がまだせ熊本!熊本城本丸「加藤神社」で復興祈願

がまだせ熊本!熊本城本丸「加藤神社」で復興祈願

更新日:2016/06/16 11:58

花村 桂子のプロフィール写真 花村 桂子 九州よかとこ探検家
平成28年4月熊本地震で甚大な被害を受け、立入が禁止されていた熊本城。6月8日より城内本丸「加藤神社」への通行が可能となり、お城を間近に見られるようになりました。屋根瓦は落下したものの、りりしくそびえ建つ大小2つの「天守閣」。石垣が崩れ、角石だけでなんとか支えられている「戌亥櫓」。地震の爪痕はあちこちにあるものの、町は人や車で賑わい、復興への意気を感じられる熊本城・加藤神社の今をご紹介します。

熊本城本丸に鎮座する「加藤神社」が参拝可能に

熊本城本丸に鎮座する「加藤神社」が参拝可能に

写真:花村 桂子

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熊本城は平成28年4月熊本地震以降、立ち入りが禁止されていましたが、復旧作業が整い、6月8日に新堀橋から加藤神社までの道路が開通。8時から夕方5時まで、車で通行できるようになりました(行幸坂への通り抜けは不可)。また、棒庵坂からは徒歩で、いつでも参拝可能です。

「加藤清正公(セイショコさん)」を祀る加藤神社

「加藤清正公(セイショコさん)」を祀る加藤神社

写真:花村 桂子

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熊本城本丸に鎮座する「加藤神社」は、熊本城を築城した肥後熊本藩初代藩主「加藤清正公(かとうきよまさ)」を祀る神社。

当時の肥後は、長引く戦乱で荒れ果てていましたが、清正公は土木・治水工事をはじめ、干拓・開墾など富国安民の国づくりを推し進め、熊本繁栄の礎を作り上げました。領民は清正公を慕って「セイショコさん」と呼び、今でも善政の事跡は「セイショコさんのさしたこつ(清正公のなさったこと)」と云われています。

今、熊本城をいちばん近くから見られる「加藤神社」

今、熊本城をいちばん近くから見られる「加藤神社」

写真:花村 桂子

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「加藤神社」は、境内からの熊本城の静観が「近望の名所」として雑誌等に掲載されるほどに有名。平成28年6月現在、石垣の上に建つ大小の「天守」や「宇土櫓(うとやぐら)」を、いちばん近くから見ることができるスポットです。

写真は熊本城「天守」。加藤清正公が築城した天守は本丸御殿(ほんまるごてん)とともに西南戦争時の火災で焼失し、これは昭和35年(1960年)に、総工費1億8,000万円をかけて、鉄筋コンクリートで外観復元されたもの。屋根瓦が落下し、石垣があちこち破損している様子がよく分かります。写真にはありませんが、隣に建つ四百余年前に清正公が築城し、西南戦争での焼失も免れた「宇土櫓(うとやぐら)」の鯱は、しっかりふんばっていました。

角石だけで支えられている「戌亥櫓」

角石だけで支えられている「戌亥櫓」

写真:花村 桂子

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加藤神社を出て、二の丸広場へと続く園路からは、熊本城を取り囲む石垣がよく見えます。無残に崩れ落ち、中の土がむきだしになった場所もあり、地震の威力のすさまじさをまざまざと見せつけられるよう。

写真は西出丸の戌亥(北西)に位置する「戌亥櫓(いぬいやぐら)」。足元の石垣は大きく崩れ、角石(すみいし)に、かろうじて支えられている状態。今にも崩れてしまいそうな危ういバランスは、見ているだけでドキドキしてしまいます。

加藤神社は「勝とう」神社

加藤神社は「勝とう」神社

写真:花村 桂子

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虎退治の逸話も残るほど、戦においては「負け無し」であったといわれる加藤清正公。加藤神社は、その名から「勝とう」神社とも云われています。地震をはじめ、目の前に立ちはだかる困難に「勝とう」とする、わたしたちの力になってくれるに違いありません。

戦国時代の戦は、現代でいうなら仕事でしょうか。写真は「仕事開運御守」。蛇の目模様が織り込まれた黒生地に、銀糸で清正公のシンボル長烏帽子形兜(ながえぼしなりかぶと)と片鎌槍が描かれた渋いデザイン。清正公の「勝とう」パワーが詰まっているようです。

がまだせ熊本!

熊本のシンボル、熊本城本丸の「加藤神社」。周辺道路には通行止めになっている場所もありますが、う回路などの案内が整備され、迷うことはありません。熊本市の繁華街は、多くの人や車が行き交い、活気を取り戻しつつあるように見えました。

加藤神社では、毎年七月の第四日曜日「清正公(セイショコ)まつり」が開催されます。見どころは神幸行列。宮出し・宮入れをはじめ、街中でのみこしの競演や、子どもたちが清正公に扮する千人清正は、カメラの被写体としても絶好です。平成28年は7月23(土)前夜祭、24(日)神幸祭。熊本地震の影響もあり、開催時間や内容、コース等が変更されることがありますので、関連MEMO「加藤神社」公式ホームページで確認してからお出かけくださいませ。

がまだせ、熊本!「がまだせ」は、熊本弁で「がんばれ」の意。今の熊本を訪れることも、復興支援のひとつの形ではないでしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/12 訪問

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