観光に訪れた人達の多くが、大根の大根島?と、疑問に思われます。鳥がタコを銜えて島に来たからたこ島と名づけられ、それがなまってたく(大根)島にかわり、大根島となりました。そんなのどかな島の正体は、実は平坦な火山島。
島の火山灰土質が牡丹や雲州人参の栽培に適していたため、蚕の生産が衰退したあとで盛んにその栽培がおこなわれるようになりました。
苗を売り歩いた行商の女性たちの苦労をねぎらい、全国から人が集まって観てもらえるように牡丹の花が咲く日本庭園を考案したのが由志園の原点。由志園は、今でいうインバウンドの走りでした。
牡丹の開花のピークは春。毎年、ゴールデンウィークに池が紅白の牡丹の花で埋め尽くされることで話題に。その数なんと3万輪。噂が噂を呼び、毎年グレードアップ中。2016年には、黄色い牡丹1万輪が1日限り池泉を埋め尽くしました。さて来年は?
由志園の門をくぐると、島で栽培される人参のオタネ人参エキスの試飲や、お土産店で品定めをする観光客でにぎわっています。この地方のオタネ人参は、雲州人参と呼ばれ高麗人参にも負けない最高級品。
入場券を買って、庭に足を踏み入れると瀟洒なお食事処があります。しかも料亭をはじめ4か所も。もちろん庭の景色を愛でながらのお食事が楽しめます。地元では年末に由志園のおせち料理の販売もあり、味の評価も高くて大人気。
四季折々の庭園を眺めながら箸をすすめるのもいいですが、おすすめは、喫茶「一望」。壁面いっぱいに広がる窓越しに日本庭園を一望にしながら、珈琲や抹茶を楽しめます。テイクアウトもできるので、予算と時間にあわせてくつろげますね。
由志園は、典型的な池泉(ちせん)回遊式日本庭園。大きな池の水は、くみ上げた地下水。故郷愛が伝わってくる設計で、この地方独特の黒松や、中海を模している水辺。水際のなだらかな曲線は、弓ヶ浜がイメージされています。
クリスマス時期には、イルミネーションで庭がライトアップされ、プロジェクトマッピングも。歩いてまわる庭園は、次にどんな景色に出会えるかが予測できない楽しみが。石橋や飛び石、小川の流れや滝、大人にもこどもにも人気です。
島根県の片田舎にある大根島ですが、時には、仮屋崎省吾氏、ダニエル・オスト氏など著名フローリスト達の作品に出会えることも。この他にも牡丹の館では、一年を通して牡丹の花を楽しめるほか、庭園では初夏には、菖蒲のブルー、秋には紅葉の赤と四季折々、色とりどりの花々が楽しめます。
写真は、出雲大社にちなんだしめ縄の上に活けられた一輪の牡丹の花。ダニエル・オスト氏の作品です。
創設者の門脇氏が、この地に観光地にと日本庭園用の土地を購入した頃、だれが今日の由志園の成功を確信していたでしょうか。土地購入には、反対者もたくさんいたとか。
昭和50年4月のオープンから今では年間30万人の観光客が全国から押し寄せるようになりました。毎年、噂が噂をよんでまさに山陰の秘密の花園へと成長。
庭好きはもちろんのこと、牡丹を自宅で楽しみたいという方には、様々な種類の牡丹の苗の販売もあるので、手入れの仕方を教わりながら購入も可能。もちろん全国へ宅配してもらえます。
そして、年間パスポートも1200円からとお手頃。四季折々の由志園を楽しめますね。
由志園のアクセスは、車が便利。島根県と鳥取県の県境にあるので、松江(西尾IC)から12分、米子ゲゲゲの鬼太郎空港からも15分ほど。山陰観光に花を添えてくれますよ。
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