室蘭八景とは、一般市民からの投票などをもとに選定された室蘭市を代表する8つの景勝地です。このなかには太平洋側の断崖絶壁の海岸景観がいくつかあり、金屏風・銀屏風もそのひとつ。
写真は金屏風で、赤褐色を帯びた崖面に朝日が映えると、金の屏風を立て連ねたように見えることから名付けられ、違う場所にある銀屏風と一対で室蘭八景の一つになっています。銀屏風は、崖に夕日が映えて銀色に輝くところからこの名がついています。
室蘭市の南端に突き出ているのが地球岬です。この名称、地球が丸く見えるからと思いきや、アイヌ語の「ポロ・チケップ」(親である断崖)が、チケウエ→チキウ→チキュウと転化して、地球岬になったそうです。地球岬も室蘭八景のひとつ。絶壁の向こうに水平線が弧を描くパノマラが魅力です。
室蘭市の太平洋側は100m前後の断崖絶壁が約14km続いています。海岸の景勝ポイントを通る道路は幅員が狭く、カーブもきつい箇所が多いので、運転には気をつけましょう。
また体力のある方はトレッキングで巡れば、さまざまな表情をみせる海岸景観をじっくり堪能できるのでおすすめです。
海岸沿いを離れて、次は室蘭輪西の商店街に移動して、ボルタ工房を覗いてみましょう。ボルタは、ボルトやネジ、ワッシャーなどで作られた愛嬌のある人形で、鉄のまち室蘭を盛り上げようと『NPO法人テツプロ』が製作・販売をしています。
ボルタを製作しているボルタ工房は、新日本製鐵の門前町として栄えた室蘭輪西の商店街の中にあり、事前に予約するとボルタの製作体験もできます。
ボルタには1から100までポーズがあり、それぞれに遊び心のあるタイトルついてます。「フラフープでノリノリのボルタ」とか「欽ちゃん走りのボルタ」とか、タイトルを読むだけでも楽しくなります。そしてそれぞれのポーズには、買わないと読めない秘話がつけられています。
ちょっと秘話の一例を
No.57「フルートのボルタ」
楽器ボルタが好評なため、フルートも吹くことになったボルタ。5分後にはそれなりに吹けるようになったが、その2時間後にはこの楽器の奥深さにこうべをたれるボルタであった。
1〜100まで揃えたくなるボルタ、室蘭みやげにお勧めです。
室蘭は夜になると、絵になる景色に出会えます。
白鳥大橋は、コの字型の室蘭港の入口を結ぶ全長1,380mの吊り橋です。夜間はライトアップされ、港内に映える姿が美しい。
港の周囲には、新日本製鐵、日本製鋼所の鉄鋼業、造船業、製油所など大小さまざまな工場が林立し、室蘭ならではの夜景を生み出しています。太平洋側の断崖絶壁の景観とは全く違う工業都市の顔。
今では、日本五大工場夜景エリア(室蘭市・川崎市・四日市市・周南市・北九州市)といわれているようです。
室蘭観光協会では、週末限定で夜景見学バスを運行しているので、これを利用するのもいいですね。
さて、室蘭の〆、やきとりで一杯いきましょう。豚肉とたまねぎを使うのが特徴の室蘭やきとり。
室蘭市中央町、かつて作家の椎名誠氏にゴーストタウンと言われたアーケードがあった街。そのアーケードも撤去され、どことなく寂しさが漂う商店街ですが、ちょっと歩くだけで何軒ものやきとり屋さんを発見することができます。街に漂う煙、肉の焼ける匂い、タレがちょっと焦げた香ばしい香り。あ〜もうガマンできません。
ここぞという1軒を探してじっくり極めるもよし、1軒の店は軽く一杯程度で抑えて、2〜3軒ハシゴするもよし。それぞれに楽しいのです。
最盛期には人口18万人を数えた室蘭市ですが、今では半分の9万人ちょっと(平成25年8月現在)。商店街も寂しさを隠せませんが、生活の営みが感じられるなんとも懐かしい街並み。自然、夜景、グルメ、いろんな魅力がいっぱいの室蘭市。ぶらりと散策してみませんか。
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