飯田おでんって知ってる?長野・飯田の元祖「丸現」は南信州の味のワンダーランド

飯田おでんって知ってる?長野・飯田の元祖「丸現」は南信州の味のワンダーランド

更新日:2016/06/16 20:38

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉旅ライター、ひとり湯治愛好家、栃木のいいとこ案内人
「飯田おでん」って食べたことありますか? 長野県飯田市の名物で、醤油ベースのネギだれをかけて味わうご当地おでん。その発祥の店が、飯田市街で戦後まもなくから営業している老舗居酒屋「丸現」です。店にはほかにも「おたぐり」「鯉料理」など、南信州でしか味わえない郷土料理の数々がいっぱい。信州の地酒とともに、カウンターで粋に味わってみませんか。

昭和20年代から受け継がれる元祖の味「飯田おでん」

昭和20年代から受け継がれる元祖の味「飯田おでん」

写真:野水 綾乃

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今ではほかの店にも広まり、すっかり飯田名物になった「飯田おでん」。丸現はその発祥で、現主人の祖父の時代に、ネギ好きのお客さんの要望に応えて作ったのが最初だそうです。

おすすめの具材は、豆腐、大根、玉子。ほかにも牛すじ、はんぺん、さつまあげ、こんにゃくなどがあり、お好みで盛り合わせにしてくれます。

上質な昆布と本鰹節でとるダシの味を大根や豆腐がよく吸っています。このダシ汁は毎日継ぎ足しながら使用。煮立たせることなく、湯気がかすかに立つ程度でコトコト煮るのがポイントだそうです。玉子も昆布の色が移り、真っ黒に。

そして合わせるのが、醤油に漬け込んだネギだれ。ほのかな甘みのおでんの美味しさを、ネギの香ばしい風味が活きたたれが引き立てます。

もうひとつの飯田名物「おたぐり」って何ぞや

もうひとつの飯田名物「おたぐり」って何ぞや

写真:野水 綾乃

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古くから日本有数の馬の生産地として知られ、馬肉の食文化が培われてきた信州。貴重なたんぱく源であった馬を余すところなく味わおうと、肉だけでなく、内臓も工夫して食べられてきました。その代表がもうひとつの飯田名物「おたぐり」です。

おたぐりは、馬の腸を長時間煮込んだもの。馬の腸はとても長く、20〜30mに達するそうで、それを手繰り寄せながら下ごしらえすることから、その名が付いたと言われます。

伊那地方では味噌味が多いのですが、丸現はあっさりとした塩味。豚や牛のモツ煮込みにはない、しっかりとした歯ごたえが感じられます。

「鯉の甘露煮」は内臓を楽しむのが通

「鯉の甘露煮」は内臓を楽しむのが通

写真:野水 綾乃

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鯉料理も、海から遠い信州のハレの日には欠かせない郷土料理です。

丸現では諏訪湖産の鯉を使用。内臓ごと輪切りにし、圧力鍋で煮るので骨まで柔らかくなっています。煮汁の味がしっかりと入りながらも、甘ったるくならないように気を付けているとのこと。川魚特有の泥臭さなどは一切なく、お酒とともに食べ進めたくなるような味わいです。

地元の人は特に内臓が好きで、そこから箸を付けるそう。身よりもねっとりとしたコクが感じられ、好物な人が多いのもうなづけます。(鯉の甘露煮はメニューにない時期もあります)

旅の夜が楽しくなるカウンターでの語らい

旅の夜が楽しくなるカウンターでの語らい

写真:野水 綾乃

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店内には座敷席もありますが、玄関に近いカウンター席が人気です。常連さんが次々とやってきて、あっという間に埋まってしまいます。女将さんや隣合ったお客さんと語らう時間も、旅先でふらりと入る居酒屋での楽しみですね。

カウンターの前には、おでん鍋のほかに、焼き鳥の焼き場があり、匂いが食欲をそそります。焼き鳥の味は3種から選ぶことができ、特ににんにくダレがお酒に合うと評判です。プチトマトを豚の三枚肉で巻いたプチトン、牛串など、鳥以外の串も楽しめます。

発祥の味・飯田おでんは通年食べられます

おでんというと冬のイメージがありますが、丸現の名物、ネギだれおでんは通年味わうことができます。ネギの風味でさっぱりといただけますので、ビールや地酒とともに、夏に味わってみるのもいいのではないでしょうか。

週末などは時間帯によって入店できない場合もありますので、予約をした方がベターです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/06 訪問

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