写真：Hiroko Oji
地図を見るスイス・レマン湖の北東に位置するグリュイエール（Gruyeres）地方は、世界的に有名なチーズ「グリュイエールチーズ」でその名を知られる、牧歌的な風景に囲まれた緑溢れる地方です。
鉄道駅から田園風景を眺めながら小高い丘を上って行くと、１５分ほどで城壁に設けられた門に辿り着きます。この門をくぐった途端、石畳の風情ある通りが始まり、坂を上ると第２の門があり、可愛らしいグリュイエール村のメインストリートに導いてくれます。
メインストリートと言っても、端から端までほんの２００メートル程。通り中程の広場中央に、お花で飾られた８角形の噴水があり、両側には鶴が様々にデザインされた看板をぶら下げる、ホテルやレストラン、土産物屋の入る中世の家並みが続き、まるで絵本のような世界！グリュイエールの「グリュ」は、フランス語で鶴を意味し、このグリュイエール村のシンボルとなっているのです。お土産物屋さんにも鶴の形をしたものが並んでいます。
写真：Hiroko Oji
地図を見るスイスには名を知られた古城がいくつもありますが、グリュイエール城もその中の一つ！メインストリートの坂を上って行くと奥に歴史あるお城が控えています。
グリュイエール城は、１１世紀から１６世紀にかけて、グリュイエール伯爵家の所有でしたが、１５５４年、財政難のため手放す結果となりました。最終的に１９３８年以降、フリブール州が管理・維持するようになり、現在、城博物館として公開されています。
城内では、代々に渡って引き継がれてきた煌びやかで豪華な家具や調度品、タペストリーや絵画が展示された「執務室兼居室」や「コローのサロン」、当時の台所などが見られます。「騎士の間」には、グリュイエール地方の伝説と伯爵家の歴史的事件を描いた１３枚の連作壁画が展示されており、興味深いところです。又テラスには、小さな礼拝堂もありますので、中を覗いてみて下さい。シンプルですが、ステンドグラや消えかけのフレスコ画など、味があります。
写真は、モレゾン山とグリュイエール村を結ぶハイキングルートから見下ろしたお城と周囲の風景です。
写真：Hiroko Oji
地図を見る城内の窓や城壁の通路からは、美しいフランス式庭園が見下ろせ、周囲を取り囲む城壁、外側に広がる長閑な田園風景と、美しい人造湖として知られるグリュイエール湖、取り囲む山間の眺めが楽しめます。
庭園は、シンメトリックにデザインされ、手入れが行き届いており、色とりどりのお花が咲き誇っています。庭園からも緑溢れる風景が見渡せ、心和むひとときを過ごせますので、ゆっくりお散歩を楽しんでくださいね。
石造りの城壁に設けられた通路には、大砲台や馬車の荷台なども置かれていて当時が偲ばれます。
写真：Hiroko Oji
地図を見るグリュイエール村からバスに乗ること１５分ほどで、モレゾン（Moleson）村に行くことができます。ハイキングコースを辿って歩くこともできますが上りになるので、帰りの下り道を歩く方が、お城を含んだ田園風景が見渡せ、楽かと思います。
モレゾン村では１７世紀から伝わる手法でグリュイエールチーズを作る実演が見られるチーズ小屋があります。また、ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで、標高２００２メートルのモレゾン山の山頂まで行くと、それはそれは素晴らしい眺望が待っています。山頂付近ではパラグライダーを楽しむ人たちも多く、頂上駅からはハイキングもできますので、グリュイエール地方の長閑な風景を楽しみながら歩いてみて下さい。山頂からのお城の眺めは格別です！
写真：Hiroko Oji
地図を見る鉄道駅の前にあるチーズ実演製造所では、モレゾン村の伝統的製法とは違って、近代的な製法でのチーズ作りが見学できます。ガラス越しに見て回るのですが、普段目にすることのない風景ですので、是非お時間の調整をしてみて下さいね。出来上がった、夥しいほどのチーズが並ぶのも爽快な眺めです。販売コーナーには、様々な種類のチーズも売られていますので、試食してお好きなものを買って帰るのがお勧めです。
鉄道駅のあるグリュイエールへは列車利用が便利です。ジュネーブからなら途中２回の乗り換えで、２時間から２時間半で到着します。到着するのはシンボルの鶴のマークもあり、可愛らしい駅舎です。又この駅発着の列車車体にも鶴マークがあります。
駅前には、グリュイエール村中心地やモレゾン村へのバスが発着するバス停もありますので、時刻表を確かめてスケジュールを立ててくださいね。
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(2024/4/24更新)
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