モエレ沼公園のランドマーク、標高62.4mのモエレ山。成層火山のようなフォルムに直線に刻まれた階段は、山というより彫刻作品を感じさせます。しかし階段が見えない角度から見ると、彫刻というよりは山そのもの。この人工の山は、公園所在地である札幌市東区の最高点として国土地理院の地図にも登録されています。モエレ山が造成されるまで東区には山がなかったんです。
山があったら登らないとね。
モエレ山には、3方向5ルートから山頂へ登る階段があり、直線で登る階段のほかは、螺旋を描きながら緩やかに登る階段になっています。芝生をまっすぐ登ることもできますので、ルートは関係なくどこからでも自由に登れる山なんです。
山頂からは、園内だけではなく、札幌市街地全体を眺望することができます。
札幌の展望スポットの多くは、藻岩山をはじめとして南西側にあります。このモエレ沼公園がある北東側からの眺望は札幌市民でもあまりなじみのない方角であり、モエレ山ができるまでは見ることができなかった景観です。
モエレ沼公園は総面積約189ha、内陸部は100haもある広大な公園です。そのほとんどが芝生で覆われていて、ふかふかの芝生の上を思い切り走りまわるといった贅沢を楽しむことができます。
芝生の中に幾何学模様で引かれた園路が走り、そこに山や森、彫刻、噴水などが配置されています。公園の中を進んでいくと、立つ位置によって見える景色が大きく変化し、公園はさまざまな表情をみせます。
ガラスのピラミッドは、モエレ沼公園の中心的な施設。陽がさんさんと差し込む開放的なアトリウム空間からは、ガラス越しに公園を見渡すことができます。
館内にはイサム・ノグチを映像や図書で紹介するギャラリーがあります。ここにはマスタープラン策定当時の公園の模型があって、ほぼ忠実に公園が造成されていることがわかります。
また1Fにあるランファン・キ・レーヴは、札幌のフレンチの名店モリエールがプロデュースしたレストランで、美しい公園を眺めながら北海道の旬の素材をふんだんに使ったフレンチを楽しむことができます。公園を散策してここでランチというのもとても魅力的なプランです。
イサム・ノグチが札幌に残したもうひとつの作品の話を。札幌の大通公園に設置されたブラック・スライド・マントラ。滑り台を兼ねた独特のフォルムの彫刻作品は、いつもたくさんの子どもたちが目をきらきらさせながら遊んでいます。
イサム・ノグチは「この作品は子どもたちのお尻で仕上げられる」と語っていたそうです。作品にじかに触れて、遊んで完成する作品。モエレ沼公園もそうなんだと思います。心のおもむくままに思いっきり遊んで感じる公園。楽しいですよ。
園内は非常に広いので、効率的に回りたいという方には、レンタサイクルがおすすめです。公園の主な入口は東口と西口の2箇所に分かれていて、レンタサイクルは東口にしかありませんのでお気を付け下さい。
モエレ沼公園は郊外部にあって、公園までのアクセスは必ずしもいいとは言えませんが、本数は少なくても地下鉄駅からバスも出ています。是非一度イサム・ノグチが大地に刻んだ作品を体感してみてください。
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