ヘンリー8世に出会える!ロンドン郊外「ハンプトン・コート宮殿」で英国の歴史にふれる

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ヘンリー8世に出会える!ロンドン郊外「ハンプトン・コート宮殿」で英国の歴史にふれる

ヘンリー8世に出会える!ロンドン郊外「ハンプトン・コート宮殿」で英国の歴史にふれる

更新日:2016/07/01 14:38

Lady Masalaのプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター Lady Masala 学芸員資格

ロンドン郊外、リッチモンド・アポン・テムズ・ロンドン特別区にある「ハンプトン・コート宮殿」は、ヘンリー8世の時代に最も栄えたという旧王宮。
広大な敷地に建つ壮麗な宮殿内部と、毎年フラワーショーが開催される美しい庭園を見学することができます。ロンドン中心部とは雰囲気を異にする広々とした空間と、テムズ川から吹いてくる心地よい風を感じながらテューダー朝からジョージ王朝までの王室の様子を探ってみましょう。

400年の歴史が凝縮された壮麗な宮殿内部

写真:Lady Masala

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その役割をバッキンガム宮殿に譲る18世紀まで、王族の住居として使用されていた「Hampton Court Palace(ハンプトン・コート宮殿)」。内部は、ヘンリー8世の時代を再現した「ヘンリー8世のアパートメント」と「テューダー・キッチン」、メアリー2世に捧げられた「クイーンズ・アパートメント」、ジョージ3世が暮らしていたという「キングズ・アパートメント」、ジョージ王朝を象徴する「ジョージアン・アパートメント」に分かれています。順に辿ってゆくことで、15世紀から18世紀までの建築様式の変遷を窺い知ることができます。

そのほかにも、ヘンリー8世の5番目の妃であったキャサリン・ハワードの幽霊が徘徊するといわれている「ホーンテッド・ギャラリー」や、王室直属の「チャペル・ロイヤル」など、館内には見どころがたくさん。
鮮やかな藍色に金箔が施されたチャペルの壮麗な天井は必見。そこに描かれている「神と我が権利」というラテン語のモットーは、テューダー王朝こそが「神から授けられた権利を有する」というヘンリー8世の信念を表しているのだとか。

ヘンリー8世の権力を示す「グレイト・ホール」

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生涯で6人の妻を娶り、イギリスを宗教改革へと導いたヘンリー8世。離縁した妻を次々と処刑したことはあまりにも有名です。歴代の王のなかでは、決して人気が高いというわけではありませんが、彼と彼の生きた「テューダー朝」は、人々の心を惹きつけてやみません。ここハンプトン・コート宮殿でも、ヘンリー8世とテューダー朝に関する展示には最も力が注がれています。

壮麗な天井と、壁一面を覆う豪華なタペストリー、広々とした空間と美しいステンドグラスに目を奪われる「グレイト・ホール」は、「ヘンリー8世のアパートメント」を訪れる際の玄関口。このホールは、宮廷人たちの食堂として使用されていた場所でした。

フランドル地方の職人によってつくられたというタペストリーには、壮大な「アブラハム物語」の刺繍が。また、見上げるほどに美しいステンドグラスには、6人の后の紋章の中心に立つヘンリー8世の姿が描かれています。その下には、ヘンリーの3人の子ども、エドワード6世、メアリー1世、エリザベス1世の紋章が並んでいます。

意外なことに、最初の后であったキャサリンとの結婚生活は20年間も続いていました。世継ぎに恵まれなかったことが離婚の原因とされていますが、2人の間に男の子が生まれていればイギリスの歴史は、現在とは全く違ったものになっていたのではないでしょうか。

800人の空腹を満たした「テューダー・キッチン」

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ヘンリー8世は、多くの宮廷人を抱えていたといいますが、ここハンプトン・コート宮殿で食事を摂ることが許されていたのはおよそ800人。
200人もの使用人たちがキッチンで働き、彼らのために1日2食の食事を用意していました。「テューダー・キッチン」では、当時の厨房の様子を垣間見ることができます。

大切な客人をもてなす際には、ローストした肉が振舞われたといいます。キッチンには暖炉が再現されていますが、2人の職人が火の前に立ち、串刺しにした肉をまわしながら調理していたのだとか。燃えさかる火の前で重たい肉を操るのは、相当な重労働だったに違いありません。

肉の入ったパイもよく調理されました。耐熱皿がなかったこの時代には、パイ皮はオーブンに入れるためのお皿の役割を果たしていたといいます。皮は皿に盛りつけられる前にはがして捨てられました。今考えるとなんとも、もったいない話です。

テューダー朝においては、豚肉は貧乏人の食べ物であるとされ、宮廷内で調理されることはありませんでした。しかし、この時代の庶民にとっては豚肉でさえも贅沢品であったといいます。
ヘンリー8世も肉を好み、壊血病にかかっていたという噂もあったのだとか。彼の体型を考えると納得がゆくのではないでしょうか。

「テューダー朝」を体験できるイベントが目白押し

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宮殿内には、ヘンリー8世や彼の6人の妻たちをはじめ、テューダー朝の衣装に身を包んだスタッフが行き交います。彼らは、宮廷内でのゴシップを語りながら通り過ぎ、見学者が話しかけると、その役になりきりながら受け答えしてくれます。もちろん、記念撮影にも気軽に応じてくれます。

週末や学校の長期休業期間には、テューダー朝を体験できるさまざまなイベントも用意されています。
「joust」とよばれる中世騎士の馬上槍試合は大人気。ヘンリー8世を筆頭に、馬にまたがった騎士たちが、すれ違いざまに剣をぶつけ合いながら、手に汗握る熱戦を繰り広げます。

正面入り口近くにある「ベース・コート」では、「テューダー・マーケット」が開催されることも。実際に使われていたという道具が再現されているので、当時の人々の生活を窺い知ることができます。大道芸人や楽師も登場し、とってもにぎやかな雰囲気。

イベント情報は、公式ホームページで調べることができますが、宮殿内にあるインフォメーションセンターのリーフレットでもご確認いただけます。

均整のとれた造形美「ポンド・ガーデン」

写真:Lady Masala

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毎年7月にはフラワーショーが開催されることでも知られている、ハンプトン・コート宮殿の庭園。広大な敷地内には、大小さまざまに、それぞれの時代を象徴する庭がつくられています。

丹精込めて手入れされた花々がシンメトリーに配置される「プリヴィ・ガーデン」は、18世紀にウィリアム3世のためにつくられたもの。庭園の中心にある噴水と宮殿を背景にすれば、絵葉書のように美しい写真が撮れるでしょう。

いくつもの庭園を有するハンプトン・コート宮殿ですが、ヘンリー8世がつくらせたという「ポンド・ガーデン」の美しさは際立っています。もともとは、食用の淡水魚を育てていた池でしたが、現在では、季節ごとの色鮮やかな花が咲きほこる美しい花壇になっています。
メアリー2世が世界中から集めたという、珍しい植物を納めていた「オランジュリー」とも隣り合い、この一角には上品で華やかな雰囲気がただよいます。

見どころ満載の「ハンプトン・コート宮殿」

広々とした宮殿内には、見ごたえのある家具や武具、絵画などが数多く展示されています。美しい庭園や迷路があることに加えて、興味深いイベントも開催されていることから、時間はいくらあっても足りないくらいです。じっくりと見学したいのなら、開館と同時に訪れることをお勧めいたします。
見どころ満載のハンプトン・コート宮殿で、充実の1日を過ごされてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/23 訪問

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