皇室御用達の味!更科蕎麦の元祖・東京「総本家更科堀井麻布十番本店」

皇室御用達の味!更科蕎麦の元祖・東京「総本家更科堀井麻布十番本店」

更新日:2016/07/12 12:19

吉田 彩緒莉のプロフィール写真 吉田 彩緒莉 タイホテル専門家、海外旅行ライター、海外旅行媒体ディレクター
三大蕎麦と言われる更科・藪・砂場。その中の一つ、更科蕎麦の元祖が1789年創業・総本家更科堀井です。本店は東京・麻布十番にあり、今も伝統の味を守り続けています。更科蕎麦とは蕎麦の実の中心のみを使用した、真っ白な蕎麦。上品で美しい蕎麦は、古くは江戸城、皇后や宮家の御用達にもなりました。蕎麦好きの皆さんは、東京に来たならぜひとも立ち寄るべき由緒正しい店ですよ!

「更科」と名の付く蕎麦屋は全て総本家更科堀井が大元

「更科」と名の付く蕎麦屋は全て総本家更科堀井が大元

写真:吉田 彩緒莉

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更科、と名乗る屋号の蕎麦屋は東京だけではなく全国にあると思います。実はそれらの元祖は麻布十番に本店を持つ総本家更科堀井から枝分かれしていったもの。とはいえ…古いビルの1階に、目立たぬ店構えで控えめに佇むこの店が、更科蕎麦の元祖と知る人は相当の蕎麦通です。同じ麻布十番にも他に更科、と名がつく店がありますが、そちらの方が店構えが立派…。

表向きで人を決めてはいけない!と、よく人間界ではそう教わります。まるで蕎麦界でもそれを伝えてくれるような…と言っては大げさでしょうか。いえ、それを身を持って教えてくれるような、存在ではありませんか!

空いていたのはオープン時間のみ。後は全ていつでも満席!

空いていたのはオープン時間のみ。後は全ていつでも満席!

写真:吉田 彩緒莉

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総本家更科堀井の本店で、更科蕎麦を食べたい…と言う人は口の肥えた麻布十番界隈の会社員や住民、わざわざ全国からやってくる人を含めると、大変なお客さんの人数になります。空いているのはオープンの時間だけ。あとはいつでもひっきりなしに伝統の味を求めてやってきた蕎麦好きで席が埋まってしまいます。

蕎麦屋というと慌ただしく食べるタイプの店もありますが、総本家更科堀井麻布十番本店は、落ち着いて食事ができる環境。椅子・テーブル席や、小上がり席、座敷、グループで使える個室もあり、様々なニーズに応えてくれるのがイイんです!和情緒を感じさせてくれる雰囲気なので、一品料理を楽しみながら、日本酒や焼酎をたしなみ、最後に蕎麦をいただく通な過ごし方が合いますよ!

これが本家本元の更科蕎麦!皇室や江戸城に愛された純白の蕎麦

これが本家本元の更科蕎麦!皇室や江戸城に愛された純白の蕎麦

写真:吉田 彩緒莉

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1789年から続く総本家更科堀井は、現在直系八代目店主である堀井太兵衛さんが引き継いでいます。蕎麦の中心部にある白い実を蕎麦にした真っ白で美しい蕎麦は、高貴なものとされ、古くは江戸城・皇室にも出入りをすることになったんですよ!ここではやはり元祖であるメニュー「さらしな」を注文しなくては…。

供されるその「さらしな」は光り輝くような純白!総本家更科堀井は、蕎麦のメニューによって蕎麦汁を変えるこだわりを持っていて、「さらしな」は甘口の特製蕎麦汁でいただきます。細くて柔らかいので、甘口の汁によくからみ、上品な味わいですよ。数百年前にこの店が生み出した蕎麦だと思うと感慨もひとしお。

自家製の石臼挽き粉で毎朝挽いた4種の蕎麦はいずれも絶品!

自家製の石臼挽き粉で毎朝挽いた4種の蕎麦はいずれも絶品!

写真:吉田 彩緒莉

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この店が元祖である「さらしな」を含め、自家製の石臼挽き粉で力強く打つ「もり」、そばの実を殻ごと引いた風味豊かな粉で打つ田舎風そば「太打ち」、「さらしな」に旬の味を練り込んだ「季節の変わりそば」の4種の蕎麦を出す総本家更科堀井。実は一番ファンの多い「もり」は1日7回、蕎麦を打っているそうなんです!

「もり」と「さらしな」の違いは色だけでも歴然。職人の力強い蕎麦打ちが生きた「もり」790円は、のど越しなめらかで、コシがあります。蕎麦の風味が好きな人は、「もり」の方が断然おすすめ。「もり」には力強さや素朴さに合った辛口の専用蕎麦汁を用意してくれます。蕎麦によってそばつゆを変えるのは、蕎麦の味を最大限に味わってもらうための配慮なんですって!さすがですねー。

なんだこの丸いビジュアルは?驚愕しながらかぶりつくかき揚げの味に昇天!

なんだこの丸いビジュアルは?驚愕しながらかぶりつくかき揚げの味に昇天!

写真:吉田 彩緒莉

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日本酒や焼酎と一緒に蕎麦を楽しみたい人に欠かせないのが蕎麦前。いわゆる、おつまみのようなものですが、そんな人は「かき揚げもり」(1,740円)を注文してみて!
添えられた「かき揚げ」は、この店の大人気メニューの一つです。テーブルに出てきてほとんどの人が驚くそのビジュアルは、丸く愛らしい外見!そして意外なほどに大きい…。

ここはお上品にではなく、がぶりと食いつきましょう。サクサクの衣の中に、海老がたっぷり。蕎麦汁をちょこっとつけていただけば、三つ葉の香りとぷりぷりの海老の食感がたまりません。
ちなみに蕎麦を「さらしな」にすることも可能なので、何人かで2種の蕎麦を注文して、シェアしてかき揚げとの相性を楽しんでも良いですね。

他にも美味しい蕎麦前となる一品料理が充実しています。優しい甘さの卵焼は添えられた大根おろしにしっかりと味が付いているので、甘い卵焼きが苦手な人は、少しずつ乗せて食べると自分好みの味になります。鳥焼もジューシーで、香ばしく、そばにたどりつく前に満腹になりそうですが、総本家更科堀井は蕎麦がメイン。控えめに(笑)。

本当に美味しい蕎麦屋はとても稀少。せっかく食べるのなら名店の伝統の味を!

東京には星の数ほど蕎麦屋がありますが、「うわー!美味しい!」と叫んでしまう店は数えるほどしかありません。シンプルな料理だけに、普通に作ればそばの味も、そばつゆの味も「ああ、普通に美味しい」で終わってしまいませんか?でも、そば粉にこだわったり、打ち方にこだわったり、出汁の素材を研究したり、地道で丁寧な仕事を行えば行うほど、差がついていくもの。

総本家更科堀井に来ると、蕎麦を食べた瞬間にわかります。またこれだけの仕事を江戸時代から普通にやっていた、というのもすごいことだと思いませんか?
そりゃ江戸城にも呼ばれるよな…という素直な感想が出てくるはずです。

無性に蕎麦が食べたくなったら、麻布十番に出かけてみてください。その後は、麻布十番・六本木ヒルズをまとめて散策するというのも、旅の1日にお勧めです。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/07/09 訪問

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