写真:Hiroko Oji
地図を見るヴィチェンツァの鉄道駅から、交通の要マッテオッティ広場へ向かう途中に、ひときわ賑やかな広場があります。シニョーリ広場と言って、観光の中心地となる所。バジリカが広場に面し、中央を埋める石畳の上には露店が軒を並べる、活気ある広場です。
なんといっても目を引くのは、堂々としたバジリカ。15世紀に建てられたゴシック様式のラジョーネ宮が基となる建物に、白大理石でできたアーチの間に柱梁の小間を配置した、パッラーディオの代表作です。ドーリア式とイオニア式の白い回廊が2段重なった、優美さの中にも力強さを感じる外観は見惚れるばかり。ここは、貴族や商人の集会所としても利用されていたことがあります。
シニョーリ広場には、バジリカより古い時計塔が建っています。ビサーラ塔(Torre Bissara)と言って、1174年にビサーリ家が建設を始め、その後所有者が市に代わり、14世紀に完成しました。世界で初めて市民向けの機械式時計を設けたこの時計塔は、高さが82メートルもあり、町歩きの目印にもなります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るバジリカの向かい、シニョーリ広場に面して建つのは、柱頭とスタッコ装飾の美しい建物「ヴェネツィア共和国総督官邸」です。
3連のアーチを持ち、4本の柱を飾る柱頭に、壁に施されたスタッコ細工の装飾の建物は、パッラーディオの設計なのですが未完のまま。未完とは思えない素晴らしい外観の官邸を眺めながら、広場でのんびりしたいものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るマッテオッティ広場そばに、オリンピコ劇場が建っています。1580年〜1585年にかけて、パッラーディオの設計によって屋内に造られた、「古代ローマの野外円形劇場」を模した世界で初めての屋内劇場です。
煉瓦造りの門をくぐると、これも煉瓦造りの建物が続き、壁面を蔦が生い茂る物静かな空間。建物の前にはたくさんの彫像が立ち並んでいます。建物の中に入った所のホールは、美しい装飾の壁が取り囲む空間ですが、さらに奥の、半円形というよりは楕円形の段状になった客席が見下ろす舞台が、小さいけれど目を瞠るばかりの素晴らしさ!
凱旋門風の列柱と彫像をはめ込んだ壁が舞台背景となり、舞台の奥に見えるのは、遠近法とだまし絵を巧みに使った舞台装置。客席からは、立体的に見えるようになっています。客席の背後を埋める壁面や欄干の手摺上にも、たくさんの彫像が配置され、音響効果も抜群の劇場です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るオリンピコ劇場の向かい、マッテオッティ広場に面する17世紀末に完成したこの宮殿は、パッラーディオ設計で、ジェローラモ・キエリカーティ伯爵のパラッツォ(邸宅)として建てられたものです。1839年、市当局がキエリカーティ家から買収・改修した後、1855年8月よりキエリカーティ絵画館として開館しました。内部にはヴェネツィア派やフランドル派の絵画がたくさん集められています。
オリンピコ劇場とキエリカーティ絵画館の両方を見学なさる場合は、共通入場券がありますので、どうぞご利用くださいね。購入はオリンピコ劇場で可能です。
パッラーディオの素晴らしい宮殿は、この他にもまだまだたくさんあります。駅からまっすぐ延びるローマ通りの先にある、ガスペリ広場から始まるパッラーディオ大通り。この通りに沿って、ヴァルマラーナ宮、旧市庁舎、ダ・スキオ宮などがあり、折れ曲がった通りにはディエーネ宮、ポルト・バルバラン宮といった、パッラーディオおよびその弟子による建築が眠っています。
パッラーディオ通りから一筋南に入った所にひっそりと建つのは、シンプルなファサードのドゥオーモ。これは「パッラーディアン様式」の建築スタイルではありませんが、また、宮殿群を見た後では、かなり質素な感じを受けますが、ここも目に留まる建物です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る日本ではあまり名の知られていないヴィチェンツァですが、この町は、ルネッサンス期の優雅さとパッラーディオ宮殿群の魅力に溢れています。鉄道駅から中心地へは徒歩圏内ですが、歩くのがちょっと・・・という方には、駅前からマッテオッティ広場へバス利用も可能です。特に建築に興味をお持ちの方は、興味がなくてもイタリアの町並みの雰囲気が好きという方は、近くに来られたら一度足を運んでみて下さいね。
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(2024/4/20更新)
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