写真:澁澤 りべか
地図を見るいまから150年以上前のこと。当時の鴨川東岸には四条通りをはさんで七件の芝居小屋があり、いまも残る南座の向かいには北座がありました。この北座の芝居茶屋として1861年(文久元年)に誕生したのが、ここでご紹介する「松葉」です。
その2代目であった松野与三吉が明治15年に、京都で初めてのにしんそばを考案しました。そのころに、店舗は現在の場所、南座のとなりに移転しました。
ちなみに現在、北座跡には生八ツ橋の「夕子」で有名な井筒八ツ橋本舗のビル(北座ビル)が建っています。そばには“このふきん北座跡”と刻まれた石碑があり案内板も立っています。
写真:澁澤 りべか
地図を見る京阪電車「祇園四条」駅6番出口を出たところに「総本家にしんそば 松葉」本店はあります。すぐお隣は南座です。お品書きの筆頭は当然、看板メニューのにしんそば(1300円)。鮭ごはんがついたセット(1500円)も人気です。
テーブルに届いたとき、にしんはそばの下におかれていて見えません。写真はにしんをそっと箸で引っ張りあげたものですが、すぐに崩れてしまうほどやわらかいです。骨までじっくり煮てあります。でも醤油からくはありません。にしんの甘味と新鮮な九条ネギが絶妙にマッチ。出汁は鰹ベースであっさりしています。
松葉にはにしんそば以外にもあなご、湯葉などを使った珍しいそば、うどんがあります。にしん丼もこのお店ならでは。また春に京都へ行くなら、季節限定のハモを使ったメニューがおすすめです。
写真:澁澤 りべか
地図を見るかつて、海から遠い京の都では新鮮な魚を食すことが難しく、シメサバや棒鱈、身欠きにしんなどは貴重なタンパク源でした。野菜でも肉でもなく、にしんをそばに合わせるという発想は松葉から生まれ、いまや京都でにしんそばといえば「松葉」が合言葉です。
店頭ではお土産も販売しています。そば、つゆ、にしんが2人前セットで1200円から。にしんの甘露煮だけも買えますし、にしん豆、にしんの昆布巻きなどもあります。
老舗の味は普段お世話になっている大切な方への贈り物に最適です。京都を少し知っている方なら、「あの松葉の!」と喜ばれることでしょう。
今回は南座よこの本店を紹介しましたが。ほかにも北座跡近くに北店があり、また京都駅構内にも店舗がありますので、祇園のお店にいきそびれた方は新幹線に乗る前にぜひ。
150年以上京都人に愛されてきた伝統の味をどうぞ召し上がれ。
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(2024/4/24更新)
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