写真:月宮 うさ
地図を見る知床峠や知床五湖など、世界自然遺産"知床"を代表する観光地からもその姿を望むことができる、知床連山最高峰「羅臼岳」(※写真右の一番高い山)。標高1661mと決して高い山ではありませんが、高山植物も咲き誇る美しい山です。
しかし登山には、本州の3000m級の山を登るくらいの難易度がありますので、登山の知識・装備は必須。初心者向けの山ではありませんのでご注意ください。
最初に北海道ならではの注意事項を。ヒグマ遭遇率が非常に高いエリアですのでヒグマ対策は必須。山頂付近では真夏でも寒さ感じる日も多いため、しっかりとした防寒装備も必須です。
登山道は、斜里(しゃり)町の岩尾別温泉側から登る岩尾別コースと、羅臼町の羅臼温泉側から登る羅臼温泉コースの2つがあり、前者の方が難易度は低め。それでも登り5時間・下り4時間前後の時間がかかります。
※羅臼温泉コースは、渡渉・長い雪渓ありの上級者向け。登り7時間・下り4時間程度。8月上旬ごろまで残雪により登山道が不明確な上、雪渓上部に厳しい傾斜があるため真夏でもアイゼン・ピッケルが必須です(岩尾別コースは必須ではありませんが、軽アイゼンがあると便利)。
写真:月宮 うさ
地図を見る多くの人が利用する「岩尾別コース」の登山道をご紹介します。
前泊も可能な木下小屋を出発し森の中へ。オホーツク展望・極楽平などのポイントを経由し、まずは羅臼温泉コースとの合流地点8合目の羅臼平を目指しましょう。9合目付近からは大きな岩がゴロゴロする地帯をよじ登り進んでゆき山頂へと向かいます。
夏でも残雪が残る"大沢"付近からはハイマツ林となり、周囲には可憐な花々の姿が(※写真はイワギキョウ)。羅臼岳は日本百名山だけではなく、花の百名山にも選定される、高山植物が咲き誇る美しい山です。
水場は、弥三吉水・銀冷水・岩清水(涸れる時期も有り)の3ヶ所。トイレは岩尾別温泉駐車場(携帯トイレ回収BOXも有り)に。銀冷水には、携帯トイレブースが設置されています。
写真:月宮 うさ
地図を見る2つのコースの合流地点「羅臼平」は、目の前に羅臼岳山頂、周囲には高山植物が咲き誇る絶景ポイント。道のりが険しくなる山頂アタックに備えて、ひとやすみしましょう。
ここはテント泊も可能。知床のテント泊にはルールが色々ありますが、その中の1つに「テント泊はフードロッカー(※写真参照)を正しく使用すること」があります。食べ物のにおいに釣られて、ヒグマがよってきては大変ですので、食器・鍋なども含めにおいがするものは、フードロッカーに入れておきましょう。ヒグマから身を守るために、テントと食事をする場所、食料を置く場所は、それぞれ100mずつ離すことも忘れずに。
また、羅臼平には羅臼岳登山道を開いた木下弥三吉のレリーフも設置されています。
写真:月宮 うさ
地図を見る9合目付近からは何メートルもある大きな岩がゴロゴロ。山頂に近付くにつれて、その大きさは増してゆきます。難所を切り抜けた先には、世界自然遺産「知床」のてっぺん、お待ちかねの山頂が!息を飲むほど美しい、雄大な大自然を見渡す絶景が待ってします。ただし、山頂はとても狭いですので譲り合いの心も大切に。
写真:月宮 うさ
地図を見るこの記事の最初の写真「知床連山」ですが、羅臼岳山頂からはこのように見えます。緑のビロードのような大地と幾重にも連なる山々、登ったものだけが眺めることを許される絶景です。
※知床連山とは、知床半島に連なる羅臼岳から三ツ峰(1509m)・サシルイ岳(1564m)・オッカバケ岳(1450m)・南岳(1459m)・知円別岳(1544m)・硫黄山(1562m)まで続く7つの山々の総称です。上級者向けになりますが、縦走ルートもあります。
手付かずの雄大な大自然が広がる世界自然遺産「知床」に位置する羅臼岳ですから、出発前に綿密な計画と情報収集は必須。特に天候・体調不良時は、登山中止を選択する勇気も大切です。登山道がわかりにくい場所や、滑落の危険がある場所もありますので、十分な注意を払ってくださいね。また、真夏でも気温が一桁まで下がることもあります。厚手の防寒装備も忘れずに。
初めての方は、記事一番下のMEMO内「羅臼岳登山に行かれる方へ!」の項目にも必ず目を通してください。また、登山経験が浅い方、少しでも不安がある方は、山を熟知した山岳ガイドの同行をお勧めいたします。
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(2024/4/25更新)
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