必見の日本三大盆踊り!秋田「西馬音内盆踊り」700年の歴史を最前列で体感しよう

必見の日本三大盆踊り!秋田「西馬音内盆踊り」700年の歴史を最前列で体感しよう

更新日:2019/08/08 13:02

藤田 聡のプロフィール写真 藤田 聡 温泉研究家、紅葉ガイド
西馬音内盆踊り(にしもない・秋田県羽後町)は、日本三大盆踊りの一つに数えられる歴史と伝統を誇る夏祭りです。日程は8月16日から18日の毎年固定日開催。人口約2万人の小さな町に、3日間で約10万人の観光客が訪れます。
編み笠や衣装の美しさに加えて、哀愁を帯びたお囃子や亡者踊りなど見所が多々あり、有名な「おわら風の盆」に勝るとも劣りません。西馬音内盆踊りの魅力と、おすすめの鑑賞法を紹介します!

篝火に沿って舞う!西馬音内盆踊り

篝火に沿って舞う!西馬音内盆踊り

写真:藤田 聡

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西馬音内盆踊りは、郡上踊り(ぐじょうおどり・岐阜県)阿波踊り(徳島県)とともに「日本三大盆踊り」と呼ばれ、発祥とされる正応年間の豊作祈願の踊りから700年以上の歴史と伝統を誇る夏祭りです。横手市の南西、湯沢市の西に位置する羽後町中心部で行われ、徒歩圏内に複数の有料駐車場を開設。公共交通機関で行く場合は、JR湯沢駅から路線バスで向かいます。

開催時間は毎日19時から23時まで。(最終日は23時30分)踊りは19時30分頃から開始され、最初の30分程は浴衣姿の子供も参加します。通りに複数設置された篝火を囲むように、細長い輪になって踊ります。盆踊り会館(写真中央)に演奏を行う囃子方が居るので、この付近での鑑賞がおすすめです!

踊り手が目前!最前列で鑑賞可能な仕切台が断然おすすめ

踊り手が目前!最前列で鑑賞可能な仕切台が断然おすすめ

写真:藤田 聡

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子供が居なくなると、西馬音内盆踊りの本番。深編み笠の女性が中心の「音頭」です。お囃子に乗せて、地口と呼ばれる歌も歌われます。独特な着物は「端縫い衣装」と呼ばれるもので、古いものでは江戸時代から先祖代々伝わるもの。色とりどりでカラフルな継ぎ接ぎが施された伝統的な衣装により、盆踊りが一層華やかになります。

写真でも分かる通り、客席最前列の目前で盆踊りが行われます。これは「仕切台」と呼ばれる有料観覧席で、ここからの鑑賞が断然おすすめ!今回掲載した写真も、全て仕切台から撮影したものです。仕切台の購入方法は、最後に紹介します。

彦三頭巾の「亡者踊り」

彦三頭巾の「亡者踊り」

写真:藤田 聡

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西馬音内盆踊りの最大の特徴が、写真の彦三頭巾(ひこさずきん)です。深編み笠は成人女性がかぶりますが、彦三頭巾は未成年女性や男性が着用します。衣装も端縫いではなく、絞り染めの浴衣です。盆踊りには元来、先祖の霊と一緒に踊る意義がありますが、彦三頭巾はそれを具現化した物とされ「亡者踊り」と呼ばれます。

なおネットで「西馬音内盆踊り」と検索すると、候補に「怖い」と出て来ます。この「亡者踊り」があるからだと思いますが、写真の通り決して怖い物ではありません。先祖の霊と一緒に踊る、実に楽しい盆踊りです!

祭りも最高潮!颯爽と舞う「がんけ」

祭りも最高潮!颯爽と舞う「がんけ」

写真:藤田 聡

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西馬音内盆踊りの後半に始まるのが「がんけ」です。お囃子の音色も一層哀愁を帯び、歌詞も奥深い「甚句」と呼ばれる物になります。踊りも大幅に変化して、定期的に一回転します。写真のように、颯爽と回転する様子が本当に格好良く、西馬音内盆踊り一番の見所です!

「音頭」は反時計回りに進むので左側を見る必要があり、右側は踊り手の後ろ姿になります。しかし、回転がある「がんけ」は左右どちらを見ても楽しめるので、まさに最高潮と呼ぶに相応しい賑やかさになります。

余談ですが、この踊り手さん。男性なのに深編み笠、深編み笠なのに絞り染めの浴衣で、装束の原則から意図的に変装しています。こういう方は相当の達人なので、要注目です!

「西馬音内盆踊り」は当日販売の「仕切台」で見よう!

「西馬音内盆踊り」は当日販売の「仕切台」で見よう!

写真:藤田 聡

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西馬音内盆踊りは、有料観覧席の購入がおすすめ。中でも「仕切台」と呼ばれる簡易指定席なら、最前列で見られます!通り沿いに並んだ木製の「平均台」のような物が「仕切台」で、一本に4名座れて5000円。うちわなどのグッズも4名分サービスされるので、断然お得です。2名の場合は、相席希望者を現地で探して共同購入する手もあります。

有料観覧席の当日販売時間は、毎日15時から盆踊り会館奥の図書館で販売開始。待ち行列が出来ているので、祭りは夜ですが午後一番に到着して仕切台を購入します。購入時に座席の場所を指定出来るので、早く並べば最前列での鑑賞も可能です!

西馬音内盆踊りは各地からの鑑賞バスツアーも多数催行され、3日間で10万人以上が訪れます。しかし、混雑が激しい「おわら風の盆」に比べれば半数以下。アクセスも楽勝で盆踊り会館から徒歩圏内に、複数の有料駐車場を開設。「おわら風の盆」とは対照的に有料観覧席が発達しており、無料では観覧席の隙間での立ち見。通路もほとんど無く移動も大変なので、有料観覧席の購入がおすすめです。

近年は全国的に有名な盆踊りでも、参加者と行政の対立がニュースになったりします。ここでは70年以上前に西馬音内盆踊保存会を結成。行政に依存せずに「自分たちの踊りを、自分たちの力で、自分たちのために継承」する会の姿勢も注目を集めています。

周辺観光も充実しており、B級グルメ「横手焼きそば」で知られる横手市に隣接。当日の昼食に最適です。隣接の湯沢市には「川原毛大湯滝」があり、巨大な滝の滝壺自体が天然温泉になっています。温度が低く夏しか入れない温泉なので、西馬音内盆踊りの時期がベストシーズン。いずれも別記事で詳細に紹介しましたので、是非ご覧下さい。(記事の最後にリンクあり)

「西馬音内盆踊り」の基本情報

開催日程:2019年8月16日(木)〜8月18日(土)(毎年固定日開催)
開催時間:19:00〜23:00(最終日は23:30まで)
住所:秋田県雄勝郡羽後町西馬音内本町108-1
電話番号:0183-55-8635(羽後町観光物産協会)
アクセス:JR奥羽本線湯沢駅から路線バス西馬音内線約30分、橋場下車徒歩約6分

2019年8月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/16 訪問

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