世界遺産・熊野古道最大の難所『大雲取越え』にチャレンジ! 那智勝浦で熊野古道の神髄を満喫しよう!

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世界遺産・熊野古道最大の難所『大雲取越え』にチャレンジ! 那智勝浦で熊野古道の神髄を満喫しよう!

世界遺産・熊野古道最大の難所『大雲取越え』にチャレンジ! 那智勝浦で熊野古道の神髄を満喫しよう!

更新日:2013/09/17 14:36

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

2011年9月の紀伊半島豪雨で甚大な被害を受けた和歌山県。

特に、熊野川の氾濫で『熊野古道』のコアである熊野那智大社のご神体『那智の滝』が被災したというニュースに驚かれた方も多かったことでしょう。復興しつつある那智勝浦を訪ね、古来より『祈りの道』であった熊野古道の最大の難所といわれる『大雲取越え』にチャレンジして、1日も早い復興を祈りつつ、熊野古道の神髄に触れる旅はいかがですか。

熊野古道の美しい姿を残す『大門坂』から『大雲取越え』に挑戦!

写真:SHIZUKO

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『大雲取越え』は、熊野那智大社と熊野本宮大社を結ぶ、険しい山道の前半部分の名前。『小口(こぐち)』という集落まで続く、800メートル超えの峠を三つ越えていかなければならない厳しい道です。熊野古道の中でも最大の難所とされていて、途中には『亡者の出会い』と呼ばれる、その名も怪しい、辛い急坂もあります。ちなみに、小口から熊野古道随一の絶景ポイント『百閧ョら』を通る後半の道は『小雲取越え』と呼ばれています。

大雲取越えのスタートは、『熊野那智大社』に隣接する『那智山青岸渡寺(せいがんとじ)』。ちなみに青岸渡寺は世界遺産に登録されており、西国三十三箇所観音巡りの第一番礼所でもあります。

青岸渡寺へ行くには、いくつかルートがありますが、熊野古道の中でも一番よく知られている美しい『大門坂(だいもんざか)』を30分ほどかけて登っていきましょう。熊野古道を象徴する467段の石畳の階段は保存状態がよく、当時の道幅の広さをしっかり保っています。

大門坂は、昔の優れた石積み技術のおかげで、どんな豪雨でも地震でも道が崩れるということはありません。表面に見えている石の下に、あと2層の石畳が敷かれているそうです。なので、水はけがよく、雨の多いこの地方の重要な道として、人々の生活を支えてきました。

大門坂を登り始めて、『振ケ瀬橋(ふりがせばし)』を渡ると、巨大な『夫婦杉』に出会います。この偉大な杉以外にも、大門坂の両脇には、多くの杉の原木が残されています。樹齢700年とも800年ともいわれるこれらの杉は『南方熊楠(みなかたくまぐす)』という、和歌山出身の植物学者の指導により残されたものです。人工林が多い熊野古道の中で、大門坂がひときわ美しいのは、これらの杉の原木のおかげといえるでしょう。

『熊野那智大社』と『那智の滝』

写真:SHIZUKO

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大門坂を登り切ると、世界遺産『熊野那智大社』の朱塗りの鳥居が見えてきます。その右手に『青岸渡寺』。山門の手前も見上げれば、首が痛くなるような急階段が続いています。でも、こちらは、コンクリート造りなので、石畳よりは楽に登れます。

那智大社の境内には、鮮やかな朱塗りのお社がたくさんあります。参拝をすませ、『延命水』をいただきましょう。『那智の滝』の滝つぼのありがたいお水です。

そのあと、またまた朱塗りの塀をくぐって、お隣の青岸渡寺へ。どっしりとした本堂から振り返れば、雨のおかげで水量十分の那智の滝。手前には、朱塗りの三重塔。まるで一枚の絵のような美しさ。落差133メートルの日本一の名瀑は、いくら見ていても見飽きません。

大雲取越えに進むには、このまま本堂右手の登山道を登っていきます。

もし、勝浦で一泊される場合は、那智の滝にもぜひ立ち寄ってください。滝の見える方に進めば、その先に滝へ降りていく道が続いていますから、ゆっくり下って、滝つぼのそばまで行ってみましょう。

そばまで行ってみると、美しさとは別に、ちょっと驚く光景が。

2011年の豪雨は、滝つぼの岩を流し去り、川を多くの岩で埋め尽くし、川そのものを消滅させてしまいました。そこで、現在は、滝つぼに重機が入って、復旧作業が行われています。こんなご神体の姿は、もう2度と見られないし、見たくないですね。再び、美しい滝つぼの姿にお目にかかれる日を心から願うばかりです。

いよいよ、大雲取越えのスタート

写真:SHIZUKO

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さて、いよいよ高低差830メートル、約15キロの大雲取越えのスタートです。青岸渡寺から急坂を登ること30分。最初に到着するのが『那智高原公園』。

しばし休憩と、シンキングタイムです。思っていたより、登りがきついと感じた方や体力に不安を感じた方は、ここが思案のしどころです。

大雲取越えの道は、豪雨のせいで車道が完全に復旧できていないので、この那智高原公園までしかタクシーは来てくれません。大雲取越えは、この30分の登坂の10倍以上の厳しさ。もし、途中で苦しくなっても、最後まで自分の足で歩き通すしかありません。各自でしっかり判断して、進むか戻るかを見極めましょう。

進むと決めたらば、もう、戻ることはできません。ゴール、目指して出発です。

再び急坂を登ること約1時間半で、1つ目の峠『舟見峠(883メートル)』に到着。勝浦の町と那智湾を見渡せる、この道唯一の眺望ポイントです。

2つの峠を越えた後、最後の試練が…

写真:SHIZUKO

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舟見峠から2キロほど車道を下り『地蔵茶屋跡』で昼食。

昼食後は『石倉峠(805メートル)』『越前峠(871メートル)』、と2つの峠を越えていきます。

苔むした熊野古道。とても美しい初々しい苔の緑。かつての火山の名残を見せるまん丸い大きな岩。霧の中にたたずむ杉木立。どれも素晴らしいのだけれど、足元が…。

最後の2キロは、『胴切坂(どうきりざか)』と呼ばれる急な下り坂。雨の多いこの地。訪ねた日は大雨でした。大量の雨水が川のように石畳の上を流れていきます。足場をゆっくり確かめて下るため、なんと最後の1キロの踏破タイムが45分。でも、無事に下山してこそですから、安全第一を心掛けましょう。

最大の難所といわれるだけあって、アップダウンの激しい石畳道。でも、苦労する価値のある美しい道です。一歩一歩を踏みしめながら、苦しくても確実に前へ進んでいくことの大切を実感することができるでしょう。

おわりに

熊野古道は、全部を歩き尽くそうとすると相当な距離。時間もずいぶんかかります。現在では、歩きやすいハイキングコースがたくさん整備されていますので、危険のない部分を楽しむことで、熊野古道の雰囲気を知ることはできます。でも、熊野詣に向かった昔の人々の苦しさや、幸せを祈る気持ちを本当に体験してみたいとすれば、難所『大雲取越え』に挑戦してみることをお勧めします。苦しいからこそ、救われると信じ、歩き続ける山中の道は、まさに祈りの道と呼ぶにふさわしいものです。

ただし、危険のないよう、地元のガイドさんに案内していただくことも併せてお勧めします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/09/02−2013/09/03 訪問

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