れる人もいます。実は、淀川では今でも「しじみ」が取れます。漁業協同組合もあります。

広くてゆったりと流れ続ける淀川。淀川に限らず、川の流れを見ていると、不思議と心が落ち着いてきます。誰にでもなく「ありがとう」といいたくなるのが不思議です。

おわりに

庶民の街・十三は、とてもフレンドリーな街。地元密着の大阪らしい街の雰囲気を楽しめる街です。駅前に商店街が多いので、人の流れも多く、とても活気があります。

その分、下町色が強く、観光客や若い人は、梅田に流れてしまうようですが、ご紹介しきれない美味しいものがいっぱい。しかも、とてもお手軽に食べることができますから、ぜひ、一度は訪れてほしい街です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/03 訪問

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