写真:Ise Shinkurou
地図を見るカッパ淵に隣接する「常堅寺」は室町時代に創建された曹洞宗の寺院。山門にある仁王像は慈覚大師の作と伝えられ、仁王様にしては柔らかい表情で寺の入り口を守っています。歴史の重みを感じる素晴らしい八脚門です。
またこの寺にも河童に関する伝説が多く残り、なかでもよく語られるのが「寺が火事の時、裏の川からカッパが現れ火を消し止め、その後カッパの狛犬になった」というお話。実際に十王堂の前には古い狛犬ならぬカッパの狛犬が一対残っています。頭の上に皿を乗せたカッパの狛犬を見る事が出来るのは全国でここだけ。写真でご紹介出来ないのが残念ですが、是非お立ち寄り下さいね。
さて「カッパ渕」が登場する「遠野物語」第58話は「馬を川に引き入れようとした河童が、反対に馬屋に引きずり込まれ、人間に許しを請う。」というカッパのお話。目指す「カッパ渕」へは、境内左手にあるかっぱ橋を渡ります。
地元の方のお話では、明治の頃までは頻繁に「カッパ目撃情報」があったそうです。これはもしかしてと期待に心を弾ませ、橋を渡り「カッパ渕」を目指します。
小川沿いをしばらく歩くと小さな祠(ほこら)と、子どもを抱いたカッパの置物が!この祠はカッパの神を祀ったもので、女性が母乳が良く出るよう祈願する習わしがあります。
カッパは人間の大切なものを川に引きずり込む悪戯が大好き。足元に注意しながら、さらに奥へと進みます。
写真:Ise Shinkurou
地図を見るすぐ先に可愛いカッパの看板が!「かっぱさんに引き込まれないように。美男美女の方は特に注意を。 まぶりっこ」とあります。「まぶりっこ」とはこの地域の伝承を伝える人の事。やっぱりカッパも見た目を気にするのでしょうか。
そして、カッパを捕獲するには「カッパ捕獲許可証」が必要との事。私はここを訪れる前に道の駅「遠野風の丘」で購入しましたが、カッパ好きにはたまらない許可証。裏面にはカッパ捕獲時の注意書き7ヶ条が!少しご紹介しますね。
1.カッパは生け捕りにし、傷をつけないでつかまえる事。
2.頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないでつかまえる事。
3.餌は新鮮な野菜を使ってつかまえる事。・・・・等
また遠野駅前にある「遠野観光協会」では写真入りの「カッパ捕獲許可証」を購入する事が出来ます。こちらは5年更新でゴールドになるという面白い許可証、特にカッパの大ファンの方にお勧めです。
写真:Ise Shinkurou
地図を見る河童の好物キュウリが竿先にぶら下がっていますよ。竿には「名人の竿」とのネーミングまであります。小川のせせらぎを聞き、竿先を見ながら、民話に思いを馳せて過ごす不思議な時間。本当に現代と同じ時間が流れているのでしょうか?あまりの静けさに水の中に引き込まれそうな錯覚をおこします。
「カッパ渕」で流れる、幻想的な民話の世界の時間!ここは訪れた人の心を癒してくれる貴重で特別な場所です。
1時間ほどの散策では、カッパには出会えなかったのですが、どこかからこっそりと、私を見ながら、どんな悪戯をしようか?と思案していたのかもわかりませんね。
カッパ渕の周辺には駐車場がありませんので、車で行かれた方は、近くにある「伝承園」の駐車場をご利用ください。この駐車場は施設利用者だけでなく「カッパ渕」に行かれる方も利用する事が出来ます(駐車場内に案内板があります)。
親から子へそして子から孫へと語り継がれる伝承。「遠野」には私たちが心の奥深くに持つ懐かしい故郷の香りが残っています。「まだ、おで(またおいで)」と声をかけられ、また訪れたくなる「民話の里」へ心の旅はいかがですか?
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(2024/3/28更新)
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