今井町とは、橿原神宮から電車で2駅ほどの所にある寺内町です。寺内町(じないまち、じないちょう)とはお寺やお坊さんが修行する道場等を中心に作られた集落の事を言います。日本各地に寺内町は存在するのですが、この今井町ほど、当時の町並みがそのまま残っている所は他には無いといわれており、「重要伝統的建造物保存地区」(文化財の一種で最高の度合いを誇る文化財)に選定されています。
こういう歴史の町を散策する時はただ歩くだけではなくて、当時の情景をイメージしながら歩くと一層楽しさが増します。そういう視点で歩いていると、ちょっとしたオブジェをを見つけただけでも、どんどんイメージが膨らんできます。ですのでまず最初に今井町の歴史的な背景についてお話します。
今井町は一向宗(いっこうしゅう)という宗派の人達が集まって生活をしていた町で、当時天下統一を狙っていた織田信長とは対立をしていました。その信長に反発するために全国の一向宗の人達による一揆も頻繁に起こっていました。それがいわゆる一向一揆です。
今井町は周りを一周したとしても数十分で歩ける程のエリアで、それほど大きくはありません。それなのに当時戦国時代は周りに掘りを巡らしていて、このエリア内に入るには九つの門からしか入る事が出来ませんでした。今の価値観だと「何を大げさな」と思いますが当時は戦国時代。国内で領土争いをしていた時代ですから、様々な外敵がいました。町内を歩いてみると解りますが、非常に迷いやすい構造となっています。色々な工夫をしていたんだなという事がよく解ります。
ちなみに江戸時代には自分達のお札の発行が許されたり、警察権が与えられたりと自治都市として発展しました。相当な財力を持っていた事が解ります。
上の写真のように、掘りは今もこのように池として残っています。
今井町に到着したら、まずは何よりも先に鎮守社(ちんじゅしゃ)に参拝しましょう。
鎮守社とはその土地をお守りしてくださる神様がいる神社の事で、今井町を守ってくれている神社は春日神社になります。
ほとんどの方は語りませんが、この春日神社こそが今井町の最大の見所です。決して大きくはありませんが雰囲気がとても良く、子供達が新聞紙で作ったカブトをかぶりながら木の棒でチャンバラごっこをしている光景が目に浮かんでくる、そんな懐かしい感じがする神社です。お祭りの山車もしまわれていたり、絵馬の奉納が見事だったりと本当にこの地を守ってくださっているというのが感じる事ができます。
それでは散策しましょう。見所としては重要文化財に登録されているお家が8件あり、酒蔵と醤油の製造所が1件づつあります。(中に入る事が出来る家もあります)。所々にカフェやお茶屋があり、ベンチとトイレも点在しているので、ゆっくりと散策する事ができます。
古い町並みに身を委ね、昔の人はここでどういう暮らしをしていたのか?という事を想像しながら散策すると、タイムスリップしたような感覚になります。戦国時代、外敵から町を守る為に夜な夜な交代で見張りをしていた男達。江戸時代、商人の町として賑わっていた頃、軒先で世間話をする奥さま方。本当にそういう事があったかどうかはさておいて、私達は学者ではありませんから、自分の中で勝手に解釈をしても良いですし、それはもう妄想でも構わないのです。
ちなみにドラマでは、あさが結婚する前にのちの夫・新次郎と父正吉があさの実家を訪れる際、あさが子ども達と一緒に遊んでいるシーンなどで使われました。
残念ながら京都という設定ですが、ドラマ内のあさの旧姓は「今井」です。何かの縁を感じずにはいられませんね。更に言えば同じく朝ドラの『ごちそうさん』でも、大阪の町並みとしてこの今井町が使われていました。
今井町に訪れる際に気をつけて欲しい事があります。それは月曜日は避けて欲しいと言う事です。今井町には色々な史料館や案内所があり、文化財のお家に入る事もできますが、月曜日が休館の所が多いです。
せっかく訪れたのに閉まっていたでは、がっかりですので、くれぐれもご注意ください。
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(2024/4/26更新)
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