ロンドン「V&A 子ども博物館」で懐かしのレトロ&ヴィンテージおもちゃに出会える

ロンドン「V&A 子ども博物館」で懐かしのレトロ&ヴィンテージおもちゃに出会える

更新日:2018/07/19 12:33

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
アンティークショップやマーケットが軒を連ね、おしゃれな街として知られる東ロンドン。にぎやかなブリック・レーンをさらに東に行くと、住宅街の一角に「V&A 子ども博物館」が見えてきます。
ヴィクトリア朝の「ドールハウス」をはじめ、古今東西の「おもちゃ」が展示される館内は、レトロ&ヴィンテージ好きにはたまらない空間。かわいらしいおもちゃに癒されながら、子どもだった頃のことを懐かしく思い出してみませんか。

思わずうっとり「エリザベス2世」の初々しいお姿

思わずうっとり「エリザベス2世」の初々しいお姿

写真:Lady Masala

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「V&A Museum of Childhood(ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム・オブ・チャイルドフッド)」は、サウス・ケンジントンにあるV&A博物館の分館で、館内には、歴史的価値のある貴重な人形から、子どもの頃に実際に遊んだことのあるようなトランプゲームの類まで、ありとあらゆる「おもちゃ」が展示されています。実際に遊ぶことができる遊具も多く、学校が休みの期間には、子どもたちの姿が目立ちます。

イギリスやヨーロッパのおもちゃが中心ですが、アジアや日本の物もちらほら。雛人形や日本でもなかなか見ることのできない文楽人形も展示されています。ヨーロッパに暮らす人々にとって、東洋の物はエキゾチックに映るのか、多くの人が足を止め、熱心に見入っています。

カードゲームやパズルなどの紙でできたおもちゃも充実。破れやすい紙のおもちゃは、後世に残される確立が極めて低いですが、ここには、状態の良いものが数多く展示されています。
1953年のエリザベス2世の戴冠式を記念して発売されたパズルは必見。90代となった現在でもかわらぬ美しさを保ち続ける女王様の、若かりし頃の初々しいお姿にお目にかかることができます。

本物そっくり ヴィクトリア朝の「ドールハウス」

本物そっくり ヴィクトリア朝の「ドールハウス」

写真:Lady Masala

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数ある展示のなかでもひときわ目を引くのは、ヴィクトリア朝につくられたという「ドールハウス」。リビングルーム、ベッドルーム、キッチンなど、実際の家と同じような間取りで、壁紙やカーペット、家具や食器にいたるまで、部屋の様子が詳細に再現されています。

部屋ごとに色やパターンが異なる壁紙、リビングルームに飾られている絵画、そして、実際の布が張られている椅子など、どれも本物そっくり。キッチンにあるのは、当時の流行であった白地に青で美しい模様が描かれているお皿。見るものすべてが愛らしく、精巧に作られているため、何時間見ていても飽きないほどです。

これらのドールハウスは、ヴィクトリア朝においては高価な物でした。所有することができたのは、中流階級以上の一握りの限られた人たちだけだったといいます。

「Mrs Bryant’s Pleasure(ブライアント夫人の喜び)」と名付けられたドールハウスは、マッチの製造で富を得たというウィリアム・ブライアントの妻アンが、オーダーメイドでつくらせた物。夫妻が1860年代に住んでいた屋敷がモデルとなっています。職人の手によってひとつひとつ丹念につくられたという家具には、マホガニーが使用されているのだとか。壁紙やカーペットは、当時の典型的な中流階級の家庭を象徴しています。

懐かしの「ブリキのおもちゃ」に癒される

懐かしの「ブリキのおもちゃ」に癒される

写真:Lady Masala

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ぜんまい仕掛けのブリキのおもちゃは、レトロ&ヴィンテージの定番。館内には、古き良き時代を思い起こさせる懐かしの動くおもちゃが勢ぞろい。

使い込まれた形跡が感じられる色のあせた黄色いアヒルをはじめ、ビビットなカラーが美しい野鳥のぜんまいおもちゃ。幼い頃に、お風呂で遊んだ記憶が蘇ってきます。
ユニークな顔をしたスコティッシュテリアにも注目してみてください。スコットランドらしいタータンチェックの服を着せられた小さなわんちゃんは、ぜんまいを巻くと、尻尾をふりながら喜び勇んでお散歩に出かけるのでしょうか。手にとることができないのが残念ですが、見ているだけでも想像が膨らみます。

あまりのかわいらしさに、何時間でも見ていたいのは、1970−80年代に作られたというシカ。立派な角が生えているのでバンビちゃんではなさそうですが、その大きな瞳で見つめられると思わず頬ずりしたくなります。本物のシカと同様に、飛び跳ねながら動くのだとか。レトロ&ヴィンテージファンには、たまらない逸品です。

子どもだった頃を思い起させる「V&A 子ども博物館」

ヴィクトリア朝につくられたというアンティークのドールハウスから、レトロ&ヴィンテージ好きには垂涎のブリキのおもちゃ、そして、幼い頃に遊んでいたような、どこにでもありそうな、おままごとセットやボードゲームまで、ありとあらゆる「おもちゃ」を収蔵する「V&A 子ども博物館」。
世界中から集められたというおもちゃを見学しながら、童心に返ってドキドキわくわくしてみませんか。

アクセス:
地下鉄 Central Line(セントラル・ライン)Bethnal Green(ベスナル・グリーン)駅より徒歩で約2分

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/05 訪問

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