和の風情を身体全体で感じよう!京都八坂に位置する「石塀小路」

和の風情を身体全体で感じよう!京都八坂に位置する「石塀小路」

更新日:2018/01/08 11:07

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「石塀小路」は京都市東山区の八坂地区に位置し、京都の中でもひときわ和を感じることができる小路です。完成は大正時代と意外に早く、京都市電で使用されていた石畳を敷いたことが始まり。現在では重要伝統的建造物群保存地区として、京都の小路の代表的存在になりました。季節問わずいつでも見ることができるため、京都を訪問したら迷わず行くべきスポットのうちのひとつ!和の風情を感じる旅に出かけてみましょう!

昼間は木塀のぬくもりに身を任せて和の雰囲気を味わう

昼間は木塀のぬくもりに身を任せて和の雰囲気を味わう

写真:木村 優光

地図を見る

京都で最も静寂を保った場所のうちのひとつである「石塀小路」。京都でも屈指の観光地である八坂エリアにありながら、車の通行が不可能な道幅であることや、多くの観光客が行き来する高台寺道と、下河原通りに挟まれたエリアにあるにも関わらず、入口が見つけづらいことで、通行する人は地元の方がほとんど!

昼間は木塀のぬくもりに身を任せて和の雰囲気を味わう

写真:木村 優光

地図を見る

小路沿いの建物の多くは木塀に覆われているため、和の風情を十分に感じることができる貴重な存在です。なお、それらの建物が京町家なのか料亭なのかは表玄関を見ればわかりますが、その辺の難しさも京都ならでは!

そして昨今では映画やドラマのロケ撮影スポットとして、お茶の間にも映し出されることが多くなったため、京都へ一度も訪問したことがない方でも、写真の風景に見覚えのある方も多いハズです。写真などの媒体で見るのも良いですが、やはり「石塀小路」の良さは生で見て初めてわかるもの!京都訪問の際には「石塀小路」へ立ち寄ることを強くオススメします。

和の雰囲気の中に突然現れる赤レンガ造りの塀

和の雰囲気の中に突然現れる赤レンガ造りの塀

写真:木村 優光

地図を見る

「石塀小路」の中において、料亭や旅館がそれほど多くないエリアに、赤レンガ造りの塀に面した場所もあります。位置的に圓徳院境内の西側で、この塀は外国から輸入した赤レンガを築いて造ったもの!和の雰囲気が強く漂う中に、突如現れる洋風スタイルの塀がひときわ目立ちます。

「石塀小路」の造られた時代が大正時代ということもあって、この赤レンガ造りの塀がある辺りは、特に大正ロマンを強く感じることができるでしょう。和洋折衷という言葉がふさわしいくらい、和と洋の美味しいところを並べたかのようで、ここは紛れもなくフォトスポット!赤レンガ塀の下段は、石塀小路の名の元となった石塀が綺麗に積まれています。手前の外灯もそれらに見合うようなモダンな形状になっています。

和の雰囲気の中に突然現れる赤レンガ造りの塀

写真:木村 優光

地図を見る

洋風レンガ塀の向かい側に建つ木塀の建物は「田舎亭」とよばれる旅館で、普通のホテルとは違った宿泊気分を味わうことができます。京都旅行の際にはリーズナブルなビジネスホテルも良いですが、「石塀小路」に面した京都らしい旅館で宿泊も悪くないですよ。

なお、「石塀小路」には2箇所ほど行き止まりがありますが、基本的には高台寺道と下河原通をショートカットする小路。こういった小路のことを京都では辻子または図子(両者とも「ずし」と読む)といい、行き止まりの小路を路地(ろうじ)と呼びます。京都ならではの呼び名を少し学んでから「石塀小路」を訪問すると、またひとつ違ったものが見えてくるかもしれません。

塀沿いに設けられた明かりによってさらに情緒あふれる空間に!

塀沿いに設けられた明かりによってさらに情緒あふれる空間に!

写真:木村 優光

地図を見る

昼間の「石塀小路」も非常に風情はありますが、「石塀小路」の良さがさらに出る時間帯としては、夕刻以降!日没も深まると各料亭や旅館の表玄関に明かりが灯り、薄暗い木塀の辻子がさらに情緒あふれる空間と化します。「石塀小路」の西側入口付近に設けられた石門から眺めると、塀伝いに設けられた明かりによってさらに雰囲気の良い小路へと変貌します。

塀沿いに設けられた明かりによってさらに情緒あふれる空間に!

写真:木村 優光

地図を見る

「石塀小路」から祇園の繁華街までは徒歩で約10分ほどの距離で離れていますが、祇園の夜は賑やかな繁華街に対し、「石塀小路」はしっとりとした静寂の夜のイメージがあります。さらに祇園との距離感と入口の分かりにくさから、「石塀小路」は静かな祇園の奥座敷といったイメージにピッタリ!

塀沿いに設けられた明かりによってさらに情緒あふれる空間に!

写真:木村 優光

地図を見る

日没後の「石塀小路」はライトアップ夜景の部類になりますが、明るすぎない明かりが木塀などに反射し、それはもう和の最高傑作!「石塀小路」は曲がりくねる箇所が多いため、あちこちの木塀や石塀、石畳に反射し、幻想的な雰囲気を味わうことができるのです。

雨天だからといって京都旅行は諦めるな!雨の夜の「石塀小路」の魅力!

雨天だからといって京都旅行は諦めるな!雨の夜の「石塀小路」の魅力!

写真:木村 優光

地図を見る

雨の夜に「石塀小路」を訪問すると、濡れた石畳が和の風情を最大限に表し、そこへ料亭などの明かりが反射する様子はまさに絶景!特にオススメなのが雨上がりの夜!他府県から京都へ旅行する場合、雨天ですとキャンセルする人が多いでしょうけど、雨の京都も風情がありとても素晴らしい光景を見せてくれます。雨だからと言って京都旅行をキャンセルするのはもったいない!

稀ですが、雨の日に舞妓さんや芸妓さんが、番傘を指してお客様のいる料亭に急ぎ足で向かう姿も見ることができます。木塀背景にそんな姿を見ることができれば、日本映画のワンシーンを見ているかのよう!

雨天だからといって京都旅行は諦めるな!雨の夜の「石塀小路」の魅力!

写真:木村 優光

地図を見る

そして、石畳に響く下駄の音色を聞きながら、写真のような雨上がりの夜の「石塀小路」を歩けば、雨の京都旅行の一コマは完成したものと同然!付近にはレンタル着物店もありますので、着物に着替えて番傘を指して石塀小路を歩けば、最高の思い出となりますよ。

雨天だからといって京都旅行は諦めるな!雨の夜の「石塀小路」の魅力!

写真:木村 優光

地図を見る

写真は「石塀小路」のあちこちの木塀に掲げられた「静」の文字で、「石塀小路」を通行する際、静かに歩くよう小路沿いの住民たちが掲げたものです。さりげなく木塀に筆書きされた「静」の字が「石塀小路」と同化して、ひとつの風景として成り立っています。こんなところも京都の素晴らしさでしょうね。

<「石塀小路」の基本情報>
住所:京都府京都市東山区下河原町463-29付近
アクセス:京阪祇園四条駅より徒歩約15分

「石塀小路」の西側に位置する「辨天小路」も見逃すな!

「石塀小路」の西側に位置する「辨天小路」も見逃すな!

写真:木村 優光

地図を見る

「石塀小路」の下河原通りを挟んだ場所にも、京の雰囲気を感じることができる辻子があります。その名も「辨天(べんてん)小路」!「石塀小路」は周辺に観光名所が多いことから、稀に観光客が通ることもありますが、「辨天小路」は基本住宅街の一角ですので穴場的な辻子になっています。

「辨天小路」は入口が見つけにくいことから、どこからどこまでが「辨天小路」なのかわかりにくいですが、注意して見ると立派な石門に「辨天小路」の表札がちゃんと掲げられています。こんな門から彷徨い込めば、和の雰囲気を存分に味わえそうでワクワクしますね。

「石塀小路」の西側に位置する「辨天小路」も見逃すな!

写真:木村 優光

地図を見る

といっても、実際に辻子の中へ入ってみると、とても静かな空間!観光客もほとんど通らない穴場ですので、和建築が美しい料亭や穴場旅館で囲まれた辻子の雰囲気をゆっくりと味わうことができます。

辻子の中ほどには面白い通路も!マップで見るとわかりますが、1軒の料亭を2本の辻子が左右に取り囲んだ構成になっています。合流地点には味のある段差があるため、猫目線などの低い姿勢になって写真撮影を楽しみたくなります。

「石塀小路」の西側に位置する「辨天小路」も見逃すな!

写真:木村 優光

地図を見る

夜間も各料亭や旅館に灯がともり、昼間の表情とは一変、さらなる和の趣を味わうことができます。決して華やかな灯りではありませんが、これこそが上品な灯りの使い方!しっとりとした雰囲気に満足するでしょう。

特に写真のような雨上がりのときは、灯りが石畳に反射して、さらにしっとりとした風情ある光景を見ることができます。したがって雨上がりを狙って訪問するのもよし!

<「辨天小路」の基本情報>
住所:京都府京都市東山区下河原通上弁天町440付近
アクセス:京阪祇園四条駅より徒歩約10分

四六時中魅力満載な八坂の「石塀小路」と「辨天小路」!

京都の風情ある「石塀小路」及び「辨天小路」は季節限定のスポットではないため、いつ訪問しても和の風情を感じることができます。そのため、京都旅行の際には必訪!特に雨上がりの夜は最高の風情を感じることができるでしょう。

周辺は観光スポットが非常に多く、高台寺道や下河原通りは観光客で混雑していますが、静寂を求め、「石塀小路」経由で他の観光スポットへ向かうもよし!

「石塀小路」や「辨天小路」へは京阪電車祇園四条駅から徒歩で10〜15分ほどありますが、京都の街並みを観光しながら歩いていれば、あっという間に着いてしまうでしょう。特に「石塀小路」の入口には大正レトロの外灯があるので、注意して見ていればすぐに見つけることができます。

※2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/04/08−2015/07/18 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -