写真:花村 桂子
地図を見る日本の神話「古事記」「日本書紀」の舞台とも伝わる宮崎県「高千穂」。「天岩戸神社」は天照大神(アマテラスオオミカミ)が籠られた天岩戸(あまのいわと)を、今も祀る神社です。
神話によると、天照大神の下にやって来た弟神・素戔嗚命(スサノオノミコト)はたいへんな乱暴者でした。人々が丹精込めて作った田んぼの畦を壊したり、生皮を剥いだ馬を機織り小屋に投げ込んだりと、やりたい放題。何度諫めても乱暴は収まることなく、怒った姉神・天照大神はとうとう天岩戸(あまのいわと)に閉じこもり、太陽神がいなくなった世の中は真っ暗闇になってしまいました。
通常、天岩戸への扉は閉ざされていますが、社務所に声をかけたら案内して下さいます。参拝は、お祓いの後、岩戸川の岸にしつらえられた「遥拝所(ようはいじょ)」から。というのも、天岩戸のある山全体が御神域とされており、足を踏み入れることはおろか撮影も禁じられているのです。ぜひ足を運んで、全身でスピチュアルなパワーを感じてくださいませ。
絶大な力を持つ太陽神でありながら、気持ちを分かってもらうためにはひとりで籠るしかなかった天照大神。寂しい女心が伝わってくるような、神秘的な景色がご覧になれますよ。
写真:花村 桂子
地図を見る天照大神が天岩戸に籠られたため、この世は天地暗黒となり、悪霊や災いが蔓延しました。困った八百万の神々が集まり神議されたと伝わる場所が「天安河原(あまのやすかわら)」。
天岩戸神社から120段の石段を下ったら、岩戸川の太鼓橋を渡り、緑豊かな遊歩道を川上へ進むこと150m。河原一帯を「天安河原(あまのやすかわら)」と称します。川岸には幅40m奥ゆき30mの大洞窟「仰慕ケ窟(ぎょうぼがいわや)」がぽっかり口を開け、「天安河原宮」が祀られています。ここで石を積んで願えば叶うとの言い伝えがあり、あたりは無数の積み石でびっしり埋め尽くされています。
洞窟内はほんのり暗く、光を受けてきらきら輝く川面や山の緑がひどく遠く感じられ、まるで異世界に迷い込んだような幻想的な光景が広がります。そら恐ろしいほどに静かなパワースポットには、女神に翻弄された八百万の神の嘆きが残っているのかもしれません。
写真:花村 桂子
地図を見る「高千穂神社」は、高千穂郷八十八社の総本山。農産業、厄祓、縁結びの神として広く信仰を集めています。境内でひときわ目を引くのは、真っすぐ天へと伸びる2本の巨樹。近付いて見ると、根元がひとつにくっついています。これは、「如何なることがあっても別れられない形」を現わしている夫婦杉。まわりを手をつないで3回廻ると「夫婦友人仲睦まじく」「家内安全」で「子孫は繁栄」の3つの願いが叶うと云われています。
「如何なることがあっても別れられない」のは、いいことなのかどうなのか?ちょっぴり疑問が残りますが、回るか回らないかは、あなたの心次第。もしも気持ちがざわついてしまったら、境内裏の「鎮石(しずめいし)」へお参りを。こちらは、第11代垂仁天皇の勅命により伊勢神宮と高千穂宮が創建された際に用いられたものだとか。鎮石に祈ると人の悩みや世の乱れが鎮められると伝えられています。
天孫降臨〜神がはじめて地上に降り立った地とも伝わる宮崎県高千穂。この世がはじまったときから、男神は女神に翻弄されたのかと思うと気の毒ですが、女心が揺れるのは男性の振舞いがあってこそ。神々の伝説が残るパワースポットを巡って、女心が少しでも理解していただけたら幸いです。
2016年5月15日現在、熊本地震で上記の神社等への被害はありませんでしたが、周辺道路には影響が出ているところもあります。どうぞ道中お気をつけて。
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(2024/4/20更新)
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