南国土佐で智恵の仏様にお参りを!日本三文殊の一つ・竹林寺

南国土佐で智恵の仏様にお参りを!日本三文殊の一つ・竹林寺

更新日:2016/05/20 11:06

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
「南国土佐」と称される高知県といえば、幕末維新の英傑を数多く輩出した近代日本ゆかりの地、あるいは太平洋に面した桂浜や清流・四万十川といった雄大な自然が残る地といったイメージが強いのではないでしょうか。そんな高知県に、意外や意外、智恵の仏様とされる日本三文殊の一つがあること、ご存知ですか?今回は日本三文殊の一つ・竹林寺をご紹介しましょう。

本尊・文殊菩薩坐像を安置する本堂

本尊・文殊菩薩坐像を安置する本堂

写真:乾口 達司

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竹林寺は、高知県高知市にあるお寺。五台山と呼ばれる小高い山の頂上付近に伽藍を構えています。四国八十八箇所霊場の第三十一番札所でもあるため、お遍路さんに関心のある方なら、その名をご存知ではないでしょうか。

寺伝では、奈良時代、僧・行基によって開かれました。平安時代には空海が滞在し、伽藍を整備したと伝わります。写真は国の重要文化財に指定されている本堂(文殊堂)。室町時代の再建と考えられています。内陣に置かれた厨子には、獅子に乗った秘仏のご本尊・文殊菩薩坐像が4体の侍者像(善財童子・優填王・仏陀波利三蔵・最勝老人)を従えて鎮座しています。

御開帳は50年に一度。直近では、2014年に御開帳されました。御開帳の期間以外、厨子の扉は閉じられてはいますが、その功徳に変わりはないため、竹林寺に参詣したら、まずご本尊にお参りしましょう。

授与所に並べられたお守りの数々

授与所に並べられたお守りの数々

写真:乾口 達司

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もちろん、智恵の仏様ゆえ、授与所には智恵のお守りも数多く販売されています。ご自身が受験する、あるいは受験期を迎えているお子さんをお持ちの場合などはぜひお求めし、本尊のご加護を得て下さい。

昭和の名建築!五重塔

昭和の名建築!五重塔

写真:乾口 達司

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本堂の真正面に位置しているのは、弘法大師・空海をおまつりした大師堂。その右手、小高い場所に屹立するのが、写真の五重塔です。

五重塔の高さは33メートル。かなりの高さがある塔でありながら、不安定さを感じさせないどっしりしたたたずまいは、竹林寺の歴史的な豊かさの象徴ともいえるでしょう。しかし、実はこの五重塔、昭和55年(1980)に建てられたものなのです。とても近年の作とは思えない風格がそなわっていると思いませんか?

数々の仏像が安置された宝物館

数々の仏像が安置された宝物館

写真:乾口 達司

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庫裏の横には、宝物館も設置されています。館内には竹林寺が所蔵する仏像の数々が展示されており、平安時代の仏像も数体安置されています。そのことからも竹林寺が高知きっての古刹であることがうかがえますよね。

夢窓疎石の作と伝わる庭園

夢窓疎石の作と伝わる庭園

写真:乾口 達司

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庫裏と連結する客殿の前には、国の名勝に指定されている庭園が広がっています。文保2年(1318)、当地に滞在していた臨済宗の高僧・夢窓疎石によって作られたと伝わっており、江戸時代初期に大きく手が加わっているといわれていても、巨石や池泉を配した作庭当初の痕跡は随所に見られます。縁側に腰を下ろし、高知を代表する名庭を心ゆくまでご堪能下さい。

おわりに

日本三文殊の一つ・竹林寺の魅力、おわかりいただけたでしょうか。高知市の中心部から車で10分ほどのところに位置している上、山頂付近まで車やバスで登れるため、アクセスも快適。高知を訪れたら、竹林寺に参詣し、智恵の仏様・文殊菩薩の功徳をいただいて下さい。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/06 訪問

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