写真:M Maririn
地図を見る芦ノ湖に突き出た半島の形を成している「塔ヶ島」と呼ばれる場所に「恩賜箱根公園」はあります。明治19年に皇族の避暑と保養、外国からの賓客をもてなす事を目的とし、二階建ての西洋館と日本館、官舎や兵舎が立ち並ぶ壮麗な箱根離宮が造営されました。しかし大正12年の関東大震災、昭和5年の北伊豆地震によって建物は倒壊してしまいます。さらには戦争へと時代が進んでいく中にあって離宮の再建は打ち切られてしまいました。
終戦後、神奈川県に下賜された離宮跡地は「恩賜箱根公園」として生まれ変わります。以前は限られた人達だけのものだった場所が、誰もが楽しめる憩いの公園となったのです。
2013年(平成25年)には箱根離宮当時の地形・施設の痕跡を残した公園整備が評価され、近代造園文化の発展に寄与した名勝地として「国登録記念物」に登録されました。
恩賜箱根公園の大きな魅力はそこから見える箱根の素晴らしい眺めです。15万9000平米の広大な園内には展望台や広場があり、そこからは芦ノ湖や湖上を進む遊覧船、駒ヶ岳や箱根神社の赤い鳥居、そして富士山などこれぞ箱根!といった景色が目の前に広がります。その見事な眺めは「かながわ景勝50選」「関東の富士見100選」に選ばれるほど!園内は1時間ほどで回れますので是非素晴らしい箱根のパノラマをご覧になって下さい。
写真:M Maririn
地図を見る公園中央広場には離宮時代の名残の一つ、離宮本館の礎石が残されています。その正面に立っているのが、かつての建物を思わせる「湖畔展望館」です。
一階は離宮時代の写真や資料などの展示室となっています。きれいなステンドガラスが飾られている階段を上がっていくと二階には休憩室とバルコニーがあり、ここからも富士山や芦ノ湖の素晴らしい展望が広がります。
休憩室にある茶処「緑賜庵」(りょくしあん)ではお菓子付きのコーヒーや抹茶などが頂けるので、美しい景色を見ながら優雅なお茶の時間を過ごしてはいかがでしょうか。営業日・時間やメニューなどは関連メモから恩賜箱根公園ホームページでご覧になって下さい。
四季折々の花も公園散策の楽しみの一つです。マメザクラやオオシマザクラの開花で春を迎えると5月にはツツジ、シャクナゲが咲き、夏の濃い緑の中に揺れるアジサイやヤマユリ、そしてリンドウなど秋の花の後には、園内が赤や黄色に色づく紅葉の時期を迎えます。
公園では足元にも注目してくださいね。園内には石積みや園路わき、木立の中などに美しい苔を見る事が出来ます。
写真:M Maririn
地図を見る江戸時代、東海道には名橋と呼ばれる三つの橋がありました。そのうちの一つ箱根町芦川地区の旧街道にかかっていた「芦川橋」が恩賜箱根公園内に移設・保存されています。
幅2m、橋の長さは2.5m足らずの小さい橋ですが、歴史的価値が高い事から「かながわの橋100選」に選ばれています。
公園は入園無料ですが駐車場は有料となります(普通車:1時間毎310円)公園の近くには「箱根関所資料館」や「箱根旧街道杉並木」があるので足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
「恩賜箱根公園」では電動自転車の貸出や園内のガイドツアーも行われています。詳しい利用方法は関連メモの「恩賜箱根公園」のホームページでご確認ください。また車いす利用の方は来園の際に公園事務所にあらかじめご連絡ください。
それではみなさんの旅が素晴らしいものになりますように!
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(2024/4/26更新)
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